ハッピー・ハロウィン。
東京飯倉片町交差点、夜10時。
仕事帰りに信号待ちをしていたら「かっこいいですね!」の声。左に停まった車が冷え込んだ夜に窓を開け、助手席に座る女性から声をかけられた。
オレ?
そう、あなたと目が語っていた。
「あ、ありがとう」答えたのはいいが、かっこいいのはオートバイのほう。どう見てもラフすぎるおっさんがかっこいいはずがない。
などと考えてたら、すかさず運転席の若者「ハッピー・ハロウィン!」。
「あ」あまりに突然のことだったから、「はっぴ、はろいん」と平仮名ことばで応えていた。
仕事場では、渋谷経由で通っていたスタッフが「渋谷は夕方になってから、待ってましたとばかりにたいへんな人出」とぼやいていた。
あれだけ自粛が叫ばれていたのに、ハロウィン騒ぎに自制ははるか対岸の火事。
そんな話を聞いていたから、ちんまりドライブ・デートを楽しむ若いカップルが、とても好印象だった。
よくよく考えたら「ハッピー・ハロウィン」の声がけに応えてくれる「誰か」を探していただけだったんだね、きっと。そのことに気づき、大人な自分がひと時でも舞い上がった自分を戒める。
楽しいアクシデントだったから、ま、いっか。お祭りの夜だし、三密避けてたし。
合成前の元の写真は洞爺湖に移住した女性がハロウィン当日に撮影したもので、掲載許可をもらって合成させていただいた。
洞爺の夜も美しい。
ハッピー・ハロウィン!
掲載許可をいただいた元写真はこれです。
「今日の満月。
まんが日本昔ばなし、みたい。」
掲載写真のコメントより。
『令月のピアニスト』でふれた十三夜の月です。