923

923です。クズミと読みます。クズです。 全てはそんな気がする。 フィクション、ノン…

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923です。クズミと読みます。クズです。 全てはそんな気がする。 フィクション、ノンフィクション。

記事一覧

いえない

携帯越しに鈴の音で目が覚める。 小学生のときに親に買ってもらったという シンプルな目覚まし時計だ。 もう何回鳴ったら一旦止まるかも 覚えちゃった。中々起きないだも…

923
11日前
1

いつだって楽しい片側

寝転がって半分夢の中 あなたの素肌の温もりを感じた 誰よりも早くあなたの誕生日を祝った 後ろの席にプリントを渡すたびに あなたの横顔を見つめてしまった 近づきたく…

923
2週間前
1

信号

なぜかショッピングモールで ビー玉をひっくり返した少年。 気がつけば青年の足は 転がるビー玉の先へと向かっていた。 彼の原動力は一体なんだったのか。 それは今も分…

923
3週間前
1

ちせつなさかさ すこしだけうそ

ふたつのむねの ふくらみは あたたかな かぜにのりこみ ときどき さみしさをひめて はじけるように なきさけぶ あなたがくれた そのすべて ろかしてのんで すてないで ま…

923
1か月前

復調の兆し

閉店間際の居酒屋に飛び込んだ。 働いていたのはあなただった。 あの頃と同じ、 クールな目つきで背筋が伸びていて、 私と真逆のようなあなた。 私は毎日眺めていたから…

923
1か月前
1

愛したかっただけ

晴れた日のプールから漂う香り。 かと思ったらただの通り雨の後の アスファルトの香り。 コンビニ弁当の卵黄は卵黄風の何か。 ほぼカニ、ほぼホタテ、ビッグカツミニ。 …

923
1か月前
2

メダカ

泳いでいたのも束の間。 いつしか土の中にいた。 久々に鼓動が聞こえたから、 藻掻いて這い上がってみた。 暗くてよくわからなくて、怖くて、 なんだ外の景色もそんなも…

923
2か月前

旅立てない我らと言の葉のプレゼント

巣立つ場所は同じなのに どうしてこうも生き方が違うのだろうか。 いつだって毎日会いたいのに。 生きてるよー!って無言で言ってくれたら それだけで僕も生きられるのに。…

923
2か月前

読書

栞を失くしました 本が読めません なので新しい栞を見つけました なんとか読めるようになりました 初めて夜に本を読みました ずっと笑っていました 愛おしいけど眠たく…

923
3か月前
4

blind

まんまと騙された。 まさかあいつがあんなやつだったとは。 耳にタコができるほど聞いた。クソが。 何度巻き込まれたら気が済むんだ。クソが。 噂は独り歩きして、柄は全…

923
3か月前

クラッシャー

伝えるのが不器用な人は、誰かの音楽を頼る。 そして自分の音楽で伝える。 私もその1人。 あなたと同じだね。 強くなれるご飯を食べることが多くなった。 塩味が増すのは…

923
4か月前
1

予感

なにか生み出せる予感がした。 面白いアイデアが浮かびそうな気がした。 腕を組み、頭を捻りながら歩く。 電車を1本逃した。 ドラマみたいだった。 「まじかよ。」って大き…

923
5か月前

忘れてやらない

絶対に自分では設定しない音量の小ささ。 お気に入りのお菓子。こだわった嗜好品。 窓明かりが弱くなり暗くなっていく部屋。 そして何よりも。 大きな頷き、小さな笑い、…

923
5か月前

指輪

「まだ、好きでいてもいいですか?」 あなたのその問いに正直戸惑った。 あれだけ酷いことをされたのに 自分の中に情けが残っているのか。 私の口から出た答えは 「お好き…

923
5か月前
2

あの日、妙に大人びた君へ

もう何年も晴れない。 あの日、妙に大人びた君へ。 子どもらしく振る舞えない子どもだった君へ。 多分、僕には言えないくらいの理由、 育ってきた環境とか、そういうの。…

923
6か月前

主人公

涙があふれた。 あなたが夢に出てくる。 私にとっては幸せな悪夢だ。 充実している生活。 ことは足りている。 なのに、気づけばあなたが頭にいる。 そばにいる。となりに…

