機能不全家族って何?
「機能不全家族」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、家族が家族として機能できなくなっている状態を指します。
『え?家族が機能するってどういうことを指すの?』と思いますよね。
一般的な家族と呼ばれるイメージは、結婚して子どもを育てていたり、老親と同居して介護をしていたりすると思いますが、「家族」とはこういうものだという明確な定義はありません。
でもそれは表面的なカタチの問題であって、内面において機能できているか否かを理解するためには、別の視点が必要になります。
つまり、家族に欠かせない「団らん」や、いざという時に駆け込める「守ってもらえる場所」としての機能面です。
中でも子どもは、生活能力を持ちませんから、外で頑張って帰ってきた時に、心もからだも休めることができる安全な場所としての家族に、どっぷりと依存して育つ必要があるのです。
ところが、本来守ってもらえるべき場所であるにもかかわらず、ちっとも安心感を感じられなかった場合、それが自分の家族であれば、子どもはなんとしても、その家族に適合しようとするのです。つまり「この家族は安心できないから、他の家族を探そう」とはならないのです。どんなにバランスを欠いた状態であったとしても、幼い自分がその欠いた部分を引き受けて、なんとか機能させようとする、というわけです。
例えば、親が酒癖が悪く、お酒が入るとコントロールが効かなくなり、問題が起こるとしましょう。
周りが「そんなに飲むな」といくら言っても、本人は聞く耳をもちません。
家族は、いつまた暴れだすか、ヒヤヒヤしながら暮らすことになります。
「お酒を飲まない時は安心できても、お酒が入ると危険な場所になる」ということは、心から信頼して安心に包まれる環境とはいえないのです。
お酒に限りません。
機嫌のいい時は冗談を言って楽しいけれど、ある時、人格が激変して、ひどい暴言を浴びせる、といった場合も同じです。
子どもは、何が理由でそうなったかがわからず、いつまた急変するかわからないので、心からリラックスすることができません。
どこか気を使いながら、緊張の糸が緩めることが出来ずに暮らすことになるのです。
お酒や暴力というものがなくても、子どもに心からの安心感を提供できない家族があります。
例えば、親の価値観です。
「進学校に通わなければならない」
「勉強ができなければならない」
「運動もできて、友だちもいないとダメ」
「素直でなければいけないし、自分の意見も言えないとダメ」
などなど。
こんな子どもがいたらスーパーマンですよね。
でも、不安の強い親が、助けを得られない中で子どもを育てれば、この危険な領域に近づいていくことになるのです。
つまり「〜ねばならない」がたくさんあったり、絶対的な「掟」となるルールがあり、どんな事情であっても譲歩されない、としたら子どもは苦しいです。
更に、地域とのつながりがなくなれば、家の中に外の風が入ることはなく、密封された空間の中で生きなくてはならなくなります。
そこで、よく子どもが取る方法は『頑張る』です。
「この家族おかしいよ」
「誰か気づいてよ」
と抗議したり、声を上げることはしません。
むしろ、なんとかこの家族が壊れないように、安心できる場所として機能できるように「頑張る」のです。
なので、地域とのつながりを失った家族は危険が加速していきます。
この辺りになると、ますますわかりにくいですよね。
なので、このわかりにくさに名前をつけて、時々ブームを巻き起こして、警告を発しているんだと思います。
ガチャ親
毒親
モンスターペアレント
アダルトチルドレン
などなど。
ヤングケアラーという言葉も、助けを求める子どもの声がいっぱい詰まっているように思えてなりません。
いずれにせよ、機能不全家族の影響を受けやすいのは、力の弱い「子ども」です。
守ってくれるはずの大人によって力を奪われてしまうのです。
親も人間です。
完璧であるはずがありません。
だから、つながらなくてはいけないのです。
バランスを失わないように。
子どもが頑張ってバランスをとる役割を担わせなくて済むように。
現代は、特にその必要性が強まっています。
子どもと関わる大人は、この知識をしっかりと身につけて欲しいと思います。
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