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#02 歯と向き合ってみた話

実はわたし、まぁまぁ歯並びにコンプレックスがありました。
「下顎前突」(かがくぜんとつ)と呼ばれている状態で、
いわゆる「受け口」ですね。

左:正常な歯並び 右:下顎前突(上は正面から 下は横からのイメージ)

イラストにすると↑こんな感じです。
厳密に言うと、歯医者さんいわく、
「顎の骨が受け口になっているのではなく、
上あごと下あごをただ噛み合わせると、上の前歯と下の前歯が完全に衝突してしまい、その状態だと奥歯が嚙み合わせられなくなるので、奥歯でものを噛むために、上下の前歯同士を、下あごが譲る形で前へ突き出し、臨時的に噛み合うようにしている状態」でした。
つまり私は、ものを食べる際、毎回「アイーン」をしながら噛んでいた、と言えば、お分かりいただけますでしょうか。
もちろん歯はみせないので、口の中でそういう動きをしていた、というわけで、はたから見ていれば、リスや小動物がモグモグしている感じで見えていたようで、友人から「噛むの早い?」「噛むときの顔なんかおもしろいね」などといじられたことも多いです。
なぜそんな状態になったか?ですが、
遡ること40年程前、おそらく0歳の頃なんだと思います。
乳歯が生え始めたとき、上の前歯と下の前歯が同じ位置に伸びてきて、カチンとなるのを、顎をずらすことでしのいでしまったことが、始まりだと思われます。(さすが0歳児・・)
コンプレックスエピソードとしては、この辺りで良しとしましょう。

そんなわけで、「自発的に受け口」をしているだけなので、「矯正は不要」と医者から言われていたのでそのまま生きてきましたが、
受け口以外にもまだ「実は」なことがあり、
実は、八重歯が飛び出していたり奥歯が斜めに生えていたり、歯茎のかなり奥から生えてる歯があったりと、かなり「ヤンチャな歯並び」をしておりました。
振り返ってみると、やはり歯科に通うことは人並みに億劫だし、いくら磨いても歯ブラシの届かない部分にはどんどん虫歯ができてくるし、「歯と向き合う」ことから目をそらして生きてきておりました。

コンプレックスと、歯と向き合うことから逃げていた私ですが、
近年になり、知人がたて続けに歯列矯正をすると知りました。
ワイヤーではなく、マウスピースの歯列矯正なるものがある、
と、何度か耳にしていたのですが、高額ということでスルーしていました。
しかし、会うたびに知人の歯が整っていく様子を見ていて、勇気と希望をもらえました。
また、子供のため、家族のためといえど、毎日働きづめで、つい自分のことを後回しにしているがために、昨年はちょっと入院沙汰などもありまして、「自分の自分への扱い」について、立ち止まって考えてみても良いかなと思うようになりました。
母親である私が、子供の手本となるべき親が、自分の体を粗末にする姿を見せていることになり、良くないですよね。
しんどかったら休む、いいえ、
しんどくなりそうだったら先持って休みを確保する、くらいが良いかもしれません。
虫歯が出来たら歯科に行く、ではなく
虫歯ができる前に定期的にクリーニングに通う、さらに
虫歯ができそうな状況はできる限り改善する←歯列矯正

「自分を戒める」ために歯科に通うのではなく
「自分をケアする」ために通うのだということ。
マウスピース矯正は、地道な努力が必要なことですが、
前向きな動機で取り組むのだということを、今一度思い直しました。

決めたら動くのは早い私です。
昨年5月に、インビザラインの認定医院にアポをとり、6月には契約、支払いを済ませ、6月末から矯正スタートしました。
初めの1週間は違和感がすごく、付け外しやゴム掛けも痛かったりうまくかけられなかったりと、くじけそうでした。
でも、仕上がりのシミュレーションムービーを何度も見返し、アプリで撮ったスキャン写真と比較しながら、モチベーションを保つことができ、最短の14週間で見事、下顎前突もガタガタの歯並びも両方、嘘のように整いました。(前歯の重なりが交差する1~2週間の間は、完全に前歯が上下で衝突して奥歯で噛めなくなり、すごく違和感ありましたが、固いものを避けて食べるようにしていたので、さほど苦ではありませんでした)

1回だけ追加が費用内で出来るということで、1回だけスキャン追加し、10週分のマウスピースも挑戦しました。わずかに奥歯に隙間が出来てしまっていたので、それを改善する目的でした。
それも12月末で終了し、2025年年明けから、まっさらな気持ちでのスタートです。

マウスピース矯正をして変わったこと
・噛み合わせのたびに顎をずらさなくて良くなった
・食いしばっても肩こりがマシ
・息みやすくなった(顎に負担がかからない)
・歯と歯の隙間にものが挟まりにくくなった
・歯磨き、フロスがしやすくなった
・歯磨きをしっかりしたくなった(はじめの口濯ぎしっかり→フロス→POICウォーターで再度ぐちゅぐちゅしながら細い歯ブラシで予磨き→歯磨き粉をつけて本磨き)
・歯を見せた笑顔に自信がもてるようになった
・周囲からも歯並び綺麗になったねと言われた

上記に挙げた以外にも、本当に色々良くなったことがたくさんあります。
何よりも「自分の歯への愛情がわいた」こと
「自分のカラダへの愛情がわいた」ことが大きいです。
40年間、ずっと自分のことは後回しにするスタンスでここまで生きてきた気がします。なんだかんだ言いながら、自分のケアができないことに、いろんな言い訳をしてきたなと思います。
人に思いやりを持つためには、まずは自分に思いやりをもったケアができないと、始まらないんですけどね。自己犠牲している人から優しくされても、相手も気持ちよく受け取れませんもん。
歯と向き合ったことで、影響範囲は計り知れません。
何がきっかけで、自分の価値観や視点の変化が起こるか、わからないものですね。