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目黒のサンマ。
いけぶくろ〜 池袋〜
山手線内回りの駕篭(かご)列車、間もなく発車いたしま〜す。
町民は道端まで下がって頭をお下げください〜。
「次は目白でございます」
(そわそわ)
「いよいよ、次かの?」
「殿、目白のサンマではございませぬ」
「まだかの?」
「あと8駅ございます」
ーーーーーー
なんてことを、昨夜、サンマを焼きながら考えていた。
サンマは庶民から距離を置いた。
「今日もまたサンマ?」なんて失礼なことは言えなくなってしまった昨今のサンマ事情。
今秋、あと何回食べられる?
襟を正していただいた。
※山手線内回り
池袋→目白→高田馬場→新大久保→新宿→代々木→原宿→渋谷→恵比寿→目黒
出典:落語『目黒のサンマ』
概要:
目黒まで鷹狩に出かけた殿は、町民食のサンマを初めて口にする。
「なんと美味い魚じゃ!」
味をしめた殿は城に戻ってからサンマを所望するが、どうも具合が違う。
骨を抜かれ汁に沈んだサンマは、食べやすくはなっているけど、苦みも滋味も抜かれてしまっていた。
「いったいどこのサンマじゃ?」納得できな殿。
家臣は「河岸のサンマでございます」と答える。
目黒で食べたサンマより、はるかに鮮度は高い。
でも・・・。
「なんじゃ、これは!」と嘆く殿。
「サンマは目黒に限る」