923
6か月前
3
いえない

いえない

携帯越しに鈴の音で目が覚める。
小学生のときに親に買ってもらったという
シンプルな目覚まし時計だ。

もう何回鳴ったら一旦止まるかも
覚えちゃった。中々起きないだもん。

また「おやすみ」が言えなかった。
何度言えるか分からないのに。

こんなことばかりしているから
あなたが頭から離れないんだよ。

写真からあなたの部屋の香りがするんだ。
大きめのベッドのふわふわした香り。
泣いてばっかりだよ毎日

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いつだって楽しい片側

いつだって楽しい片側

寝転がって半分夢の中
あなたの素肌の温もりを感じた

誰よりも早くあなたの誕生日を祝った

後ろの席にプリントを渡すたびに
あなたの横顔を見つめてしまった

近づきたくてあなたの好きな曲の歌詞を
紙に書き出してまで覚えようとした

好きな本やCDをあなたと貸し借りした

あなたと会えないと思っていた日に
偶然会えて飛び跳ねるくらい嬉しかった

あなたにかっこよく見られたいから
いつもより真面目に授

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信号

信号

なぜかショッピングモールで
ビー玉をひっくり返した少年。

気がつけば青年の足は
転がるビー玉の先へと向かっていた。

彼の原動力は一体なんだったのか。
それは今も分からないけれど
膝をついて必死に掻き集めた。

渡したら「ありがとう」と言われた。
青年の頬には名前のない感情が流れた。

駆け込んだトイレの鏡に映る青年の顔は
赤くなった目を除けば追い詰められて死んだ
スクリーンの中のあなたとそっく

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ちせつなさかさ すこしだけうそ

ちせつなさかさ すこしだけうそ

ふたつのむねの ふくらみは
あたたかな かぜにのりこみ
ときどき さみしさをひめて
はじけるように なきさけぶ

あなたがくれた そのすべて
ろかしてのんで すてないで
まいにちつけた あくせさり
ひろげてとじて はんぶんこ

ほんものの にんげんは
おそらくあなた
にせものの にんげんは
おそらくわたし

ぎたーのげんが すれるおと
ぴあののぺだる しずむおと
いきられるおと ここちよい

うそ

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復調の兆し

復調の兆し

閉店間際の居酒屋に飛び込んだ。
働いていたのはあなただった。

あの頃と同じ、
クールな目つきで背筋が伸びていて、
私と真逆のようなあなた。

私は毎日眺めていたから一目でわかったけど
あなたは私のこと気づいてないみたい。
そりゃそうか、体型も髪型も変わったし、
メイクも覚えたし、名字も母親の旧姓だし。
あの頃のあなたの中にいた私はもういない。

そもそもあなたの中に
私はいなかったか。ははは。あ

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愛したかっただけ

愛したかっただけ

晴れた日のプールから漂う香り。
かと思ったらただの通り雨の後の
アスファルトの香り。

コンビニ弁当の卵黄は卵黄風の何か。
ほぼカニ、ほぼホタテ、ビッグカツミニ。

週休二日制は毎週二日休めるわけじゃない。

美しい建造物の建設に携わった人で
命を落とした人が何人いるか。

いっぱい渡してくれるプレゼントは
他の女の忘れ物なだけだったり。

いつも突っかかってばっかりだったのに、
急に返事が素直に

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メダカ

メダカ

泳いでいたのも束の間。
いつしか土の中にいた。

久々に鼓動が聞こえたから、
藻掻いて這い上がってみた。

暗くてよくわからなくて、怖くて、
なんだ外の景色もそんなもんか、と。

悲しくて涙が出なかった。

でも、心のどこかで信じて待っていたら
だんだんあの日に感じた光が溢れた。

それは暖かくて、包まれるようで、
触れていないのに触れられているようで。

嬉しくて涙が溢れた。

彼はまだ知らない

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旅立てない我らと言の葉のプレゼント

旅立てない我らと言の葉のプレゼント

巣立つ場所は同じなのに
どうしてこうも生き方が違うのだろうか。
いつだって毎日会いたいのに。
生きてるよー!って無言で言ってくれたら
それだけで僕も生きられるのに。

卑屈な僕の詩をあなたに捧げよう。
明日も明後日もそのまた先も。

届くかな、届いたらいいな、届くわけないか、、
が届いていたとき。人は混乱する。
嬉しさと惑いと後ろめたさがある。
いや、そんなもんじゃあないな。
今の僕はこの感情に名

