東洋医学の夏の考え
一年中で最も暑い時期を指しますが、一年の中で最も太陽が高く、昼が長い時期を示します。
もっとも「陽」の窮まる時期で、東洋医学では夏至の前後を夏とし、立夏(5月6日頃)から立秋(8月8日頃)の前日までを指します。現代では気候のずれもありますから、6月から8月ぐらいまでを夏と考えてもいいでしょう。二十四節気でいうと、立夏、小満、夏至、小暑、大暑にあたります。
夏はすべてのものが盛んになり美しく成長する季節で、物事が長ずる時期です。
夏は「陽気」が最も盛んになり、植物は大きく茂ります。そして、身体を活動的にさせます。
夏は人の体の中でも「陽気」が盛んになります。血管と体は拡張し、活発に的になります。人は行動的になり、戸外活動などを積極的に行う時期です。
「陽気」は様々なものを育みますが、その熱が強すぎると逆に牙をむきます。熱は体を蒸らし、身体の水分を奪います。また、内臓も蒸らし、熱を持った内臓は働きが悪くなります。
消化吸収の力が弱ると、食欲不振、胃もたれ、下痢などの胃腸症状が現れます。
夏に多いトラブル
*夏バテ
*クーラー病の(冷え)と(熱)
クーラーの風を直接受けない
扇風機、除湿気を併用する
肌をさらさない
*食欲不振
*腹痛、下痢
*むくみ
夏に行うセルフケア
*苦みの野菜を取る
夏野菜 トマト、ナス、トウガン、キュウリ、ゴーヤ、ミョウガ、
シシトウ、オクラ、夏野菜は、火照った体を冷やす働きがありますので、
食べて見てください。
*夏でも温かいものを
胃腸の弱い人は、夏の暑さで消化吸収の機能を落としてしまいます。
冷たいものは胃腸を冷やし働きを落とします。
*冷たい飲み物は少量ずつ
冷たい飲み物は口を潤すだけするか。もしくは少量ずつ飲むのが良いでしょう。
口を潤すと乾きはやわらぐので、後は常温のもの、温かいものを取りましょう。
*風呂はゆっくり入る
入浴剤を入れてゆっくり入りましょう。
*運動は朝夕に、軽めに
夏の運動のし過ぎは、心に負担をかけ熱を持たせます。
心臓に負担がかかると、動悸、息切れ、倦怠感などの症状が出ます。
気温の高い時間帯の激しい運動は避けましょう。
*お腹を温める
お腹を触って冷たい人は、お腹を温める。
夏の下痢、食欲不振などは、冷たいものの取りすぎで、
胃腸を弱らせているケースが多くあります。
そんな時は、熱くてもお腹を温めることが効果的です。
当院では、冷えによる下痢、腹痛、食欲不振、倦怠感のある人は、へその上に塩を入れた容器をのせ、そのうえでモグサを燃やして温めます(塩灸)。
家庭では、カイロでも構いませんので温めてください。続けると慢性的な冷え性、足冷えなどが改善するので、胃弱、腰痛、婦人科疾患などにも効果があります。