真の平和を願う
4月4日(日)放送NHKスペシャル「緊迫ミャンマー 市民たちのデジタル・レジスタンス」を観ました。
ミャンマーの現状を世界に訴えるために、キーボード戦士たちが国を超えて情報を集め、発信をしているというものでした。
連日、国軍による弾圧によって、多くの若者たちが暴力にさらされるニュースが流れています。
市民も巻き込み、多数の死者も出ている。
一体何が起きているの?
なぜ国連は助けないの?
ごめんなさい。
普段、ほとんどテレビを観ないので、世界で起きてることの温度感が、通勤途中でネット配信されているニュースを読むだけでは、伝わらなかったのです。
クーデター
スーチーさん拘束
民主化運動
デモ弾圧
何が起きているのか、大体の流れは理解できても、なぜ市民や若者がこんなに殺されているのに、誰も止めに入らないのだろう。
これは、無関心であってはいけない。
もっと知らなくては…という思いが湧いてきました。
若者が命がけで立ち上がった
ミャンマーの国軍がクーデターを起こし、選挙で選ばれた民主化を掲げる政党(NLD)代表のアウンサンスーチーさんらを拘束したのが、ちょうど2ヶ月前のこと。
それに対して、抗議のデモ行動を起こした若者たち。
それを弾圧しようと、国軍はどんどんエスカレート。
今では、相手が女性だろうが、子どもだろうが、全くの通りすがりの人だろうが、容赦無く銃を向けて発砲しています。
国軍の非情な行動は、防犯カメラにおさめられ、国民が密かに撮影したものが、全世界に拡散されています。
それを知った国軍は、防犯カメラを壊して回る。
ところが、その様子も、映像として全世界に流されているという始末です。
民主主義が当たり前な国に暮らしている私たちにとって、民主主義が奪われるということがどんなことなのかを、テレビの映像を見ながら想像していました。
闘う若者たち。
それを弾圧しようと強硬な手段に出る国軍。
その様子を必死に撮影し、世界に発信する市民たち。
「どうか助けて」
という悲痛な叫びを受けて国連が危機感を示し、警告を発します。
ところが、一向におさまる気配がありません。
暴力はどんどんエスカレートし、犠牲者の数は急増。
この事態をおさめるには、国を超えた力が必要です。
その役割を担うのが国連。
なのに、武力制裁は行われない。
なぜ?
と素朴に疑問を感じます。
ところが、理由はとても理不尽で、制裁を発動する権限は、国連の中にある安全保障理事会(安保理)のメンバーの意見が”全員一致する”ことが条件になっているからなのです。
国のリーダーが利権を優先してしまう
安保理とは、国連の中にある最も大きな権限を持つ機関です。
役割としては
(1)国連平和維持活動(PKO)の設立
(2)多国籍軍の承認
(3)テロ対策,不拡散に関する措置の促進
(4)制裁措置の決定等多岐にわたっています。(外務省HPより)
安保理メンバーは5カ国のリーダーで構成されています。
中国,フランス,ロシア,英国,米国
日本やドイツは入っていません。
第二次世界大戦の敗戦国なので入れないのです。
安保理メンバーの5カ国中、中国とロシアが武力制圧を反対しているため、メンバーの一致が取れないのです。
なぜ中国とロシアは反対するのか。
理由は、自国の利権です。
国軍を支援した方が有利なことがいろいろあるからなのです。
(武器を必要とする国軍を支援した方が経済的に潤うだとか、アメリカと対立しておきたいだとか…)
真の平和はいつ…
内戦が止められず、自国での解決が無理なら、国を超えた大きな力に頼るしか術がありません。
国軍に銃口を向けられるのは、武装するものを何も持たない市民なのですから。
ところが、頼る先であり、大きな力を持つ国連・安保理の決定権を持つ国連のトップのメンバーが利権を求めてしまう。
その結果、武力制裁への決定に至らない。
世界平和と安全を保障する機関が、その役割を果たせないのです。
シリア問題も しかり。
北朝鮮問題も しかりです。
自国が自分たちを守ってくれないのなら、国を超えた組織(神的な役割を持つ存在)が判断を下すしかありません。
それが国連。
その大義を果たせないでいることに、そして、この状況の中で利権を優先する国があることに、とても大きな悲しみを感じています。
せめて無関心であってはならない。
キーボード戦士にはなれないけれど、関心を持ち続けたい。
そんな想いに駆られています。