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舞台感想 宝塚歌劇花組公演 うたかたの恋 アンシャントマン

明けましておめでとうございます。
2023年の始まりですね。
この一年が良い年になりますように。

と書き始めたこの記事にちょっと手を入れております。
2023年もコロナはエンタメを苦しめています。
東京星組、宙組バウの中止が知らされ、せめて花組はというファンの願いもむなしく、16日までの中止が発表されてしまいました。
歌劇一月号で木場理事長が、
「感染した場合には舞台人にとって生命線ともいえる喉に影響が出ることと、出演者は舞台上では感染防止策の基本であるマスクを外さざるえないこと」から厳格な感染予防、感染防止対策をとると書いておられるのを読んで、なによりも出演者を守る姿勢でおられることにファンとしては安堵しました。
だからこその中止なのだから、ファンとしては静かに再開を待つしかありません。
とはいえ……観劇を楽しみにしておられた方の気持ちを思えば、いかほどの落胆であろうか……
今できるのは、無事再開される事と、真風さんのコンサートが完走できることをただ祈るだけ。丁度、十日戎。近所の神社にお参りしてきました。
えべっさん、たのんまっせ!!!

ということで、先日書いた舞台感想です。

今年最初の観劇は、花組公演「うたかたの恋」と「ENCHANTEMENT アンシャントマン 華麗なる香水」です。
運よく、1月2日公演のSS席が当たりまして、友会さんありがとう!大感謝!でございます。


そして、この公演から最前列にもお客様が入っています。
少しづつ元に戻っていくのかなって感じられるのが嬉しいです。

ネタバレあります。ご注意ください。

さて、「うたかたの恋」
実は私、これは好きな演目というわけではなく、発表された時に「なんだ、うたかたかぁ」と少しがっかりしたのですね。
いや、その時の自分を叱りたい。
なんともお正月らしい、美しく華やかなお芝居にやられちゃいました。

ミラーボールが煌き、幕が上がると真っ赤な大階段にルドルフとマリー。
やはり大劇場のかもしだす迫力にひれ伏してしまいます。
うう、期待大!
そして、銃声の後の華やかな舞踏会。
これぞ、宝塚。
軍服の男役とドレスの娘役の華やかさ、美しさ、優雅な音楽。
いやあ、これだけ華やかさを見せられると、これをお正月公演にした理由もわかるというものです。

柴田作品を踏襲していますが、わかりやすくなっている感じ。
二人がじゃれあうシーンは、すっきりまとめられていて、私的にはホッとしました。(私はあの手のシーンがあまり好きではないので。ま、好みだと思います。バカバカしくて目をそむけたくなるほどのいちゃいちゃ感だからこそ、死を選ぶ二人の心理とのギャップに思いを馳せて、より痛々しく感じるという感じ方もあるかな?って推測するので。ま、感じ方は人それぞれだしね)

柚香さん、はまり役だと感じました。
美しい男の苦しみって、なんて甘美なものでしょう。
悩み、苦しみ、孤独感、なんとも繊細なれいちゃんのルドルフは神々しいばかりで、すごくはまり役だったと思いました。
理由などない、見かけただけでマリーが心惹かれてしまうのは、オーラのように醸し出す空気が少女の無垢な心とリンクしてしまったように見えました。そんな、まどかちゃんのマリーもピッタリはまっていました。
一目ぼれ的な愛だからこそ、お互いのことを詳しく知ることない愛だからこそ、憧れと愛の違いのわからないような幼さを持つマリーだからこそ真っ直ぐについていく。ルドルフと同じ場所にいて、同じ空気をすっていると感じられるだけでマリーは充分で、その無償の愛の姿にルドルフも引っ張られて死に向かって行く気がしましたね。
私は、れいちゃんとまどかちゃんのルドルフとマリ―、今までで一番好きでした。

そして水美さんのジャン。ストーリーテラーでもあり、ルドルフがなりたくてもなれない存在。清々しいまでに自由で心優しい男って感じが、悪気なくルドルフを追い詰めるようにすら思えて好演だったと思います。
やはり、組替えでこれからこの二人の共演がこれからは当たり前でなくなる淋しさとかも複雑に観客の感情をゆさぶるのだと思いました。

美風さんの乳母など脇を固める方々も好演で、すごく良い作品になっていたように思います。

元々、娘役さんの役が少ない作品ですから、もったいない使われ方の娘役さんも多いけれど、それはもう仕方ないか……

大満足で見終わりました。

次は、ショーですが、これは本当にあっという間に終わってしまい、どのシーンも好きでした。

やはり水美さんの組替えへのはなむけか、柚香さんと絡むシーンなど印象的で記憶に残るシーンがあって、きゃあきゃあと心の中で叫んでしまいます。

中詰めでは、お客さんも一緒に扇で盛り上がるシーンがあって、私はこういう一体感のあるシーンが好きなのですが、もう少し長くしてほしかったな。
せっかく扇を買って参加するんだから「え? もう終わり?」ってなるのはちょっと淋しいです。

でも、見やすい構成でどのシーンも好きだったので、良いショーだったと思います。

お正月を心から楽しめる観劇でした。
今年一年も、宝塚を愛し、楽しませて頂けるだろうなと、気持ちも盛り上がる素敵な公演でした。

次回はまた違う印象があるかも。
来週の観劇を心待ちにして、初観劇の感想とすることにします。

と書いた「来週の観劇」は中止になってしまって、残念です。
無事の再開をひたすら祈ります。


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