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オンライン飲み会のあと、私はまだ大学を卒業しきれていないことを悟る。
この週末は台風もあって、ろくすっぽ外出しなかった。
私は、先週から続く3連休に加えて、今週の金曜から来週の月曜まで短い夏休みを頂いていた。
中日にある3日間の出勤日はいつもと違ってかろやかな心地で望めると思う。
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先日は、久々に友人たちとオンライン飲み会をした。
オンライン飲み会は、コロナ禍がもたらした偶然の恩恵(?)といってもいい。
この新しき文化のおかげで私は、地方に帰っていった友人たちと気軽に飲むことができた。
話す内容といえば、社会に対する愚痴だったり、大学時代への郷愁だったり。
日をまたぐまで残業したこと、上司ガチャに大当たりしたこと、夏休みが有給を消費して作るものだったことを入社後に伝えられてちょっとショックだったこと、などなど。
セブンの安いハイボールのロング缶だったり、あるいは、酒屋で見繕ったワインだったりを飲みながら、話ははずんだ。
「卒業旅行に行きたかったな」「どこ行きたい?」「温泉か、海かな…」「温泉だとしたらどこがいい?」「道後とか?」「改修工事が終わったら、いいかもね」
国外でも国内でもいい。かけがえのない友人たちと、こうして卒業できたことを、振り返る機会がほしかった。
去年一年分の思い出がスッカラカンで、振り返れば泣き出してしまいそうだったから。
オンラインで繋がれるとはいえ、やっぱり寂しいものは寂しい。
精神的な距離と肉体的な距離は比例しないらしい。
いつか、この情勢が収まって、卒業までの思い出をリメイクできたら、とかちょっとだけ願ってしまう。私はまだ、卒業を肌で感じられていない。ただそこにある、卒業証書という証明書だけが私の学歴を証明するだけだ。
ゆえにこそ、願ってしまう。思い出がもっとほしいと願ってしまう。
願いは原動力だ。生きるためのエンジンだ。
そんな祈りがあるからこそ、今日へ、明日へ、明後日へ踏み外すことなく踏み出せる。
今日からまた、3日間出勤して、そしたら短い夏休み。
どんなに短くなっても、夏休みっていう響きだけは、私を向日葵畑に向かわせてくれる。
今年の夏休みは何をしようかな。