歴史に弱くても大丈夫。浅田次郎『蒼穹の昴』を読んだら
「浅田次郎の最高傑作」という人までいるシリーズ。Kindle Unlimited対象になっていたのでこの機会に読むことに。
定額サービス内なのが申し訳ないくらい面白かったです。
清朝末期の中国。
よく当たるって評判の占い師のおばあさんに、
「お前には天の星がついているから将来はこれこれこんな大物になる」
と言われた二人の少年が、何かに守られているかのように道を行き、占いの通りに出世していくというなんだか少年漫画のような始まりと展開。
王朝の歴史や試験制度の緻密な描写あり、霊的な存在が人の判断に影響を与え、歴史すら動かすような描写もありで幅広いのですがそれら全てが違和感なく融けあって物語が進みます。
あの有名な西太后も出てきます。というか主役に近いくらい。
西太后といえば昔『西太后』っていう映画があって、私は未見なんですが、「中国の鬼のように怖い女王様」みたいな宣伝をしてました。
しかし西太后の恐ろしいエピソードは作り話が多かったそうで、この『蒼穹の昴』ではそんな西太后像がどうやって出来上がったのかも書かれています。「人間・西太后」という感じでしょうか。
私に歴史の知識が無いので史実とフィクションがどの程度混ざっているのかは判断できませんが、暗躍する謎の美女とかも出てきて、娯楽小説要素もたっぷりあるとにかく面白い小説でした。
終盤、これでもかってくらい泣かせよう泣かせようと攻撃されましたが泣かずに耐えました。通勤電車内で読んでいたので。
これが「蒼穹の昴シリーズ」の第一部ということで、第二部はこちら↓
珍妃の井戸 (講談社文庫) Kindle版
『蒼穹の昴』にも登場していた珍妃。皇帝に愛された女性ですね。紹介文を見ると殺されちゃったそうです。何やらサスペンス要素もありそうで楽しみです。すでにダウンロードして私のKindleの中で順番待ちしてます。
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