一人ディズニーランド紀行「恐怖・侵略者・スマホ」
自分の出来事を書く楽しさ
前回、マルチ商法の一端に触れた記事を書いたが、思いのほか自分の出来事を書くということが楽しかった。noteを始める当初は、自分が好きなものやことへの感想から書いていき、慣れてきたら自分に起きたことをエッセイとしてまとめてみようと思っていたのだが、実際にエッセイを書いてみてそれを再度読み直すと、あの時こう考えていたのかとか新たな発見がありこうやって記録することは大事なんだなと実感した。noteに公開したことで多少の反応をもらえるのもとてもうれしかった。(というか、前回の記事はよく書けた自負があったので、読んで読んでと周りに紹介したところもある。)
次に書ける自分の出来事は何だろうと考えた。ついこの前久しぶりにマッチングアプリを通じたデートがあったのだが、99.9999%失敗した。(ただ、僕は残り0.0001%の可能性をあきらめない。)これを機にマッチングアプリの失敗談をまとめることを思いついたが、考えてるうち、めちゃめちゃ辛くなってしまい一旦後回しにすることにした。もう一つ考えたのは、最近一人で行ったディズニーランドを紀行としてまとめることだ。こっちはまだ書けるだろう。なので今回は、一人ディズニーランド紀行をマッチングアプリ無限敗北編の前座として書いてみよう。
一人テーマパークの経験
突然ですが、皆様は一人でテーマパークに行った経験はありますか…?
僕は、あります。大学生のとき、2回ほど一人USJを体験しました。
一人USJの思い出はけっこうある。ミニオンのアトラクションを乗ったとき、五人乗りで男女2:2の高校生と当たってしまい、自分をなるべく「無」にしようと心掛けたこと、なんとなく池を眺めていたら、水面に遊戯王の「平行世界融合(パラレルワールドフュージョン)」が浮かんでいたこと、たまたまお化け屋敷と知らずにアトラクションに入ってしまい、どうせ一人だしいいやと知らない人のリュックにしがみついたこと、ハリーポッターのアトラクションを2時間半待っていたら気が狂いそうになり園内の人間をぶち〇すことを妄想していたが、乗ったアトラクションが本当に素晴らしく涙を流したこと、弟と友達用にハリーポッターの杖を2本買ったら、知らないキャストから「杖二本も買われたんですか~?」と煽られたこと。(こうして最後を「こと」でまとめると卒業式みたいになるね。)
この記事を書くにあたって、「一人ディズニー」で検索し記事や動画を少しだけ確認した。どうもこの手の記事を読んでいると、自分がどうやっても出せない「大人の余裕」をひしひし感じてしまう。家族・友人と行くのと違って自由に好きに楽しめる…、アトラクションやショーに行くことでつらい現実を忘れることができる…。果たして本当にそうなのか?自分が一人で行くと、周りで明るく楽しんでいるカップルや友人グループを見るたびに網膜が焼かれ、その防衛反応としてドロドロとした思考のようなものが湧いて出てくるのだ。この調子で行って楽しいのか?と思うかもしれないが、少しは楽しい。もしかしたらこれこそが「大人の余裕」なのかもしれない。
読んでくれている皆様にはこの紀行を通じて、一人でディズニーランドに行く思考がどんなものか体験してほしい。そして一人でディズニーランドに行った気分を味わっていただきたい。(アリアスター監督)
前日の動き
早朝から電車に乗って疲弊するのが嫌だったので、前日から舞浜付近に泊まることにした。その日は会社のカウンセラーと面談があり、その足で舞浜に向かった。あとその日は誕生日だった。舞浜に行ってまずイクスピアリに向かった。イクスピアリも好きな場所だ。一人ディズニーを通じて感じたのは、自分が非日常的な人工建造物が大好きなことだ。イクスピアリもその一つである。
ただ、特にやることもなかったので映画を観ることにした。「ジョンウィック:コンセクエンス」を観た。ジョンウィックは前の3作を観たことがなかったのだが、始まる前に3作分のあらすじを流していた。親切~~。あらすじは最愛の妻が死んでペットの犬が殺されて、殺した組織を壊滅させあとは組織を壊滅させるの繰り返しだった。分かりやすぅ~~。今回の話も大体同じだ。本当に人が殺されまくるので、初めて人が殺されることに飽きてしまった。最後の方はどんなに刺客が現れても「はいはい、時間稼ぎ乙w」と冷めた目でしかみれなかった。ただ、ドニーイェンが演じる盲目の殺し屋ケインはめちゃくちゃかっこよかった。彼がかけていたティアドロップのサングラスがほしくなった位だ。