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読書

読書

栞を失くしました
本が読めません

なので新しい栞を見つけました
なんとか読めるようになりました

初めて夜に本を読みました
ずっと笑っていました

愛おしいけど眠たくなったので
そっと本を閉じました

でも失くした栞が忘れられなくて
夢に出てきました

失くした栞と読んだ本の思い出が
鮮明に夢に出てきました

起きても失くした栞は見つかりません

しばらくして気がつきました
失くしたんじゃなく捨

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blind

blind

まんまと騙された。
まさかあいつがあんなやつだったとは。

耳にタコができるほど聞いた。クソが。
何度巻き込まれたら気が済むんだ。クソが。

噂は独り歩きして、柄は全て反対側。
鋭利な光は全てこちら側に向いている。
気付かぬうちに、知らぬ間に。

狭い視界に小さい脳でよくもまあ
何でもかんでも鵜呑みにして吠えるものだ。

考えることを放棄するな。あまりにも愚かだ。

世界は変えられなくても自分は変

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クラッシャー

クラッシャー

伝えるのが不器用な人は、誰かの音楽を頼る。
そして自分の音楽で伝える。
私もその1人。
あなたと同じだね。

強くなれるご飯を食べることが多くなった。
塩味が増すのは少し嫌だけど、
他のどんな塩味よりも美味しく感じる。
いつかのあなたと同じだね。

どんなスタンプをも持っているあなたは
いまどこでなにをしていますか。

海を越えて行ったあなたと
空を越えて行ったあなたは
いまどこでなにをしています

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予感

予感

なにか生み出せる予感がした。
面白いアイデアが浮かびそうな気がした。
腕を組み、頭を捻りながら歩く。
電車を1本逃した。

ドラマみたいだった。
「まじかよ。」って大きめに呟いた。
あなたは目の前にいるのに現れなかった。

画面越しのあなたは画面越しの誰かと笑っている。幾日も幾日も。

楽しい夜の予感がした。
スロウなビートに乗せて歩み出してみた。
後ろからサラリーマンに蹴られた。

周りには幸せ

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忘れてやらない

忘れてやらない

絶対に自分では設定しない音量の小ささ。
お気に入りのお菓子。こだわった嗜好品。
窓明かりが弱くなり暗くなっていく部屋。

そして何よりも。
大きな頷き、小さな笑い、流れる涙、漏れる声。
ほとんど全てが同じタイミングだったこと。

ちょっと思い出すんじゃない。
ずっと忘れない。

あのネクタイを結んだのは私。
頭を撫でて胸を貸したのも私。

肌の温度、胸の鼓動、儚げな顔、撫でる速度。

たかが数日。

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指輪

指輪

「まだ、好きでいてもいいですか?」

あなたのその問いに正直戸惑った。

あれだけ酷いことをされたのに
自分の中に情けが残っているのか。

私の口から出た答えは
「お好きにどうぞ」だった。

未だにあの言葉が少し引っかかる。

あなたのSNSのアイコンに映るのは
婚姻届の上に乗る指輪。

正解とはなんなのか。
永遠の課題から目を背けたくなる日々。

存外、案外、悪くない。にやにや。

あの日、妙に大人びた君へ

あの日、妙に大人びた君へ

もう何年も晴れない。

あの日、妙に大人びた君へ。
子どもらしく振る舞えない子どもだった君へ。

多分、僕には言えないくらいの理由、
育ってきた環境とか、そういうの。
君の中にある価値観・生き方として無意識に。

だから僕の前で無邪気に笑う姿が
とてつもなく愛おしかったんだと。
今になって思う。

でもあの日。君は妙に大人びた顔をした。

まるで同い年とは思えない。
同じ音楽に触れて、同じ授業を受

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主人公

主人公

涙があふれた。
あなたが夢に出てくる。
私にとっては幸せな悪夢だ。

充実している生活。
ことは足りている。

なのに、気づけばあなたが頭にいる。
そばにいる。となりにいる。

いなかったはずなのに。

それはまるで不協和音のように。
ほろほろと砕けて落ちていく。
涙とともに流れ落ちていく。

「また明日」と毎日言いたくなってしまうことが
恋の始まりなのかもしれない。

主人公になるな。お前が思う

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