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書籍【「親がしんどい」を解きほぐす】で気付かされたこと3つ

Twitter(X)で知った寝子さん(@necononegot)。
昨年末に出版された本を知り、すぐにkindleで書籍購入。

(現在「詳しくはこちら」のリンクが機能しないようです。
でも、緑色のバー「Amazon.co.jpで購入する」を押すことでも、商品紹介画面にリンク可能です。)

一気読み。機能不全家族で育った身としては本当に救われる思い。
心から感謝。

どの項目も、首がもげそうなほど頷きながら読んだ。
最初に読んだのが1月。その後も辛くなる都度読み返し、強く強く、心を救ってくれる価値観だ!と感じた項目3つを、私自身のエピソードを交えつつ紹介したい。

なお、以下の見出し3つは、私なりの解釈で書いた言葉。
書籍内容は「引用」と明示したうえで記載していきます。

1.子供の「心の発達」を促すのは、親の役目

ここが一番目から鱗だったお話。まずは以下引用から。

 この よう に 感情 が 耕さ れる ため には、 親 からの 関わり で〝 安心感〟 を 得 ながら、 親 を通して 自分 の 感情 を 知っ て いく 過程 を 経る こと が 必要 になり ます。
 子ども の 健全 な 発達 の ため には、「 養育 者 が 子ども に 合わせ ながら 調子 を 整え て あげる こと を 繰り返し て いく 過程」 が 非常 に 重要 で ある とさ れ て い ます。
 具体的 には、「 ぐずっ て いる 子 を 親 が 抱っこ し て なだめる」 といった 身体 的 な 調整 から、「 怖かっ た ね」「 どう 思う?」 などの 気持ち の 言語 化 を 助ける もの まで、 感情 は〝 聞か れ て〟〝 呼応 さ れ て〟 耕さ れ て いき ます。

寝子. 「親がしんどい」を解きほぐす (p.19). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版

知的な発達が注目されるほど、「心の発達」は重要視されていないと感じています。
そして、いわゆる毒親育ちは、この「心の発達」を蔑ろにされて育って来たんだなと思いました。
親子の逆転現象で、親の心の安定剤になるべく、ひたすら愚痴を垂れ流される子どもたち。でも、子どもの悩みや想いには一切関心が無い毒親たち。

一定の知的レベルはあるから、状況を察知し、忖度し、分かったふりをして振舞うことはできる。自分を捨てて。そんな生き方を続けていたら、いじめやパワハラの標的になりやすいのも当然だと思いました。

娘が生まれて親になり、私自身の経験からも、喜怒哀楽を素直に表現できるようになってほしい。そう思いました。
娘は5歳半、現時点で中度知的障害。発語無し。そんな中でも、順番を待つ、公共の場では静かにするなど、経験を重ねれば身に付くこともあります。でも冷静に見て、知的な発達は非常に難しいものがあります。親としては覚悟を決めたし、進路を含め、今後に向けて工夫が必要です。

一方で、喃語や指差し、豊かな表情で、しっかりと喜怒哀楽を伝えられる娘。療育の集団の場でも、表現や主張できることが増えてきました。
娘を見ていると、知的には課題が多くても、心の発達は私よりもちゃんとしている気がします。

娘の発達遅れが明確になってきた2歳半のときに、約20年勤めた会社を退職しました。
就学前までの期間を後悔したくない。娘と沢山の時間を共に過ごして、気持ちのやり取りを重ねて、毎日を大切に過ごしたい。
あの時の決断、今日までの日々。これで良かったのかな、と思えています。

我が子の知的な発達だけでなく、「心の発達」にも寄り添っていきたい。

寝子さんの本を読み、少し自信を持たせてもらったような気持ちです。

2.「子供に嫉妬する親」からは離れるしかない

長年絶縁関係にあった両親。
娘が1歳半の時に、電話やメールでのやり取りを再開。
そして1年近く近隣で交流したものの、再び絶縁となりました。
(詳細は、次の項でもう少し触れます)

再度の絶縁にあたり、
一番大きかったのは、両親が孫(娘)の障害を受け容れる気が無いこと。
障害以前に、そもそも、娘が好きなものにも関心が薄い。

その上、自分たちの行く行くの介護の心配ばかりを匂わせてくる。幼少期に私に進路から何から忖度を求めたように。
私は親として娘の障害を受容し前を向いていくだけで精一杯。限界でした。

そして二番目に大きな理由がこちら。両親からの嫉妬。
以下、引用です。

  つまり、 親 から 子ども へ 嫉妬 心 が 向け られる 場合、 親 が 本来 向ける べき 怒り の 標的 は もっと 上 の 立場 の 者 で ある という こと です。 それ は 夫( 子ども の 父) かも しれ ませ ん し、 祖父母 や 義理 の 両親 などで ある かも しれ ませ ん。 あるいは、「 時代」 や「 社会」 に対して かも しれ ませ ん。
・・・(一部省略)・・・

〝上 から 下 に 流れ た 怒り〟 は、 本来 は 子ども に 向ける べき もの では あり ませ ん。

  子ども が それ を 受け止める 道理 は ない 負 の 感情 なの です。 もし、 ご 自分 の 親 に この よう な 嫉妬 心 を 感じ たら、 できるだけ 距離 を 置い た ほう が いい かも しれ ませ ん。  

