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2,3度目の舞台感想 宝塚歌劇 宙組公演 宝塚110年の恋のうた Razzle Dazzle

宝塚大劇場 宙組公演のマイ楽を観終わりました。

ああ。キキちゃんを生で観るのはこれが最後か……
そんなことを思うと、胸がいっぱいになります。

キキちゃん……驚きだった宙組への組替え、長い二番手時代。
でも、二番手だからこその魅力的なお役を様々に見せて頂き、いよいよトップお披露目という時に宝塚を襲った悲しい出来事。
時代の変化と共に人の感じ方や常識が変わり、厳しさや当たり前の基準が変わっていることに歌劇団が鈍感であった罪の重さは計り知れません。

ですがエンタメの世界で生きるということは「芸を磨く」ことであって、それには血のにじむような努力が必要であることも事実です。
生まれ持った才能や容姿、努力を続けられる精神力や体力、そんなものを兼ね備えた人だけが残る事のできる世界なのです。
そんな世界で生きる人達を、若い時から教育し、舞台人として経験を積ませる宝塚は凄い組織だと思います。
エンタメとして最近の宝塚は本当にレベルが高いです。
あのレベルを維持し、公演を続ける為には、繰り返し稽古しなければいけないことは自明の理です。

悲しい出来事をきっかけに、タカラジェンヌの労働環境が改善されたことは良いことだと思います。
でも、個人差ってあると思うんですよね。
同じ時間の稽古で出来る人と出来ない人がいると思います。
昔なら出来るまで頑張るということも可能だったでしょうが、在館時間が管理される今では、それは難しくなっているでしょう。
稽古したくてもできないなんてことになっていないかしら?
年のせいか、色々考えてしまうと心配になります。

先日、一年十か月ぶりに宙組の新人公演が行われました。
スカステの宝塚ニュースで新人公演を終えた下級生たちの顔を見ていると、宙組もやっとここまできたのだなあって胸がいっぱいになりました。
きっとこういう経験が、時間を有効活用する術につながり、質の高い舞台を維持する技術を手に入れることになるのだろうなあと思うと、私の心配など無用にも思えてきました。
きっと、彼女たちがこれからの宙組を盛り立ててくれるはずです。

さて、前置きが長くなりました。
宙組公演、一度目の感想はこちらです。
舞台感想 宝塚歌劇 宙組公演 宝塚110年の恋のうた Razzle Dazzle|おとぼけ男爵

2,3度目の感想です。

和物ショーは、やはりチョンパが最高!
何度見ても、ほおっとため息がでます。
見慣れると八千代と衣通姫のコミカルなかけあいが楽しくなってきて、これもアリかなと感じるようになりました。
一度目は、正直、三紗さんをこんな風に使うの?って思っていたからね……
それと、若手の活躍がいいなあと思いました。
日替わりのお歌を色々楽しませて頂ける演出はなかなか良い。
そして、武蔵を演じていた奈央麗斗くん! 一度目は誰?誰?って思っていて後からプログラムを見ておおおと思いました。
お歌がすごく良い! 見る度に上手くなっているのでは? ビジュアルも美しいし、楽しみな方ですね。

恋の歌は聞くたびに切なく、愛おしく感じられてきました。
早口和歌はやっぱりあまり好きじゃないけれど、見れば見るほど良くなってくるのが、宝塚の演目ってことでしょうか。

そして、定家が八千代に、何の役を演じるのかと問われ、自分は演じない。恋の歌を歌う者がこんなにもいるじゃないかという最後は、キキちゃんが卒業して、宙組を後輩たちに託していくという現実にリンクさせた演出ですよね。さすがにぐっときちゃって、ダメでした。
その時の定家の優しくて悟ったような笑顔が切なくて、涙。
特に、マイ楽は、これでキキちゃん観るのは最後だとか思ってしまうから、涙腺が緩い緩い……

そうそ、一度目に見た時プログラムの大野先生がなぜ?NASAの服着て、スペースシャトル持っているのよ?と思っていたのですが、二度目の観劇の時にご一緒したヅカ友さんに言ったら「宙組だからじゃない?」って言われて、納得! 
そうか、そうだったのか、大野先生、気づけなくてごめんなさいだわ。
私は、NASAが110周年な訳ないしなあ~なんてトンチンカンなこと考えていました。

