読書日記|今日のごちそう
今回橋本紡さんの小説を拝読しました。料理にまつわる短編が、沢山掲載されています。中にはほろっとする話もあって、短時間で読み終えました。ざっくりいうと料理や食事と恋愛や家族の問題を絡めた作品でしょうか。
どうしようもない恋愛も、元気が出るお話もバリエーションは豊富。収録されている話が多すぎて、たまに似た話が続いたのがちょっと気になりました。それを差し引いても満足な読書タイムでした。
私は元気が出る話が好きなので、どうしてもそういうテイストの話の余韻がずっと残っています。ただ一生経験する事がなさそうな恋愛も、読書でしか知りえない。それはそれでお勉強になりました。
別の作家さんが書かれていますが、映画化もされた小説食べる女とちょっと似ているかも。あちらは基本メインの登場人物が女性。こちらは男性がメインの話もありますからそこが大きな違い。
根底に流れる難しい問題を抱えた家庭にたいする描き方などが、心なしか似ているような。そんな気がしました。食べる女はやや恋愛と食事が大きな柱にもなっていますから、いくらか似てない部分もありますが・・・。
せんかたなき事情に対する向き合い方は、通づるものがあるかも。どちらの作品も、食事で元気になる系の小説とは一線を画す感じはありました。食事を小説の中でどう使うか?そういう観点から読んでみても面白い。
食事を恋の駆け引きに使う話、心がほどける瞬間に使う話。悩みながらも前を向くきっかけに使う話。弱気な自分を奮い立たせる話。苦い過去の恋愛の感傷に浸る話。食事や料理って日々の中に隠れたちょっとした演出なんですね。何かをきっかけに非日常にいざなってくれる時もあるんだ。
橋本さんの作品はイルミネーションキスも好き。残念ながら現在は小説書かれていません。とりあえず現在刊行されてる小説を大事に読みます。もうすぐという作品も気になっています。