Last Christmas
エスカレーターを降りる途中
みえてきた街は
すっかりクリスマスムード
商店街へ向かうと
冬の装いで歩く人々で
溢れかえっていた
どこからか流れてきた
Last Christmas
騙すも騙さないも、
好きでもない人にキスなんて
できるものなのかな?
通り過ぎていく
恋人たちの笑い声
分からないことがあってもいっか、
なんて思いながら
バス停に向かって歩く
目の前にやってきた
懐かしいバスの表示を見送る
そのバスに乗れば
君がいなくなった街に着くのだろう
青信号を渡り、反対のバス停へ
ケータイの着信が鳴った
私はいつまで君からの着信を
待っていられるのかな
街灯に照らされた
白い雪が舞うのを見ながら
通話ボタンを押す
君の声がした
これから先もずっと、
待っていられたらいいのに
写真 稲垣純也さま