乙戯社、第三回本公演のこと。
2022年9月18日~23日の間に、新作公演を上演する予定である。
連日稽古が続いていて、今日も昼から、夜まで稽古だった。
タイトルは『かつて生命があったという惑星に向かって僕らは、』。
休憩中に、どんな方に特に観てもらいたいかを考える事があった。
「届けたいけれども、届かなかった言葉ある人だ」と、ふと思った。
私自身、そんな言葉がたくさんある。とってもある。
口下手で、恥ずかしがり屋で、率直な物言いが出来ない性質なのだ。
しかしながら、脚本を書いている時はちょっと別な自分がいる。
多分「これは虚構ですよ。」という前提があるから、逆に素直になれる。
これって、実は私だけじゃないんじゃないだろうか。
いま共感してくれたひとは、全員観に来てもらいたい。
次回公演は私が普段は言えない素直な言葉が詰まっているし、
本当は口にしたい素敵な言葉が詰まっている作品だと思う。
あるいは脚本家いちかわともの美学が煌めく脚本だと言い換えてもいい。
一方でちょっと自分自身の本音を出しすぎているかもと思って、
この脚本はワークインプログレスを行う事にした経緯がある。
例えば脚本を読んでもらったとあるひとから感想を伺ったところ、
「わざと分かりにくく書いていて、言葉の裏がある脚本」
「淡く美しい水彩画のような印象の脚本」という評を頂いた。
まったくもってその通りなのだ。心当たりがある。
この脚本を書いていた時に、私はずっと、
いままで口から発語されなかった数々の言葉の事を考えていた。
「あの時にあの人に言葉を届けていたらどうなったんだろう?」
どうにもならなかったかもしれないし、
もっと悪い状況になっていたかもしれない。
あるいは・・・私は気になっていたし、いまもずっと気になっている。
そんな私みたいなひとに特にこの公演はみて頂きたいと心から思っている。
「あの時に発語されなかった言葉の行方はどこにいったのでしょうか?」
これを読んでる口下手族の貴方も、そう聞かれると気になりませんか?
貴方の70分を乙戯社に預けて欲しい。一緒に宇宙まで探しに行きましょう。
私も今回は、髪を振り乱して、体当たりで一緒に探します。
恥ずかしいけれども、とっても気になるので・・・
9月18日~23日・スタジオHIKARI。まもなく宇宙船が出発しますよ!!!