感じやすさを武器にする
皆さんは感じやすい方ですか?
私は自分のことをとても感じやすい人間だと思っています。
生まれつき+育ち+経験値の部分でそうなっていると思っています。
生まれつきの部分いえば、小さい時から「あなたは感受性の強い子だ」とよく言われ続けてきたことがあげられます。
母を始め、周囲の大人たちがいつも私を見てそう言うので、学校に上がる前の幼い私は「感受性」という言葉を真っ先に覚えたくらいですから。
感覚がどれも敏感で、今では特に色や匂いには強く影響されるなと思っています。
育ちの部分では、家庭環境が大きいです。
特に父がとても厳しい人で「厳格」という言葉がぴったりの人でした。
中でも整理整頓に厳しく、父が帰宅するとサッと玄関へ走り、靴をそろえて二階の部屋に駆け上がるのが毎夜のことでした。(靴をちゃんと並べて脱いでいないと怒られるからです)
経験値では、そんな育ちの環境と生まれ持った感じやすさから培われた「我慢強さ」が、様々に影響を与えています。
中でも「いい加減が出来ない」というのは結構厄介で、感じちゃうからこそ納得できるまで切り上げられないとでもいいましょうか。
それは仕事でも、人間関係でも厄介なほど絡んできます。
さてさて、この磨き上げられた感じやすさは、私の最大な武器だとも思っています。
感じやすい人は妥協しません。
だから粘るし、とことん突き詰めるのです。
そうやって積み上げたものは「技術」となって、あらゆる場面で私を支えてくれます。
例えば「人のつくられ方」を見極めていく技術は、悩みを抱えて苦しむ人のこんがらがった苦しみを紐解くのに役立ちますし、言葉を発することのできない障害を持つお子さんの感じる世界に寄り添うと、そっと手を握り返されるなど、受け入れてもらえるまでに近づくことも、割りと得意です。
これは多分、よくある専門知識を積み上げて身につけるものとはちょっと違う、感じやすい人が理屈と感性をブレンドして作り上げるスキルだと思っています。
なので、似たようなタイプの人が私の周りにはよく集まり、多くを語らずとも分かり合える空間を作り出すことがよくあります。
なので、自分が感じやすいタイプだと思う人は、ぜひ悲観せず、その感性を武器に仕上げて欲しいと思います。
芸術の世界でもいいですし、仕事でもいいです。
きっと独自性を発揮して多いに役立つと思います。
そしてどの分野であっても、できれば「誰かのため」「人が喜んでくれるもの」にこだわると、感じやすさの武器は、一層その効力を発揮すると思います。
鶯千恭子(おうち きょうこ)