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秋の行楽にもれなくついてくる怖いこと。
伊豆にツキノワグマ出てニュースになった。鹿の捕獲用罠に引っかかったことで山に返されたというけれど、そんなこともあるんだね。
先般北海道行った。近隣の道道を走っていたら『出た、注意』とあった。こちらはツキノワグマに輪をかけた大きさのヒグマ。こっちが車でも怖いのに、自転車や徒歩など生身で出遭ったらなお怖い。
事前策として鈴鳴らすとある。鈴、一家にひとつあってもいい。
出遭ったら、逃げちゃダメという。逃げずにいられるか、自信がない。
爆竹を使って追い払うことができた事例がテレビで放映されていた。だけど、これから冬に向かうのに、どこで爆竹買えばいいのだろう。
忍者なら姿を消してやり過ごせるだろうか。
黒猫なら? 保護色の術! なんちゃって。
冗談が出るうちは平和でいい。冬眠前、11月まで出遭いの季節が続くのだから、怖さが現実のものとなったらあたふたなんかしていられない。おまけに危険なシーズンは、秋の行楽シーズンとドンピシャでハマっている。
秋は出かけたい。でも出遭いたくはない。
黒猫が元野良だったら、野性の血が流れる者同士、波長を合わせることができるのだろうか。
北海道に行った時、深い森との境にある広大な自然公園駐車場に、真っ黒な野良猫が陽光からわずかの暖を取るために寝そべっていた。その公園にも『熊出た、注意』の看板が何枚も設置してあった。
帰京してその黒猫を思う。
彼は、あるいは彼女かもしれないけれど、森に潜む恐怖からうまいこと逃げおおせているだろうか。
北海道の冬は早い。奴が穴倉で眠りに就くころ、野良猫は今度は寒さと戦わなければならなくなる。
そういや、雪国の野良猫は冬眠しないんだっけ? と今更ながらの疑問に立ち返り、答えの出ない解答を彷徨いながら、これから加速していく濁流のような年末の時間に飲み込まれ、些事など忘れていくんだろうな。
冬が来る前に秋を心に刻んでおかなくちゃ。やっぱり秋の旅はしておこうと思う。
鈴と爆竹、用意しておかなくちゃ。秋雨に備えて傘も新調しておかなくちゃ。それと出遭った時のシミュレーションも怠ることなく。それでも、望まぬ出遭いなどありませんようにと神頼み。
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