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冬眠する生き物だったら。

 もしも冬眠する生き物だったら、まだ年が明けたことに気づかない。初夢もどれが該当するのかわからない。おせちもなければ、飽きてカレーに走ることもない。それだとなんだかつまらない。

 冬眠する生き物だったら、未だ穴倉で春を待つ眠りの真っ只中にいる。日々空腹具合は増していくのだろうけど、雪が溶けて春が芽吹くまで動けない。寒風に身をさらし雪原を歩く厳しさを思えば、穴倉でまあるくなって暖に包まれるメリットが、空腹を満たす欲求の頭を押さえ込むことだろう。

 冬眠する生き物が羨ましいと思うことがひとつある。冬眠していたら今日も明日もしばらくはぬくぬくの寝床でうだくだしていられる。まだ年が明けて4日目だというのに、こんなに早く憂鬱に苛まれることはない。
 明日は仕事始め。寒風の現実が待っている。

【もう仕事始めの時間? 年末年始の国境のような長いはずのトンネルは今年も思いのほか短かった】

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