「げんきなおともだち」のテーマソング

レスラーや野球選手に入場曲というものがあるように、「げんきなおともだち」にもテーマソングが要るだろう。現在それは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコの「ユア・ミラー」(「I’ll be your mirror」)という曲である。手前勝手な解釈であるが、この歌に出てくるyouはげんきなおともだちで、Iは「げんきなおともだちの理解者」(ここが初出だが、後述するようにこれもひとつの概念でありカテゴリーである)だと思う。歌詞を私訳してみたので、以下に載せよう。ポイントは、「おともだちは自分で自分のことがわからない」ということだ。ぜひ曲を流しながら読んでほしい。


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私はあなたの鏡
あなたが自分を見失ったとき
その姿を映してあげる
私は風になる
雨にも  夕日にも
あなたが家に着いたとき
ドアを明るく照らす光になる

夜の闇はみていたの
ひねくれて
優しくなれない あなたを
(鏡の)私の前に立って
教えてあげるから
あなたはなにも見えてない
おねがい両手を降ろして
だって(大丈夫)
私はあなたを見ているから

美しさは あなたそのものよ
信じられない
それに気づいていないなんて
もしそうなら
あなたのかわりに目になるわ
暗闇にも手を伸ばすから
ほらもう怖くないでしょう?

夜の闇はみていたの
ひねくれて
優しくなれない あなたを
(鏡の)私の前に立って
教えてあげるから
あなたはなにも見えてない
おねがい両手を降ろして
だって(大丈夫)
私はあなたを見ているから

私はあなたの鏡
(あなたの全てを映し出す)
私はあなたの鏡…
ーーーーー
(翻訳協力 げんきなおともだち母)


これは私には、「そういう」歌にしか聞こえない。マルクスとエンゲルス、ブヴァールとペキュシェ、ドゥルーズとガタリ、ドン・キホーテとサンチョ・パンサのように、世の中の偉業(?)は必ず二人連れから成り立っている。この中でもとりわけガタリは「稲妻」に形容され、彼からとめどなく乱発される諸概念群をドゥルーズは「避雷針」のようにして受け止め、整理したと言われる。げんきなおともだちは、ときに元気でありときに元気ではないが、とかく自分のコントロールがきかない。しかし世の中には不思議なことに(私にとっては本当に不思議なことだ!)、そういうタイプの人に魅力を感じて惹かれる人もいるのである。それが「おともだちの理解者」だ。極私的MBTIデータ調べで言うと提唱者などが多いのかもしれないが、これはデータ不足でまだなんとも言えない。いずれにせよおともだちは、理解者を見つけたら全力で大切にしなくてはならない。替えのきかない唯一無二の友であるから。今回はおともだちのテーマソングの話から理解者の話にまで及ぶことができた。

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