そして、お芝居。
もう、これは本当に楽しくてゴキゲンな作品ですね。
一度目は、映画が完成することはないのに撮影をするシーンが、宙組の苦しい時期に重なって見えて、私一人泣いていたのです。
でも二度目からは感情の変なツボに入ることもなく、楽しく観たので、終始ゴキゲンでした。
本当に楽しい作品で、キキちゃんのご卒業作品がこんな明るいもので良かったと感じました。

でも、面白いもので人の感じ方は色々のようです。
先日お話したヅカ友さんは
「エキストラを1ドルで働かせるブラックな企業の話を宙組で上演して大丈夫なんだろうかと心配した」
とおっしゃっていて、なるほど、そういう見方もあるなあと思いました。
人の感じ方って色々あるから面白い。

二度目の観劇は、友会のタケノコ席だったので、上手が近くて、下級生たちの表情が良く見えて、目が合うと煽ってくれたりして楽しかったです。
やっぱ、前方席で見るのは絶品ですなあ~

タケノコ席は銀橋や上手花道に近い!

二度目の観劇の時のランチは久しぶりにサラで頂きました。

キッシュランチとアイスのロイヤルミルクティー

そして、三度目の観劇は二階席から。


こちらは、群舞の全体を観ることができて楽しかったです。

シャーリーンが洗いざらいぶちまげて、嘘をついていたことがバレて「あなたの夢を叶えることが出来て良かった」といってドロシーが店から出て行くシーンのような、昭和の少女漫画的な流れが好き。

シャーリーンのもえこちゃんが一層、インパクトある!
このお役で一皮むけたのではないでしょうか?
もえこちゃんって、長身で美しく歌が上手いスターさんなのにどこか地味な印象で「私を見ろ」っていうスター感に乏しかったように思うのですよね。
ところが、このお役で「私を見ろ!」って真ん中に立って当然のスター感が凄いんですよ。これは良い経験をなさったのではないでしょうか?
歌も一層素晴らしい声量で、彼女が星組でどのような変貌を遂げるのか楽しみになってきました。

オリジナルとしては、中々良い作品だったのではない?
クラブでの群舞や「バビロンの落日」のダンスシーンなど楽しいシーンをスピーディーにつなぎ合わせていて飽きが来ないから、眠くならない。
昭和の少女漫画的なキュンキュンがちりばめられていて、わかっちゃいるけどキュンとする。
コメディセンスのあるキキちゃんの独特な間が見る度にレベルアップしていて、共演者がそれに巻き込まれていて明るく楽しく笑える。
こんな楽しい作品で、キキちゃんのご卒業公演を明るく見送ることができて良かったなあって思います。

でも、宙組カラーの紫のドレスでのデュエダンとか、キキちゃんの最後のお歌とか胸がぐっときて、マスクの中を涙と鼻水で濡らすことになったけれど、良かったよ。

それと、男役群舞。
キキちゃんがはけてから、ズンちゃん中心の男役群舞は、かっこいいし、見る度にエロくなる。若手の色気が増し増しで、オペラのやりどころに困る。
これからの宙組は、こんな色気で行くのか? 若手が照れなく客を煽ってくる。彼らがこの調子で成長したら、えらいことになりそうだわ。
楽しみだわ。うふふふふふ。未来の宙組はコーラスの宙組に加えて色気の宙組になるかも……

友会が東京公演当ててくれたら良いのだけれどな……
抽選結果は明日だけど……無理やろな……

生で見るキキちゃん、きっと、これで最後だな……
あとは配信で、ご卒業を見送ります。

最後までキキちゃんが元気に走り抜けますように。

過去の舞台感想はこちら
宝塚歌劇 舞台感想まとめ|おとぼけ男爵 (note.com)

宝塚OGさん出演の舞台感想はこちら
宝塚OGさん出演 舞台感想まとめ|おとぼけ男爵 (note.com)

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