映画を観た後は、ディズニーリゾートの歴史展示がやっていたので見ていき写真を何枚も撮った。もうやることもなくなったので、予約した西船橋のカプセルホテルに向かった。カプセルホテルで書くこともない。明日のルートを考えつつすぐ寝ることにした。
「開幕」入園前~プーさんのハニーハント
カプセルホテルをチェックアウトし、舞浜駅に向かった。駅に着いてしばらく歩くと当たり前なことに絶望してしまう。人が多すぎる!平日に来ているのに、子供のころよく遊びに行っていた土日の日よりも混んでいるような気がした。ま~ハロウィンシーズンだし、来月からまた値上がりにするし仕方ないのかな…。にしても多くないか!?こっちは無敵のニート期間を活用してわざわざ平日に来ているんだぞ!?まさかこいつらもニートじゃないんだろうな。(ワッカ)そんなことで狂いつつ1時間ほど待っていたら、開園した。
今回は、プーさんのハニーハントを起点として反時計回りで進むルートを考えてみた。アプリで調べてみると「イッツアスモールワールド」「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」「バズライトイヤーのアストロブラスター」がやっていないことを知る。全部乗りたいやつ。もう終わりだよこのランド。少し落ち込みながらもプーさんのハニーハントに乗った。楽しかった。正直に言うと、ただ楽しかったアトラクションはそれ以外に感想が思いつかない。終わりにクリストファーロビンの部屋を撮って次に向かった。
「恐怖」ピノキオの冒険旅行~白雪姫と七人の小人~ホーンテッドマンション
混みだしたからだと絶対に乗る気にならないので、ピノキオと白雪姫を先に乗ることにした。この2つは今までほとんど乗ったことないので、そういう意味で楽しみではあった。(この2つが特別好きって人もあまりいないんじゃないかな…)
ピノキオの方に乗ってみる。めちゃくちゃ怖いよ!!!!なんだこのアトラクション!!ピノキオについては大体のあらすじを知っていたのだが、そこの怖い部分をぎゅっと抽出してできたアトラクションのように思えた。招待した子供を堕落させロバに変身させる遊園地が出てくるのだが、そこの描写が長いし暗いしでもう怖いんだ。自分の中でこれと似た感情になる場所あった気がするなと考えたのだが、答えは見つかった。TOHOシネマズ新宿で映画を遅い時間に見た時の帰りだ。きらびやかな街にいる全ての人間が敵のように思えてくる。あそこの帰りはどうしても早足になる。すごいねピノキオ、乗るだけで歌舞伎町にいるような気持ちにさせてくれるなんて。
白雪姫の方はけっこう怖いことが周知であるイメージな気がする。こちらもほとんど乗った記憶がなかったのだが、実際に乗ってみると具体的な恐怖が伝わってきた。ピノキオが人や場所が自分を騙そうとしている恐怖に対して、白雪姫は悪いものにずっと追われている恐怖を感じた。この手の乗り物は意外と速度が速くテンポよく進んでいくのだが、このアトラクションではそれが魔女から必死になって逃げるふうに作用してくる。しかもどこにいっても魔女が先回りして高笑いしているのだ。もちろん魔女以外も怖い、道中で出てくる人面木は本当に嫌だった。こいつ本編に出てこないだろ。恐らくこちらも実際に周りに襲われているというより、魔女から逃げている幻覚によってこう見えている、という方がちかいと思うのだが、それがより怖く感じるんだよな。他国の白雪姫アトラクションと比べても、ここまで怖いのは日本だけらしいがいつかリニューアルしてしまうのだろうか。白雪姫と王子様は幸せなキスをして終了。
次にホーンテッドマンションに乗った。こちらの方がいわゆるお化け屋敷と銘打っているが、ハロウィン中だと「ナイトメアビフォアクリスマス」仕様になるのでそこまで怖くなかった。むしろ前2つの方がよっぽど怖かった。ただホーンテッドマンションは最後の墓の後ろからピョンって出てくるお化けだけ毎回驚かされる。あれに克服するまで自分は他の遊園地のお化け屋敷には入れない気がする。
「オタク君に優しいギャル」スプラッシュマウンテン
