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備えあれば憂いなし②〜非常食実食レポ
以前、「非常食は事前に食べてみて、口に合うかどうかを確認した方がいい」という意見をTwitterで見たことがあったので、防災グッズ一式と共に購入した非常食を食べてみることにした。
尾西のパン
パンの缶詰は知っていたが、アルミの袋に入ったパンは初めて見た。
缶詰よりも開けやすそうだし嵩張らなさそう、そして缶詰より安い。という理由でAmazonで尾西のパンを購入。
味はプレーンとメープルとチョコの3種類の詰め合わせだ。どれを食べてみようかと悩んでメープルにした。
袋を開けた瞬間、芳醇なメープルの香りが立ち込めた。取り出そうとすると、メープルがじゅわりと溢れてきて、ふわふわとした感触がアルミ越しに伝わってくる。もう既にすごく美味しそうだ…!期待が高まる。
いざ、実食。
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手のひらサイズのパンはあっという間になくなってしまった。正直記憶もあやふやで、うまく言葉にできない。
ただ言えることは、1つ食べたら1つ無くなってしまうということだ。
そうだ、食べたらなくなる。当たり前のことだ。私は今知った。
食べたらまた買えばいい、そうしてずっと生きてきたのに、今美味しいパン(お高い)(非常食)をあっという間に消費してしまったことで私は悲しみに暮れた。
美味しすぎる非常食は罪だ。美味しさにかまけて平時のうちに全部食べてしまったらどうしてくれる。いや、嘘だ。ありがとう尾西。
味としては、美味しいと話題のパン屋さんで買った焼きたてのパンといった感じだ。保存料のような味も匂いもしない。しっとりしていて飲み物がなくても食べられる…どころか「パンは飲み物」と言いたくなるほどだ。
原材料の所にパネトーネと書いてあるが、私の知っているパネトーネはもっと酒臭くてパサパサしていて賞味期限も短い(普通のパンよりは長い)。これが2030年4月まで保つのか。この味がその辺で売っているパンと同じくらい手軽に手に入るなら賞味期限が2日でも5〜6個買っただろう。
永谷園のフリーズドライご飯
夕飯時になって冷凍庫を開けると、冷凍ご飯のストックがひとつもなかった。今から炊くと1時間かかる。しかし空腹は待ってくれない。せっかくなのでこの機にご飯ものの非常食を試してみよう。
4種類の味があった中で、水で戻したらあまり美味しくならなそうな(偏見)チャーハン味をチョイス。
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袋を開けると、スプーンが入っていたことに地味に驚いた。「食料はあるのに、食器やカトラリーの準備を忘れて食べれない…!」というおっちょこちょいさんの悲劇を未然に防ぐさりげない心遣い。さすが大企業。
チャック付きの袋なので、その場で食べきれずに残したとしても、封をしてその後少しづつ食べるということもできる。これは少食の人にはありがたい。
お湯で戻した方が美味しそうだが、今回は水で戻してみた。被災地では水と共にガスも寸断されてお湯の用意は困難になると言われているからだ。
いざ被災した際に、水で戻して食べてみたら「ウッ不味い…食べれない😢」という事態になってしまっては元も子もない。被災した自分が食べる味をシミュレートしてみよう。
袋を揺らしてお米を傾けて、内側の線を超えないように水を注ぐ。注ぐそばからお米が水を吸収していくので水加減がよくわからない。注ぎながら袋の外側の文字を読んでいると、いつの間にか“ふつう”の線と“やわらかめ”の線の間くらいまで来てしまっていた。
これはリゾットかなぁ…(´・ω・`)
ご飯はかためが好きな私は、食べる前からテンションが下がってしまった。
お湯で3分、水で5分。
どちらにせよ、「すぐに食べられる」といえる待ち時間だ。
ズボラな私はきちんと時間を計らずに袋を開けた。水を注ぎ始めてから5分経っていれば充分だろう。
いざ、実食。
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お湯ではなく水で作ったので当然温かくはない。
全体的に均等に水が染み込んでいて柔らかい。
うっかりして、ふつうとやわらかめの中間の水加減になってしまったために、水分少なめのリゾットぐらいの柔らかさに仕上がった。
塩気が少し足りないような…?
二口、三口と食べ進めるほどに油と水っぽい米が胃にくる。
量はわりと多めだ。普通の食欲の女性ならこれひとつで満腹になるだろう。
味としては、食べられる味ではあるが、美味しすぎるあまりすぐに食べ切ってしまう美味しさでもない。災害備蓄用の食料としてはある意味とても気が利いている。
「これはチャーハンだ」と思いながらゆっくり腹に溜めていくとかなりの満足感を得られる。
そう、「チャーハン味」であって「チャーハン」とは言っていないのだ。もう少し謙遜して「チャーハン風味」でも良かったかもしれないが、「風味」よりかはチャーハンらしさを感じたのでやはり「チャーハン味」という名付けで正解だったと思う。
今回試しに備蓄ご飯を作って食べてみて良かった。味は問題ないことが確認できたし、水加減が難しいことがわかった。
まずは線よりも少なめに水を入れてみて、かき混ぜて少し待ってから固さを確認して、それから水を足すようにした方が良さそうだ。
先程から水、水、と言っているが水そのものの備蓄は大丈夫か?と皆さんはお思いかもしれない。それも大丈夫。4年間の保存がきく水を2L×9本買ってある。
井村屋のえいようかん
続いてえいようかん。
これは何年も前に買って食べたことがあるので、味はわかっている。と思ったが、以前買った時にはなかった味が入っている。チョコえいようかん…だと?
普通の煉りあんの羊羹とセットで売られていたので買ってみた。チョコ味がもし期待はずれだったとしても、損をするのは4箱セットのうち一箱だけだ。
チョコえいようかん、いざ実食。
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ビターな生チョコの風味がガツンと口内を襲った。ROYCEの生チョコと白餡を2:1の割合で混ぜ合わせたような味と言ったらいいだろうか。これはクセになる。
食後の感想は尾西のパンと同じだ。舌と胃袋の満足感とは裏腹に、食べてしまった…という後悔が襲う。そう、一個食べたので一個無くなってしまったのだ。
まとめ
これで食糧の備蓄完了、と思いきや。
先程Xで「青汁とツナ缶もあった方がいい」というポストが流れてきたので、明日買いに行こうと思う。野菜とタンパク質か。盲点だった。味ばっか気にしてちゃダメなんですねぇ〜。
自分が被災者になって、普段当たり前にできていたことができなくなる。
それでも自分には美味しいご飯とおやつがある。
そう思えることが、被災地での厳しい環境を乗り切る原動力になりそうだ。