タンパク質の熱変性を抑える砂糖
砂糖の役割は多岐に渡り、
同じく製菓で最も多く使用されている
卵にも作用します。
今回は卵の凝固温度に変化をもたらし
熱変性を抑制する砂糖の特性を
事例を元に少し紹介します。
◇砂糖が卵にもたらす影響
○例① プリン
結論から言うと、
プリンは配合の砂糖の量が多いほど柔らかい
仕上がりになります。
卵が凝固するのは、
卵の水分中に分散したタンパク質が
加熱されることで構造が変化し、となり合う
タンパク質同士が、間の水分を除去しながら
接着していくからです。(タンパク質の熱変性)
プリンはこの熱変性によって固まるわけですが、
砂糖の主成分であるショ糖は、卵白のタンパク質に
作用して、熱による構造変化を防ぎます。
よって、混ざる砂糖が多ければ多いほど
プリンは柔らかく仕上がる傾向にあるのです。
○例② アングレーズ(カスタードソース)
ソーストッピングの他に、ムースにも使用される
アングレーズソースにも砂糖による
タンパク質の熱変性の抑制が関わります。
アングレーズソースの作り方としては
最初に卵黄と砂糖を混ぜたあと
沸かした乳を加え混ぜ、
再度火にかけ煮詰めるのが一般的です。
この時、砂糖を最初に卵黄と混ぜておくことで
砂糖を混ぜ合わせると共に、
後に加える沸かした乳によって、卵が急激に煮え
てしまうのを砂糖が防ぐ役割を担います。
また、砂糖が多いほど
卵の凝固温度は高くなるため
その分、アングレーズの煮詰まり具合は
ゆるやかになり、焦げ付きにくくもなります。
※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe
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