ファンタジーランドを抜けてクリッターカントリーに行く。スプラッシュマウンテンに乗った。スプラッシュマウンテンはボート・アニマトロニクス・歌という好きなポイントつめつめのアトラクションで好きだ。これも素晴らしかった。最後のでっかい蒸気船に動物がたくさんいて「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」を歌っている所はたまらない。あそこは乗り降りの関係でボートが詰まるから長くいられるのだがもっと長くいてもいい。(だんだんヘルシングの少佐みたいな口調になっている。)
このアトラクションに並んでいるときに少しギャルっぽいキャストと少し話す時間があった。ピノキオ・白雪姫のアトラクションについて話したら、浅草の花やしきの雰囲気に似てますよねと笑っていた。純粋にディズニーランドで他の遊園地の話していいんだとこっちも笑ってしまった。そこが一番楽しい時間だったかもしれない。オタク君に優しいギャルは必ず存在する。(黒ひげ)
「侵略者」カントリーベアシアター~マークトウェイン号~カリブの海賊
次にウエスタンランド・アドベンチャーランド方面に向かう。まずカントリーベアシアターに行った。このアトラクションほど古さを感じるものはないが、実際にみると精巧に作られたアニマトロニクスに驚く。久しぶりに見て思ったのが、ちゃんと開拓時代の白人をモデルにしているのだなということだ。どの熊を見ても農業の傍らカントリーミュージックをする白人の顔がちらついてしまうのだ。ここで最近映画館で「ジャンゴ」を見ていた自分は嫌な妄想をしてしまう。映画内で黒人を虐待していた白人たちがあの熊と重なって見えるようになってしまった。どんだけ頭を振り払ってもそれが思い浮かんでしまうのだ。そうしてシアターを出ると、急にウエスタンランドがヨーロッパからきた侵略者たちが先住民を征服して開拓した場所に見えてしまった。まあ実際にウエスタンランド自体がその歴史をもとに再現しているのは事実なのだが、その事実が急に怖くなった。こう思ってしまう背景はその時読んでいた本「銃・病原菌・鉄」にある。この本はなかなか難しく全然読み進めていないのだが、基本的には征服する人種と征服される人種にどのような差異があるのかを研究する話である。その本をかじっていたせいかウエスタンランド、ましてはディズニーランド全体にある征服するものとされるもの関係を意識してしまったのだ。
次に、ウエスタンリバー鉄道に乗った。昔はただの電車に乗るだけでなんの意味があるのかとばかり思っていたが、今乗るととっても面白い。最近チェキ買ったので、汽車の風を切りながらいろんな風景でシャッターを切るのが楽しかった。ただ、楽しんでいる最中、衝撃のアナウンスが流れる。
「おやおや、インディアンのキャンプが見えますね。インディアンの言葉で「我々は仲間である」は「○○〇」と言うんですよ。私たちもこのように挨拶してみましょう。」(細部は違うけどおおむねこんな感じでした。)
言えるか~~!!!残酷すぎるだろ!!お前らが先住民をここまで追い込んでおいて、どんな顔すれば仲間面できんだよ!!??なんというかアメリカの傲慢さというのを最大限に浴びた気がした。ここでまた嫌な妄想が浮かんでしまう。(一人テーマパークは寂しさを紛らわせるために嫌な妄想と一緒に旅をするんだよ。)今ここにUFOが来て宇宙人が地球を征服したら、地球の文化を模したテーマパークができるかも。そこに居場所を追いやられた人間のマネキンがあってさ、宇宙人のナレーションから「~~~~~~~~~~~~~「ウィーアーフレンズ!」~~~~~~~~~~~~~~」って聞こえたらめちゃくちゃ嫌だなあ……そんなこと考えていたら、○○(ネタバレになるので伏字)のとこまで来ていた。アトラクションは最高でした。
次に、カリブの海賊に乗った。もう分かるだろう。侵略者のアトラクションだ。子供の頃から大好きなものの一つだったのだが、ここ最近急に怖くなってしまった。冷静に考えて、海から賊がやって来て、強奪・暴力の限りに尽くした後に町ごと燃やし、最終的に収監されて檻の中でも狂乱している様子をアトラクションにするのってすごくないか!?最初に「捕まえた女たちをオーディションにかけて…ニチャア」って言いだしたの誰なんだ!?(海外では修正されているらしいですね)今回行ったときも、町を火の海にしながら陽気に歌っている賊を見て居心地が悪かった。昔はすごく楽しめてたんだけどな…書いていて誤解される可能性があるので言いますが、こういう侵略・征服描写を未だに残すのよくないですよね!改変すべきですよね!って言いたいわけじゃないです。夢と希望のディズニーランドの中でこういうのがある歪さが楽しいし、むしろ改変する方がその歴史ごとをなかったことにしてしまうことになる気がするのだ。なかったことにしていけない。ただ、子供の頃無邪気に楽しめていたが今になって楽しめない所にこんな「気づき」があるんだねってことが言いたいのです。
