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平和裡に解決するとは。
「ねえ、きいてもいい?」
半袖では寒さを感じる短い秋がはじまったある日、未就学児の姪っ子が、場の流れで観ていたドキュメント番組のさなかに訊いてきた。
「なに?」
「どうしてがいこくでは、国と国がなかが悪いの?」
大人に答えにくい質問は、子供に与えられた逆転の特権だ。ある意味駄々をこねられるのより厄介な問題は、のほほんとかまえていた大人に冷水を浴びせかける。冷水で体は冷える。なのに、どのように答えればいいのかめぐりはじめた思考はフル回転で、加熱して摩擦熱を発することになる。
「あのね」で些少の時間を稼ぐも、焼け石ならぬショート寸前加熱頭脳の沈静化を図るだけの時間稼ぎにはいたらない。それでも大人の沽券にかかわる由々しき問題、どうにかして納得の回答にいたりたいと、なおも頭を回転させる。レブリミッターといった近代技術未導入の頭脳は、多少の無理ならききそうだが、無理をすればブローするシンプルなれどやわな構造、しかももともとが高性能にできてはいないから、限界以上の馬力はでない。
さて、どうしたものか。
ならばここは子供の得意技、質問がえしでさらなる時間稼ぎをしようじゃないの。
「おまえだったらどうするの?」
するとすかさず「平和裡にかいけつするもん」と。
大人をからかうには早すぎるお年頃なれど、大人をからかいうる頭脳は持ち合わせているようだ。
近所の野良猫との縄張り争奪戦に日々苦慮している現実。平和裡に解決するとどうなるか、考えさせられたひと場面。
↓でも、平和裡に解決できたとして、負けたらどうなっちゃうんだろう? 明日から野良人間に??
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