音MADと著作権②〜社会としての著作権「マッド・アマノ事件」〜
はじめに
みなさん、こんばんは。ずっと音MAD作って生きていたい人です。まじめな内容を扱うと、やたら文章は多くなるし、間違いがないか神経質になりますね。
さて、今回扱う内容は『マッド・アマノ事件』です。
この事件は、最高裁にまで発展し、日本のその後の著作権に対する意識が大きく変わった訴訟問題です。(※現在は和解)
今回も引き続き、福井健策 著書の『改訂版 著作権とは何か 文化と創造のゆくえ』(2020)、を元に、構成しています。
『マッド・アマノ事件』
この問題は、山岳撮影家の白川義員氏の作品を、マッド・アマノ氏が異なる写真と組み合わせたモンタージュを、雑誌の『マッド・アマノの奇妙な世界』というコーナーに掲載してしまったことから発展します。
白川氏はアマノ氏を”著作権”と”著作者人格権”の侵害で訴えました。その結果は、
一審 → アマノ氏の敗訴
二審(東京高裁) →アマノ氏の勝訴
三審(最高裁) →アマノ氏再び敗訴
まず一審はアマノ氏の敗訴、二審では、一転して勝訴したものの、三審では再び敗訴という結末を迎えました。
引用基準
1980年、この事件から三審(最高裁)で『引用基準』が打ち立てられました。
ここで注目すべきは、パロディ基準ではなく、あくまで引用ということです。
引用基準の重要な点は、
まとめ
要するに「引用するなら、それとわかるようにわかりやすくやれ。」ということですね。
主従関係については、今で言うところのコンテンツツリーの意識につながっているのではないでしょうか。
また、考えなくてはならない事は、この事件はインターネットが広く一般に普及する以前の事件だということです。
インターネットによって、誰でも創作したり、それを発信できる情報社会の中で、こうしたルールは常に変化し続けているのです。
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