「スマホ」美女と野獣“魔法のものがたり”
この調子で乗ったアトラクションの感想全部書いていたらキリないので所々省くようにする。ワールドバザール経由でトゥモローランドに向かう。スターツアーズに乗った。スターウォーズに対して全然詳しくないので、もっと僕が詳しければ、最高なんですが…(ママタルト檜原)と思うアトラクションでした。(映画再現のアトラクションが本当に好きなんです。)
ミッキーのフィルハーマジックを見る。毎回ライオンキングのシンバパートで涙をこぼしてしまう。自分が立派になることを信じてスクリーンを縦横無尽するシンバを見てるからかな。その次にリメンバーミーの劇中歌が新規挿入されていたのもよかった、新規の風取り込んでいこうぜ。
次に美女と野獣のアトラクションに乗った。今回の目当てアトラクションかもしれない。初めて乗るわけだし原作も見ていた方がいいなと思い、アニメ映画の予習もしていた。(ただあまり身が入らず、ながら見状態だった。)アトラクションに乗ってすぐに他のと違いに気づく。この乗り物は常に移動しているというより、広めの部屋で1曲分ミュージカルを見させられる。ただ、その間も乗り物は部屋中を動き回る。曲が終われば、次の部屋に移動してまたミュージカルを見る。他のアトラクションよりも1曲に集中できるのが特徴だ。また、映画に出てくるガストンや民衆の暴徒化が極力カットされて、美女と野獣のロマンスにズームしているのもうまくできていると思った。
アトラクションの内容はこれくらいに留めるとして、乗っている際に自分の中で小さな事件があった。乗り物に乗る際、ほかに子供連れの家族が乗っていた。ハロウィン中なのでその子供はベルの恰好をしていてかわいかった。そして乗り物が動くと家族の父と子供がスマホをもって撮影し始めたのだ!!その子供は実の眼で見ることは一切なく、スマホ越しで光景を見ていた。別にアトラクションでスマホ撮影が禁止されていないのだが…この時位、生の空気を感じようよ…と思ってしまう。そもそも同じ乗り物でスマホ撮影されると、職務質問中に警察官に肖像権はないと言いながら撮影を続ける輩を思い出す。同じ夢の住人でしょ?撮影はやめましょうよ…ふと周りを見たら同じようにスマホで撮影している人が何人も見えた。もう終わりだよこの遊園地。お前らは美女と野獣を見て何を学んだのか。(再度言いますが別にスマホ撮影が禁止されているわけじゃないです。個人的にちょっと嫌だっただけです。)こいつらは野獣に食い殺された方がいい。私はその座席で居心地の悪さを感じながら、このアトラクションの中での光景をどう考えたらいいのか自問した。
「閉幕」 書くことなし
ここから先はあまり書くことがない。トゥーンタウンでエモ風景を撮りまくったり、乗っていないアトラクションに乗ったりしているうちに日が暮れて、夜のショーがやってるのを見計らってすぐに帰った。どうせ明日も休みだしもう少しいてもよかったが、休業中の身に混んだ電車は耐えられないと考えて空いた時間に帰った。
竜頭蛇尾
ここまで竜頭蛇尾な文章もないだろう。最初はそんなに書けないな…と思いつつ、書いたら止まらなくなり文字数がどんどん増えるものの、途中で思い出が枯渇してしまった。一人ディズニーなんてこんなもんだ。楽しいと言ったら楽しいし、楽しくないと言ったら楽しくない。どこに喜びを置くのが全部自分自身なので、急に虚しさが訪れるときがある。でもその虚しさから喜びを見出すこともできる。その繰り返しを行っていくのだ。人生だってそうじゃないか。子供の頃、塾でやった国語の問題で取り上げられていた文章が、強烈に印象に残っている。調べてみたら中島らもという人の著作だった。
「一人で時間をつぶすこと」が「教養」だとしたら、今回のようにどうしょうもないことを考えたり、インターネットミームを見続けて夜が更けることだって立派な教養なのだ。
そんなことを考えていたら、次はディズニーシーで一人紀行をやってみたい思いだって湧いてきた。「インディージョーズ」のアトラクションの好きなこと100個書くとか。
ここまで読んでくれてありがとう。次はもう少しまとめます。