 この よう な 場合、 親 の 心境 は 厄介 です ので、 できるだけ 巻き込ま れ ない よう に 警戒 が 必要 となり ます。

寝子. 「親がしんどい」を解きほぐす (p.114~115). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

寝子さんのこの本の中で唯一「親から離れた方がいい」と書かれているのが、この「子供に嫉妬する親」だと理解しています。

子どもの頃から薄々感じていましたが、両親は、私に嫉妬する。
私が社会的にうまく行くことに真っすぐな喜びを感じない人たち。

大学も、就職先も、周囲には自慢していた様子。
でも、私に対しては「運が良かっただけだ」「親が金を出したんだから努力するのは当然だ」等というだけ。
心からの「あぁ、よかったね!!!(感涙)」のような反応をされたことが無い。何処かしらケチを付けなければ気が済まない様子。

そんな性質は、数年来の絶縁を経て再会した中で、徐々に露になってきました。
娘が4歳半からの約1年間、両親と交流した中で、「あれがダメだ」「これが足りない」そんな会話が増えてきて。ボディーブローのようなしんどさ。
孫(娘)が居ても、結局一緒なんだなと実感。

我が子の障害をきちんと受容し、前を向かなければいけないこの時期に、
何で私はこんなことに悩んでいるのだろう。

親として、就学前のこの時期は、大切な時間のひとつに違いない。
自分たちのことしか考えていない、くだらない親の態度に悩まされている場合ではない。
もっと、娘を真っすぐな気持ちの中で育てたい。
…そして、再度絶縁となりました。

絶縁前後、私はメンタル的に非常にまずかったです。夫は本音では、何とか上手く交流してくれたら良かったのにと思っているし。
そんな時に救われた寝子さんの言葉、価値観。出会えて良かったです。

「子どもに嫉妬する親」からは離れるしかない。
そんな親もいるのだと、親子問題に悩まなかった人にも是非知っておいてほしい。
そう思います。(夫にもこの本をひととおり読んでもらっています)

3.「絶縁」だけが解決策であるケースもある!

寝子さんのこの本【「親がしんどい」を解きほぐす】は、
極力、折り合いを付けつつ、でも無理はせずに親と向き合っていくための心構えが書かれていると感じながら読み進めました。

でも、中には『「絶縁」だけが解決策であるケース』と紹介いただいているものもあり、長年悩んできた私にとって、非常に救いになる価値観でした。

まずは以下、引用です。

 もし、 親 と 距離 を 置こ う と し て いる のに、 うまく 距離 が 取れ ない と し たら、 それ こそ「 毒 親」 と 言える かも しれ ませ ん。  
 実際、 機能不全 家庭 で ある と、 親 と 完全 に 縁 を 切る こと でしか 自分 を 守れ ない ケース は 非常 に 多い です。  

 親 と だんだん と 離れ て いく こと が でき ない よう な とき は、 親 側 の 問題 が 深刻 で ある と 受け止め た ほう が いい かも しれ ませ ん。 その よう な とき は、 親 の 勢い に 流さ れ ず、 きっぱり と し た 意思表示 と 対策 が 必要 に なる こと も あり ます。

寝子. 「親がしんどい」を解きほぐす (p.75). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

長年絶縁関係にあった両親。
娘が1歳半の時に、電話やメールでのやり取りを再開。

そしてあろうことか、一切事前の相談無く、突然近隣に越してきた両親。
「終の棲家にするつもりだ」
「いつでも会えるわね!」
「娘ちゃんがじいじのオムツを替えてくれるのかな~」

などとのたまう両親。
(…ここがもう、相変わらず凄すぎ。)

そして、1年近く近隣で交流したものの、再び絶縁となりました。
(↓↓詳しい経緯はこちら。ご参考まで。)

正直、とても残念でした。
私は、父方の祖父母と同居していて、親以上に、幼少期の育つ過程を共に過ごしてもらいました。心の寄り添ってもらう機会も多かったです・
一方で、父親は祖父母と不仲。色々とあったようです。

だから、娘が生まれたときに、思いました。
私には関心のなかった両親でも、孫のことは大切にしてくれるかもしれない、と。

そんな思いがあってのことでしたが、残念ながらそうではなかった。
でも、これは、私が勝手に期待したことでもあります。

ただそれを「許す」必要なんてなくて。
もう大人同士。昔からの積み重ねに加えて、価値観が合わないのだから、
関わらずに生きていくのが最善なのだと思えています。

・・・遠くに引っ越したらいいのになぁ。
都合良いときだけ、私に期待しないでよ(切実)。

さいごに

世間 の 常識 や 親 からの 訴え に 揺らぎ ながら も、 自分 だけは ご 自身 の 味方 で い られる よう に「 選ん で いい」 と ご 自身 の 気持ち を 聞き 続け て あげ て ほしい と 思い ます。

寝子. 「親がしんどい」を解きほぐす (p.194). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

一般的には「親を大切にするべきだ」と言われます。
親子関係がうまく行かない時は、「子どもの精神が未熟だから」とも言われます。

機能不全家族に育った者にとっては、辛い価値観を目にすることも多いです。

そんな中、今回お話させていただいた寝子さんの本【「親がしんどい」を解きほぐす】は、身近な事例を挙げながら、とても地に足のついた解決策や心構えを書いてくださっています。

直近で、再び親と絶縁に至るストレスを負ったばかりの私にとって、
非常に救いになり、また、気付きの多い書籍でした。知れてよかったです。
書いてくださり、本当にありがとうございました!

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