同性愛と近親相姦を同列に語る『私の推しは悪役令嬢。』(テレビアニメ版第8話)
『私の推しは悪役令嬢。』(以下、『わた推し』)、主人公が同性愛と近親相姦を上記のように同列にして語っていて、本当に勘弁してほしいんですが、このアニメの監督は何も思わなかったのでしょうか。
ちなみに原作該当部分は上記の地の文からだと思いますが、それにしてもアニメ版は何なのでしょう。そもそもあえてアニメにも入れる必要は一体どこに…?
原作者にしても多少不本意な改変だったという可能性を信じて、御本人の発信を見てみましたが、むしろ上記のような内容で、本記事筆者としては絶望感がひどいです。あまりにひどいです。
原作者としては「同性愛も近親相姦も禁断の恋! エモいわね~~~」というスタンスなのでしょうか。いやはや勘弁してください。
虐待を抜きにして、近親相姦が何故いけないのかについては、確かによくわからない部分はあります。その手の話題となると決まって真っ先に登場するのがハプスブルク家の近親婚の繰り返しですが、かといって近親交配がどこまでいいのか悪いのか、きっちりと判明しているわけでもなく、現代日本においてもイトコ同士との結婚は認められていたりもします。
天智天皇は実の妹とそういう関係で白い目で見られていたのではないかと言われておりますが、それ故に、その時代の日本では、同父でも異母同士であれば近親関係に当たらなかったのではないかという話もあります。
古代の人に遺伝がどうとかわかりようがありません。にも関わらず一定の近親禁忌意識があったのは、あくまで文化的な要因によるのではないかと考えることができます。
ただ、同性愛と近親相姦を雑に同じ階層に放り込むのは、昨今の同性婚議論の盛り上がりを考慮に入れると、どう考えても現状あまりに乱暴としか言いようがなく、「ここでは掘り下げません」だの「皆さまの判断に委ねます」だの、非常に無責任な姿勢を感じずにはいられません。
『わた推し』で散々語られている、同性愛差別への問題提起とは一体何なのでしょうか。『わた推し』に関しては、その問題提起がただ単に女性を言い負かすための棒か何かになっていないか、改めて考えてみるべきではないかと私は思います。