読書感想文 生のみ生のままで(上)
ネタバレ、あらすじありの読書感想文です。
タイトル 生のみ生のままで(上)
作者 綿矢りさ
出版社 集英社
あらすじ
携帯ショップで働く逢衣は、恋人颯とリゾートホテルに遊びに行く。そこで、たまたま颯は幼馴染の琢磨とその恋人彩夏に出会う。美人の彩夏は女優の卵だった。
逢衣と彩夏は親しい友人となる。
颯から、彩夏に好きな人ができ琢磨と彩夏が別れたと聞いて驚く逢衣。
だが彩夏が好きな相手とは、逢衣のことだった。
颯と結婚を考えていた逢衣は、彩夏を受け入れることなど出来ないと思っていたが、彩夏のことばかり考えている自分の気持ちに気づき、颯と別れる。
女同士の恋人になった逢衣と彩夏は同居し、充実した日々を送っていた。
彩夏は女優として映画の主演をするほどになる。
だが、二人のスキャンダル記事がでることがわかり、事務所によって二人は会えなくなった。
感想
上巻だけでの感想はなかなか書きにくいですが、女性同士の恋人の物語です。幼いころから性の不一致を悩んでいたと言うのではなく、彩夏がひとめぼれで逢衣に恋し、戸惑いながらも逢衣が彩夏を受け入れる恋です。
どちらも男性の恋人がいる設定からなので、同性愛者と言うよりも性を超越した恋の物語というところでしょうか。
でも、不自然さはありません。ピンチの逢衣を彩夏が助けたり、逢衣の為に彩夏が料理を頑張ったりする様子が丁寧に描かれているので、彩夏は逢衣が本当に好きなのだとわかります。そして、女性からの性的な接触に逢衣が戸惑い、嫌悪しながら、忘れられなくなる過程も情感豊かに描かれています。元彼二人と四人で会うのは、かなり不思議なシーンでしたが、彼らが下巻でかかわってくるのかどうか、お楽しみといったところです。
そしてスキャンダルをばらした彩夏の後輩女優とか、芸能界のドロドロも描かれるのでしょうか?
さてさて、続きはどうなるのか?
さっそく、下巻にとりかかりまーす。