チョコレートがすぐ溶ける理由
◉カカオバターの特徴
カカオバターが固体から液体への変化するのは、
わずか2〜3℃という非常に狭い温度で行われます。
そのため急激に軟らかくなったり、硬くなったり
扱いが難しいのです。
◉油脂の硬さの変化について
下記のグラフは固型油脂の固体脂指数示したものです。
グラフをみてみると、
カカオバターの変化を示す曲線が30℃〜33℃にかけて他の油脂よりも
とても急激な傾きをしています。
固体脂指数
…油脂(液状油+固体脂)の中に占める"固体脂"
の割合を%で表したもの。
このことから、
いかにカカオバターが、素早く溶ける油脂
であるということがわかります。
そのため、チョコレートは室温ではカチカチに
固まっていても口の中に入れると素早く溶けてしまうのです。
◉カカオバターの特性
このようにカカオバターがシャープな口溶けを
示すことは
チョコレートを味わう立場としては
とても魅力的な特性です。
その一方で、チョコレートを手で成形し、
何かを作ろうとする場合にはとても扱いにくい
性質に変わります。
一般的に固形油脂は固体脂指数の割合が15〜25%となる温度範囲で可塑性を示すことで、
粘土のように手で形を変えることが可能となります。
カカオバターの場合、グラフでも分かる通り
温度範囲が非常に狭いため、
"溶かしたチョコレートを台の上に流し
パレットナイフ等でフリル状に削り取る"
という作業を行う場合には
気を抜くとすぐに固まってしまいます。
そのため硬さの変化を見逃さないように、
チョコレートの温度や表面のツヤを注意深く観察し、
最も適した状態で手早く作業を行うことが必要です。
カカオバターの特性を活かすことで、
様々なチョコレートのパーツを作ることが可能です。
※bitesjapansquadの投稿:きぴり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?