きょうは　なんのひ？

好きな絵本は？と聞かれたら、真っ先にこれを答えたい。最初に紹介しようと決めていた一冊。

「きょうは　なんのひ？」

瀬田貞二　作・林明子　絵
おすすめ:5歳から

小学生の女の子「まみこ」が家中にヒントを散りばめ、それをもとに彼女のお母さんが答えを探していくお話。

私が昔からずっと、いちばん好きな絵本。
林明子さんの優しい絵と、瀬田貞二さんの細やかな表現が特徴。なんとなく昭和の一般家庭だろうな、と思える家の中はどこも細かなところまで描かれている。絵本の中に、実在する別の絵本が出てくることも面白い。

この絵本を読んでいると、「まみこ」がどれだけ賢い女の子なのかがよくわかる。自分が彼女と同じ年頃で、これほど大掛かりな仕掛けを作ることができたとは思えない。「まみこ」自身は話の最初と最後にしか登場しないのだが、それだけでどんな女の子なのか想像ができる点が瀬田さんの凄さだと思う。

全体に文字が多く、振り仮名はあるものの漢字も使用されているため年長さんくらいからおすすめしたい。裏表紙にも「読んであげるなら　5才から」「じぶんで読むなら　小学校中級むき」と記載されている。この文字の多さは、大人が読んでも十分に満足できる。普段絵本を読まない大人にも、ぜひ読んでほしい。