武者震
「武者震」「武者振」
事に望んで心が勇み立つあまりに、体が震えること。
戦いや重大な場面に臨んで、興奮のために体が震えること。
語源は、戦の前の武士の緊張感を表したことだそうです。
相手が強そうで恐れて震える、のように、ある時にはネガティブなシチュエーションを表現する言葉とも捉えられます。しかし一説によるとそれは誤用らしく、本当はポジティブなニュアンスを持つ言葉だとか。
九段棋士の羽生善治さんは、対戦中、自分が勝ちだとわかると手が震え出すそうです。しかも、震えた試合は100%羽生さんの勝利。
これを人々は、「武者震」と呼ぶのです。
いざという時の勇敢さ、そして「勝利」を確信している潔さ。
それを「武士」で表現するのがまさに日本らしいですね。
人間の直感と、体の仕組みは、当たり前だけど明らかに繋がっている。
そう考えると、「勘」というのも、意外と論理的で科学的なのかもしれません。