人が歩けば……。
出会いは一瞬で、しかも必タイミング。
逸することもある。交差しなければ、それもまた時の悪戯。次を待つ、に託す。
座して待つはいただけない。「誰かがやってくれるだろう」という甘えでいては、何物も指の間からこぼれ落ちていく。人は足踏みしている人に興味を持ちにくいものだから。
足場が悪くとも進むから遭遇の機を得る。
情報は「足で稼げ」とは記者や刑事の仕事魂。出会いも情報と似て、動きまわっていないと当たらない。
人が当たるのは、犬が歩いていて当たる棒とは違う。人の出会いの「ぼう」は「紡」。関係を紡ぐための一始点。