お正月に観たい映画『必殺! ブラウン館の怪物たち』を観たら
東京MXでは「ガメラ祭り」をやっていましたが、BS松竹東急では必殺祭り状態になってました。
というわけで、録画していた『必殺! ブラウン館の怪物たち』を鑑賞。
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中村主水劇場版第2作です。主水映画第1作の『必殺! THE HISSATSU』は、テレビシリーズの拡大版みたいで手堅くまとまってましたが、この『ブラウン館の怪物たち』は、もうなにがなんだかでした。
ある事件の濡れ衣で同じ仕事人に狙われることになった中村主水。
おりく、政(まだ花屋)、竜、加代、順之助(元ジャニーズ事務所)たちも、主水をかばうならお前らも殺す、と脅され、江戸を離れ京都へ向かいます。
一方主水も表の仕事の密命で(ややこしい)、京都へ向かいます。
と、この辺りまではシリアスなんですが、京都に近づくにつれだんだんおかしくなってきます。
主水は筆頭同心の田中様と同行、途中でせんとりつとも(偶然!)出会いと、ユーモア度も上がっていくのですが、この辺は必殺のお約束の範囲内なので違和感はありません。
幕末の京都はええじゃないか運動、新選組の跋扈などで混乱しているのですが、土方歳三(西川のりお)と沖田総司(明石家さんま)の掛け合いのおかげでどうもお笑いコントに見えてしまいます(ギャグとかやってるわけではないのですが)。
主水が向かったのは徳川家康が作った秘密の黒谷屋敷。そこには三百年秘密を守ってきた一族(だか何家族だか)が住んでいて、屋敷に入り込むものを脅したり殺したりしていました。
という暗い設定なのですが、その住人というのが高田純次、兵藤ゆき、塩沢ときなどで、当時のバラエティの人気者が次々に出てくるので笑っちゃいました。この顔の並びはなかなか心をくすぐってくれます。『天才たけしの元気が出るテレビ』の頃ですかね、これ。
ただこの個性的な住人たち、全滅しちゃうんですね。
次々に狙撃されて屋敷の屋根から(順番に)落下してゆく住人たち。悲しい場面なのですが、なぜか半笑いでテレビを見つめる私でした。
乗り込んでいた忍者(森田健作)も一緒に死んじゃうのですが、加代が瀕死の森田健作(うつ伏せ)をガバッと起こして「頼んでよ!仕事を頼んでよ!」と詰め寄る場面は笑い無くしては見ていられませんでした。
まぁ誰かに頼まれなければ人殺しができないのが仕事人ですからしょうがないですね。健作もちゃんと頼んでから息を引き取ったからよしとしましょう。
ここまでの展開もたいがいでしたが、最終決戦のブラウン館のアクションはもうハチャメチャのやり放題。あまりに同時多発ハチャメチャで文章にできません。思いつたことあまり考えずに全部やっちゃいましたって感じです。
竜の組紐は150メートルくらい飛ぶし、政は噴水から飛び出してそこらの枝を折り放題の刺し殺し放題、しまいには薔薇の茎を脳天に刺して殺してました。もはや枝ですらない。茎。それ茎。刺さんないだろそんなもん。新生児の頭蓋骨か。
ちなみにこの場面で殺されるのは怪力大男役でテレビシリーズによく出るスキンヘッドの俳優さんでした。タイトルにある「怪物」はこの人かな?と思いましたが、あまり暴れないまま殺されてしまいました(茎で刺されて)。残念。
そうそう、ハチャメチャアクションの中に有刺鉄線電流爆破もありました。これは大仁田厚より早かったと思います。やりたい放題の果てに行き着いたアイデアでしょうかも
この映画、Amazonのレビューとか見ると、必殺ファンにはちょっと評判悪いみたいです。
そりゃそうだろうなと思い当たることは多々ありますが。あまり深く考えずに、お正月とかに酔っ払って観てたら楽しいんじゃないかな。そんな映画でした。