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推しプレゼンが苦手な私が好きな映画を語ってみる【LEON(1994)レビュー①】
観たことある映画の本数は多くない。
そして深くハマった作品も少ない。
しかし、『レオン』だけは両手の指で数えるくらいに観たし、
今後、両手で数え切れないくらいに見返すだろう。
『LEON(邦題:レオン)』は、無口で孤独な殺し屋・レオンと、家族を惨殺され、彼に助けを求めた少女・マチルダの奇妙な共同生活を描いた映画だ。
初見で本作の、暴力的で破滅的な純愛を観たときの衝撃はずっと忘れられない。
たった2時間の中に好きな場面がたくさんつまっていて、少しでも多くの人におすすめしたくなる作品だ。
しかし、人にものを薦めるのは難しい。
いざ、言葉をまとめようとしても、繰り出されるものはまとまらない断片だ。
例えば、最近読み始めた『フェアリーテイル』。
友人におすすめしようとしたけど、キャラの関係性! とかアツい台詞に胸打たれた! とか薄っぺらい言葉しか出てこなかった。
響いた作品に開口一番「めっちゃすごい」「感動した笑」とか、陳腐なワードしか並べられないのは悲しい。
でも、悲しんでいるだけでは何も始まらない。
私は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で碇シンジが放ったこの台詞が好きだ。
『涙で救えるのは自分だけだ。』
この言葉が深々と突き刺さっている。
悲しみだけでは何も変わらない。というか…。
「私も推しプレゼンで人を沼に沈ませた~~~~~い!!!!」
人と楽しみを共有できるとこっちも楽しくなるだろうし!
なので挑戦。映画レビューやってみる。
多少話が長くなりそうなので、2日~3日に分けて、私が感じた魅力について語っていく。
もしこの投稿を読んで、少しでも『レオン』に興味をもってくれる人がいたら嬉しい。
『レオン』の魅力① 殺し屋レオンの研ぎ澄まされたクールさにドキドキ
この物語の主人公であるレオンは先述の通り、殺し屋だ。
19歳の頃から殺しを職業とする彼の戦い方には無駄がない。
確実に対象を仕留めるための動きを分かっている。
その殺しの技術は、本編の各所に散りばめられている。
屈強な肉体を柔軟にしならせる。
上から下から影の中から、音もなく忍び寄る。
抜け道という抜け道を1つずつ潰す。
最適解のもとで対象を追い詰めていく。
鋼の肉体だけでなく、頭脳と長年の経験が1つ1つの所作に現れる。
(その所作は、時折、日常にもにじみ出ている。例えば、新居に引っ越した際も敵地に乗り込むような形相で部屋の隅々まで確認していた。平穏な日常に真面目シリアスをしてるとシュールな笑いが漏れる)
本編は、彼の仕事のシーンから始まる。
レオンは言葉もなく、敵が用意した護衛を流すように仕留める。
無駄打ちはない。顔を見せたそのときが相対する敵の命日だ。
たとえ、追い詰められた敵がマシンガンを乱射しても動じない。
殺しの術を分かっている彼の精神は人殺しのマシンのように冷徹だ。
このような、完璧な殺し屋としての側面が開始10分に凝縮されている。
アクション要素は控えめ。
だって、レオンが圧倒しているから。
この一連のシーンのいいところは、レオンに迫られる敵の視点で、彼のプロとしての仕事を描いている、ということ。
なので殺しのシーンが一切、直接的に書かれていない。
だからじりじりと追い詰められる切迫感、スリルが味わえる。
観客に身をもって、彼の凄みを味わってもらおうという演出だろうか。
私は、冒頭でレオンという殺し屋のクールさに惚れた。
貴方も最初のたった10分のために、レンタルしてみてほしい。
続きが気になって気づいたら本編を観終わっているかも。
そんな最強の殺し屋レオンは、家族を惨殺された少女・マチルダを救う。
幼いながら、大人びた妖艶さを孕む、本作のメインヒロインだ。
彼女は、殺された弟の復讐のために、レオンに殺しを学ぶ。
代わりに彼のもとで家事をしたり、文字を教えたりするという奇妙な共同生活が始まるのだが…。
次はメインヒロイン・マチルダの魅力についてだ。
続きの話は明日にでも。