文章の“声“を見つける試み

最近、常々思う。

文章にも「声」がある、ということを。

それに気づいたきっかけは、趣味の読書をしていたとき。
とりわけ実用書やエッセイなどではなく、小説を読んでいたときに。

昔から「合わない文体」というものがあって、けれどそれは私が特殊というわけでもなく、本を読んだことがあれば多かれ少なかれ「読みにくいなぁ」という文章には出合うんじゃないかと思う。

具体的にどういう文章が「合わない」のかは人それぞれで、私個人の「合わない」を挙げるなら、それは「無味無臭の文体」ということになる。
(※あくまでこれは私個人の感覚の話であり、作品や著作者、それらに関わる方々を貶す意図は決してありません。)

読んでも読んでも文字がスススーと滑っていく。
同じ文章を3〜5回くらい読み直してようやく意味がわかる、というような。

最初、というか最近までというか、読んでも読んでも頭に入ってこないのは、私の頭の能力のせいかもしれないと半分くらい思っていた。
学生のときの国語の文章問題や、算数や数学の文章問題があまり得意ではなかったから。

理解が及ばないことがあると、理解できない自分が悪い、頭が足りていない、とつい思ってしまう。他者側の問題もあるかもよと考えるよりも、自分を痛めつける考え方のほうが容易い。でも、それは単に文体が合わないだけでしょう、と言った友人の言葉で、そ、そうだよな……そういうことあるよなぁと思い直すことができた。

少し話が逸れてしまったけれど、じゃあ自分にとって「合わない=読めない=理解ができない」ってどういうことだろう?

なかなか言語化できなくてモヤモヤしたまま、わりと年月が過ぎた。
そして最近になってようやく、「文章にも“声“があるんだ!」ということに気づいた。

きっかけは、作家さんによって三人称の書き方って全然違うよな〜と思ったことだった。
あと出しになるけれども、実はの実は、私も趣味の域は出ないけれども小説を書いている。長年自分の文章のスタイルというものが決まらず自身も持てずで、小説を読むときはどういう意図があってこの三人称のスタイルになっているのか?というところを注視してきた。

ここでやっぱり、うーわからん、となり自分の頭の不出来を再確認するのだけどそれはさておき、作家さんによって書き方が違う、つまり読み味も違うということは、これが自分の合わない文体を決めているんだ!

なんとも遅い気づきである。

そしてその気づきをもとにたどり着いた自分なりの解が、冒頭の「無味無臭の文体」が自分には合わないということだった。

具体的にどういうことかというと、「文章は整っていて綺麗だが、どこか定型ばった文章の連なり」という雰囲気を受ける文体。

文章から質感を感じられない。五感を感じられない。

つまりそれってどういう書き方になったとき?
どうしたら自分の“声”が宿る文章が書けるだろう?

いくつか自分の中ではっきりている解がある。
じ、実践してみたい……。

そこで私は思いついた!
エッセイでもうすでに数々の恥を晒しておるのだから、いまさら過去の作品を公開したところで羞恥指数には影響がないのではないか、と。
つまり、

小説を投稿しよう!

ハイ。
というわけでですね、不肖ワタクシ、4年ほど前に書いた小説の「冒頭部分」をnoteに投稿しようと思います(突然すぎ)。そしてその続きを書いていきます(再びの突然すぎ)。
信じられない……。

信じられないけれども、自分の文章の“声“を探すということは、私のnoteの趣旨とも合う。

ちなみに、なんで冒頭部分をと強調するかというと、そもそも冒頭しか書いていないから(なんてこった)。
4年前というと、完全に創作に行き詰まって心が疲弊していた時期。それでも何か書きたくて、何を書くかも決めずに頭に浮かんだ文章を書き留めたのだった。だから未完成もいいとこで、完成するあてのない、小説にすらなりきれない文章の切れ端。

散々「無味無臭の文体」「合わない文体」などと言ってきたけれど、正直に白状すると私もそれらに当てはまる文章の書き方をしてきた。
それだけそういった文体で書かれる作家さんやジャンルを読んできたからだろうか。
それとも、初心者が陥りやすり書き方をしてしまっただけなのか。

今回文章の切れ端の続きを書くことで、自分なりの解を実践で確かめてみて、ものとすることができたなら、もっと小説を書くのが好きになれるかもしれない。

小説を書くのが楽しい。好き。
そう言える人が昔から羨ましいのです。



さて、エッセイはこの記事で5本目。
いやぁ〜どんどんと手ぐせのように無味無臭の文章を書いてしまっている(おもに一つ前の記事とかとくに)。

なんて差し障りのない、面白みのない文章なの。
もしかして、こういう発想って自意識過剰なのだろうか……。

毎度ながら、本題が一番最後にくるスタイルはただの悪癖だな、などと反省しながら今週(1日遅れですが!?)のエッセイを締めくくりたい。

小説の(超)簡単なあらすじと、第一話は来週に投稿予定。
小説を投稿する週はエッセイはお休み。

小説の更新等については、

・不定期更新
・見切り発車のためちゃんと続くかわからない
・でもそもそも、この小説は“声”を見つける試みの一環なので!そこが1番大事なので!

といった感じに、本当にゆるく……ゆるく……やっていこうと思っております、ハイ。

それでは、また来週。


おしまい!

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