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著作権に関する解釈

こんにちは。泰松です。

この記事では、オトナ帝国を立ち上げるにあたって、避けては通れなかった「著作権」の話をしたいと思います。


著作権的に大丈夫?と思った方へ

「ゲームし放題の宿泊施設を作りたいです」とお伝えすると、「それって著作権的に大丈夫?」と聞いて頂く方もいました。

結論から申し上げると、大丈夫だと考えています。理由は2つです。

①著作権者(ゲームメーカー)の不利益にならないようにするため、扱うハード・ソフトは販売終了しているものに限定するから。

②弁護士に相談を実施し、適法の範囲でやれる方法で実施するから(判例から明らかに適法とされる「中古販売※」という形態でのゲーム提供)。

※最高裁平成14年4月25日判決のとおりです。わかりやすく言うと「皆さんの街にも中古ゲームショップがあることからも分かる通り、適法」です。

特に重視し、頭を使ったのは①の部分でした。

ゲームが大好きな私たちとしては、著作権者(ゲームメーカー)にとって不利益なことをする気はもちろんありません。一緒に盛り上げられる形を考えました。

そして考えついたのが、最新作や販売中のものでなく、販売終了しているもののみを扱う方法です。これであれば「著作権者の販売機会を損わずに済むのではないか」と考えました。

むしろ、販売機会を損なわないだけでなく、「さらに2つのメリットを提供出来るのでは?」と私たちは考えており、そこを目指しています。

①昔懐かしいゲームに触れる機会を提供し、新しいゲームもやってみたいという需要を喚起する
   
②(将来的に)この活動で得た利益をシェアすることで、今でも遊ばれるような名作でも”販売したらそれっきり※”となっていたレトロゲームから収益をあげれるようにする 

 ※現状、中古ゲームの売買については、ゲームメーカーにはお金が流れない仕組みになっています。

それでも、例えばブランディングの観点でご迷惑をおかけするようでしたら、潔くこのプロジェクトはやめようと考えています。

以下では、これらの点についてもう少し詳細にお話しします。


なぜゲームのレンタルサービスがないのか?

皆さんは、ゲームのレンタルサービスを見たことありますか?

以前は「ゲームバー」というものがありました。しかし今では殆ど見られなくなっていると思います。キッカケは、とあるゲームバーが摘発されたことでした。

なぜ摘発されたのかというと、著作権法の中にある「上映権」を侵害したとされたからです。上映権とは、”映画”に関して、"著作権者以外"が商用目的で”上映”してはいけないと定めたものです。

ちなみに上映には現代でいうディスプレイに投影するものも含まれます。驚いたことに、なぜかゲームは法律上「映画」と同じだと判決(最高裁平成14年4月25日判)が出ています。故に、TVゲームをプレイすることはディスプレイへの”上映”となります。

つまり、"映画(TVゲームをプレイすること)"に関して、"著作権者以外"が著作権者に無断で利益を上げるために、不特定多数に向けて”上映”することは禁じられているのです。

最新作のゲームも遊べるバーが多かったとのことで、ゲームメーカーとしては販売を邪魔する存在として摘発に至ったと想像します。

これが、ゲームのレンタルサービスがない理由です。

余談ですが、この一件によってほとんどゲームバーは業態を変え、今流行りのボードゲームバーとなっているところが多いです。


課題の整理と方針

私たちとして、ゲームメーカーに配慮し最新作を取り扱わないようにしたところで、「上映権」がある以上レンタルは違法になります。

そこで、私たちは「中古ゲーム販売」という業態を取ろうと考えました。

①宿泊者としては無償貸出やレンタル販売が勝手が良い。しかし、所有権が我々にあるものを使用していただくと、「上映権」に抵触してしまう可能性がある。

→中古販売であれば、著作物の所有権は宿泊者に帰属される。宿泊施設内でお客様が4人程度の身内(少数かつ特定)での利用であれば、著作権法違反(上映権侵害)にはあたらない。

②ゲームの売買が我々と宿泊者だけに閉じる(販売→買戻し→再販売という流れになる)と、実質的なレンタル業態と解釈されてしまう可能性がある。

→お客様から買い取ったゲーム機を中古品として業者に売却することによって、事業形態が中古ゲーム販売であることを明らかにする。


ゲームメーカーにもメリットが出る仕組みを目指して

上記の座組みの整理は一旦の措置です。まずはお客様に価値を届けることを優先し、形にできる方法を模索しました。

ただ、これは理想のカタチではありません。

私は「私を育ててくれたゲームの裾野をより広げたい」「ゲームが生活の一部になる人を増やしたい!」「昔はハマってたけど、今はやってないよ、という人にもう一度ゲームで遊んでほしい」、そう思っています。

それを踏まえて、正直な気持ちでいうと、最新作や販売中のゲームはともかく、販売停止しているゲームはレンタルを認めた方が良いと私は考えています。

なぜなら、それによってゲームをする金銭的なハードルを下げた方が、結果として裾野が広がり、ゲーム業界全体が盛り上がるのではないか、と考えているからです。

もしレンタルが認められれば、「オトナ帝国」を使って頂ける方々からすればとても便利になります。そして、もちろんこれはお客様にとってメリットがあるというだけではありません。

最初の最初はできないのですが、きちんとお客様がつけば、ゲームメーカーにメリットをお渡しできる仕組みも仕込んでいけます。例えば、このオトナ帝国の仕組みを使って、私を育ててくれたコンテンツを生み出し続けてきたゲームメーカーにもお金がめぐるような仕組みを作っていきたいです。

「よりゲームで楽しめる人と機会を増やせるように」、「ゲームという共通言語で盛り上がれる楽しさが増えるように」、私たちは頑張っていきます!

少し長くなりましたが、このプロジェクトにおける著作権について、私たちがどのようなことを考えているか、をお伝えいたしました。

最後までお読み頂きありがとうございました!


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