ゼラチンと寒天とその間
ゼラチンと寒天、
アガーの違いも
曖昧だった頃
夏のはじまりから秋口まで
祖母がつくってくれた
梅アガーとコーヒーアガー
私はいつも
梅ゼリーとコーヒーゼリー
と呼んでいたけれど
大きなドーナツ型の容器
光に透ける灰梅色か
ダークチョコレートブラウン
放課後にお腹を空かせていると
ガラスのお皿に取り分けられて
机の上で揺れそうなほど
ぷるりんとしていた
どちらを出すかは
祖母の気分次第
アガーの良いとこは
ぷるりん、つるりんとした
口当たりの良い弾力と
その圧倒的な透明感
光の通り方を
みているだけで心が弾む
フレンチローストのカフェオレの味に
懐かしい記憶を思い出していた