川村元気【百花】読書感想
川村元気さんの小説は大好きで過去にもいくつか読んできたし、映画化されたものも観てきました。
【百花】が映画が公開されたので、映画を観る前に是非原作を読んでおかねばと思い読んでみました。
様々な小説を読んできて、著者特有の作品の色みないな物を感じる事があります。川村元気さんの小説にも独特な色があるなと感じます。決して明るい色ではないけれど、遥か遠くに僅かに光が見えるように感じる色合いの話が多く感じます。
【百花】もやはり常に明るい光を感じる小説ではなく、とても切なくなる話でした。主人公の青年と母親の話が中心に物語が進んで行きます。話が進むにつれ、自分の母親の事を考えずにはいられなくなっていました。
たとえ親子でも、お互い知らない事はたくさんあるだうし、逆に自分自身が知らいない自分を知っていたり。自分では覚えていない事を自分の事のように覚えていてくれている母親。今になってもっと母親の事を良く見ておけばよかったと感じてしまった。
今からでもまだ遅くない。もっと母親の事を見てあげよう。いつか日か母親の記憶がなくなる日が来るかもしれないから。完璧な代わりにはなれないかもしれないけれど。