温泉施設から学んだビジネス戦略
数年ぶりに地元の複合型温泉施設に行った。
完全に体を癒す為だけに行ったのだが、そこでビジネス戦略を多く学べたので共有したい。
まさか温泉施設でこんなにもビジネス戦略が学べるとは思わず、大きな収穫だった。
以前はどうだったのか
まず以前はどうだったのかを共有したい。
住宅街にあるこの施設は、天然温泉の露天風呂、食事処、マッサージ、岩盤浴がそろった複合型温泉施設だ。各施設はそれほど大きくないが全く不満もなく、価格帯もそれほど高くない。
その為、土日には非常に多くの人が詰めかけており、まさに芋洗い状態だった。それに嫌気がさし、自宅から車で10分もかからない場所にあるにも関わらず、もう数年行っていなかった。
利用料金を上げ、その分設備投資に回してリニューアル
数年ぶりに行ったので覚悟はしていたが、入湯料が数百円だが値上げしていた。昨今の物価上昇を考えれば仕方ないと思った。
しかし、中は結構リニューアルされていた。
これまで狭かった休憩スペースが拡充され、Wifiも完備。この休憩スペースには一人ずつがゆったり座れるシートが20席分。これは家族連れよりもサラリーマンが多いこのエリアにはぴったりと感じた。
そして人気のサウナもリニューアルされていた。（自分がサウナは入らないので詳細は不明だが・・・）
他にも、自動精算機が新しくなっており操作しやすくなっていたりと、小さな便利もかさ上げされていた。
大規模なリニューアル以外にも細かいバージョンアップが
建物を改装しておこなったと思われる大規模なリニューアル以外にも細かいバージョンアップがなされていた。
シャワーの水圧アップ
洗い場に”強い水圧！”と謳い文句が張られていた。そしてその文句に違わぬ協力な水圧。温泉のシャワーといえば水圧が弱い印象が強いのでこれはひっじょーにありがたかった。そしてすぐ止まるということもなくなっていた。
ドライヤーの拡充
温泉のドライヤーといえば、古くて貧弱で乾かすのにめちゃくちゃ時間がかかる印象だったが、男風呂の方はドライヤーがPanasonicの新しいものに変わっており、髪を乾かすのに全くストレスを感じなかった。
ドライヤーの販促につなげるビジネスモデル
前述したドライヤーに関連して、女風呂の方は特別にサロニアのドライヤーが設置されていたようだ。
多分これか
このあたりだろう
これが凄く、奥さんが「ドライヤーで乾かしただけでくしをまったくつかってないのに驚くほどサラサラ！」と言っていたほどだ。
実際に使ってみないとわからないものは、実際に使ってもらって良さを体感してもらう
Panasonicの方はどうかわからないが、サロニアの方はメーカーが販促の為に置かせていただいていると考えるのが自然だろう。その場合、メーカーからの提供ということになり、まさにWin-Winだ。
Win-Winの話は7つの習慣に出てきているのでタイムリーだった。
サロニアのドライヤーのように、認知度はあまりないが（少なくとも自分は）使ってみると驚くほどよい。ただ店頭ではあまり体感できないもの。
これを温泉施設に提供して使ってもらうのは非常に効果的と感じた。
ミソは「女風呂限定」というところだ。
このドライヤーのターゲットであり、よりドライヤーに質を求める女性が使う女性風呂に限定しておいたのだろう。限定という言葉も響きがよく、つい使ってみたくなる。
利益率の高い食事処も
食事処はコスパが悪いことが分かっていたし、少し出れば外食できるところは多くあることから利用しなかったが、メニューの拡充に加えて、曜日ごとに特定のメニューが割引になっていたりと来場する曜日を固定化させない工夫が見られた。
おそらく施設にとっては利益率の高い食事処なので、リニューアルでのテコ入れもしっかりとされているという印象だ。
平日に行くのであれば大満足な施設
家から近いこともあり、平日に行くのであれば大満足な施設と言えそうだ。
正直土日は今でも芋洗い状態なのは変わっていないと思われるので、あまり積極的に行くことはないと思うが、ゆっくり過ごせる平日を狙っていく分には非常に満足だった。
"壊れてから直す"ではなく、積極的なリニューアル
設備が壊れてから直す方がコストはかからないかもしれないが、お客さんにとってはうれしいどころか壊れている間は不便を感じるだけだ。
積極的な投資によるリニューアル、設備のバージョンアップは確かにコストはかかるし、経営状況によっては難しい決断だったのかも知れない。値上げもそうだ。しかし結果として顧客満足度は向上し、「また来よう」と素直に思える施設になっていた。
温泉施設での2大不満要素であるシャワーとドライヤーに手を入れたのもよいし、重要施設であるサウナをリニューアルしたのも大きい
費用対効果が大きいところを狙って投資出来ているのは、意外に出来そうだが出来ないことだ
そして言い忘れていたがもちろん温泉自体は最高なのだ。