私が難病になるまで
ご訪問ありがとうございます。
「下垂体前葉機能低下症」「下垂体ADH分泌異常症」の
指定難病持ちのおつんです。
ホルモンを補充しながら生きております。
私が難病になるまでの経緯をまとめてみました。
1 原因不明の不調とストレス
2018年。
私は小児科外来に勤務。職場での人間関係がうまくいかず、毎日仕事へ行くのがストレスでした。
育児もワンオペで、保育園が変わったばかりの3歳の息子は「行きたくない!!」と毎朝全力で抵抗。暴れる彼を自転車に押し込み、大声で泣かれながら保育園まで連れていくという日々。
(今となっては私に余裕がなくイライラしていたせいだと思います。)
更に家庭でも主人との問題を抱えていて、この時人生で初めて「泣き崩れる」ということを体験。
ストレス悪循環の生活をしていた時は「朝からすっきり目覚めて元気ハツラツ!」みたいな日は、全くありませんでした。明らかに体調がおかしいのに、ボーっとした頭で正常な判断ができなくなっていたんだと思います。
2 視野欠損が現れる
「視野欠損」とは視野の1部が欠けて見えることです。
私は生まれつき左眼が弱視。そのため発見が遅くなったのもあります。ある日、左眼の上の方に影が見えていることに気がつき、念のため眼科を受診することに。
一般的な検査をして、結果は経過観察。医師も「うーん、大丈夫じゃない?」と。今思えばこの時点で「もっとちゃんと調べて欲しい」と主張すればよかったと思っています。
3 脳外科受診へ
眼科もあいまいな結果で、モヤモヤしながら再びストレスフルな日々を送ります。
しばらく経ったある日、思いっきりドアに挟まったり、スマホの文字が曲がって見えたりと、だんだん症状が悪化。再び眼科受診し、視野検査をしてもらうと、はっきりと両眼に視野欠損がありました。
ここで初めて眼科医師に脳外科宛の紹介状を書いてもらい、脳外科へ受診することに。
4 下垂体腫瘍と診断される
MRIを撮影後、後日脳外科へ結果を聞きに行きました。
映し出されたMRIの画像には、脳の下垂体という場所に約3㎝の大きな腫瘍が。そして「下垂体腫瘍」という診断を頂きました。
医師の説明は「早く手術した方がいいね、これだけ大きいと手術した後もホルモン補充が必要になるかもしれない」とのこと。
結果を聞いたときは衝撃で涙が出ましたが、体調不良の原因が明らかになり、腑に落ちた感覚でした。
5 手術と術後
後日医師から電話をもらい、入院、手術の日程が決定。手術は頭を切る開頭手術ではなく、鼻の穴から行う「経鼻下垂体腫瘍摘出術(ハーディ)」という方法で行われました。
下垂体はホルモンの司令塔。その下垂体が腫瘍によってつぶれてしまった影響で、術後は様々な症状が。
中でも、尿崩症が大変でした。
尿を再吸収する「バソプレシン(ADH)」とうホルモンが出ないため、どんどん尿が出てしまいます。普通は1日1.2Lくらいの尿量が、なんと10Lになることも。
のどの渇きも尋常じゃなく、500mlのペットボトルは一気飲み。夜中にのどが渇いて目を覚ますと、水のペットボトルに後光が見えました。笑
そんなこんなで自分の身体の変化を受け入れなくてはいけなくなり、術後しばらくは、そのことが精神的に大変だったと記憶しています。
術後1か月でおこなった下垂体の負荷試験では、下垂体から出るホルモンのほとんどが出せない状態であることが判明。
その結果「汎下垂体機能低下症、中枢性尿崩症」という診断がつきました。
6 指定難病医療受給者となる
「下垂体前葉機能低下症」「下垂体ADH分泌異常症」
主治医と相談し、この2つを申請して受給を受けています。
指定難病医療受給者証を使うと、難病にかかわる診療は2割負担となり、収入などにもよりますが、月の医療費上限額が5,000~10,000円になります。
私は毎日、複数の内服と注射でのホルモン補充が必要です。
下垂体からは生命維持に必要なホルモンも出ています。ケガや緊張状態などのストレス時は、自分で内服を追加するなどコントロールしなければいけません。
失った下垂体を再生できる医療を受けられるのは、遠い未来だと思うので、ホルモンの補充は一生必要です。
そのため指定難病医療受給は本当にありがたい制度だと感じております。
7 さいごに
今は、難病を「これも自分の1部」と受け入れて毎日を送っています。
それには時間が必要でした。
病気が発覚し入院から半年間の休職期間にブログや旧Twitterを通して、同じような疾患の方達と出会いました。その人たちの生き方を知り、救われた部分が大きいです。感謝です。
難病になりあきらめたことも多いですが、難病になってから見えた世界もたくさんあります。
自分が患者の立ち場になり、看護への意識も深まりました。また、自分の人生で本当に必要なものを選択するようになったのは、大きな収穫だと思います。
これからやりたいこともたくさんあり、考えるとワクワクします。
この経験を何かに活かして、人生を楽しみながら前進したいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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