ニチイ学館がMBOで株式非公開化へ
ニチイ学館がMBO (マネジメントバイアウト)を実施するようだ。公開買付者は米国ベインキャピタル社が設立したSPC(特別目的会社/Special Purpose Company)になる模様。
ニチイ学館は絶賛構造改革中
ニチイ学館といえば、介護業界では最大手で、最近は保育事業も好調な企業である。19年3月期の売上高は連結ベースで2,878億円。ただ、ここ数年は多角化戦略を見直しており、教育事業を中心に構造改革を実施している状況だった。教育事業においてはCOCO塾事業の撤退・ GABA事業への集中に取り組んでいたのだが、なぜこのような動きをとったかといえば、語学学習というのはDMMなど格安のオンライン型式サービスが主流となり、この勢いに負けてしまった、というのがざっくりとした背景である。
構造改革は「スピード第一」
たしかにMBOは経営権を経営陣・投資ファンドに集中させるので、自ずと意思決定・実行のスピードは向上する。これは特に構造改革を実施しているフェーズでは重要なところである。この手の取り組みはとにかく「スピード」が求められる、というのはMBA課程でも学習した要素だ。
長期的な展望は?
高齢化・核家族化が進んでいる日本において、介護・保育に対する市場ニーズは総じて高いといえる。ニチイ学館は先述のとおり介護事業においてはトップ企業であるため、私がニチイ学館の戦略担当だったら、この2つの事業に経営資源を集中させ、将来の介護・保育(ロボット・IoTなども必ず関わってくるだろう)でも競合他社に負けないような事業・スキームづくりに注力するだろう。今後どこかのタイミングで該社より説明がなされるはずなので、注目してみたい。
参照:ニチイ学館 決算資料、日本経済新聞