療法士リーダー10の習慣 2018改訂版
はじめに
「療法士の成功・失敗とは何か?」
正直、僕は療法士の成功が何か? 失敗が何か? をハッキリと言えずにいます。
というのも、療法士にとっての「成功・失敗」というものが、療法士個々人によって異なるからです。
ですが、どんな目的や目標があったとしても、成功していた方がいいでしょうし、幸せでいたいと思うココロに違いはないと思います。
僕は……と言うか一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会(以下IAIR)副会長でもある僕は
『僕は療法士の皆さんに幸せになって欲しいんです。
だから、こうしてセミナー活動を通してより良い生き方を提案しているんです』
異口同音でお話ししたことがあるはずです。
あなたは「あなた自身の幸せ」について、具体的に考えたことがない?
それはそれで良しとしましょう。
これから十年、二十年、療法士として働いていく中、見つけていけばいいと思います。
少なくとも「アナタはまだ失敗者にはなっていない」のですから。
あなたは「この本を手に取った」という行動を起こしました。
仮にこの本を手にした事が失敗だったと思ったとしても(笑)、それは成功する為のプロセスの一部となります。
僕は「停止している・行動しない者」をこそ「失敗者」と捉えます。
行動している人は、失敗することがあっても、失敗者には絶対になりません。
なぜなら「失敗者」は名詞であり不変ですが、「失敗する」は行動した結果の事であり、ここで立ち止まらなければ次は「成功する」可能性を秘めているんです。
さぁ、そろそろ齋藤の呟きは締めましょう。
次のページからが、あなたの療法士人生を成功に導く本編です。
成功することも、失敗することも、楽しんでください!
2018年改定版をnoteにするにあたって……
思いがけず、noteをはじめたのが二週間ほど前。
僕……齋藤 信の人生を棚卸ししつつ、これまで書き溜めたコラムやメモなどを公開するのに最適ではなかろうか、と感じました。
そう「感じた」のです。
今、世の中は大きな転換期を迎えています。
今は「情報の速度」や「知識の量」は求められていません。
今求められているのは「情報や知識を使いこなす知恵」であり「感じる力」です。
この本は、2012年当時、
・臨床現場にはリーダーがいない。
・だったらまともな管理職やリーダー像を提案する!
そんな強い想いから公開した「PTOTの為のマネジメント/リーダーになれる療法士10の習慣」がベースになっています。
ですが、あれから6年。
・作業療法士でありつつカウンセリングサロンの起業。
・並行してIAIRの関東地区代表、認定講師としての講義活動。
・作業療法塾でコラムや情報発信。出版。
・個人事業を株式成り。
・JVの光と陰。
などなど……様々な経験をしてきました。
今回、経験を通じて得た「実感」に加え、
今は「情報の速度」や「知識の量」は求められていない。
今は「情報や知識を使いこなす知恵」と「感じる力」が求められている。
そう感じるに至ったエッセンスを盛り込んでいきます。
2018年以降の未来に通じる新たな療法士リーダー像を提案いたします。
先の見えない、変化光速時代の一助となれば幸いです。
感想をいただきました!
追記変更情報
・2018年11月1日
「はじめに」、「2018年改定版をnoteにするにあたって……」を更新。
・2018年11月2日
第一、第二の習慣を更新。感想追記。
・2018年11月3日
「療法士リーダー10の習慣 2012年 無料公開版」をリリース。
第三、第四の習慣を更新。
・2018年11月6日
第五の習慣を更新。
・2018年11月27日
第六の習慣を更新。
感想一件追加。
Q&A追加
この本は随時「変更・調整・更新」を繰り返していきます。
加えて、感想やご意見、ご質問に応じて、Q&Aを充実させていきます。
読者の皆さんと一緒に、共に育んでいきましょう!
もくじ
はじめに
2018年改定版をnoteにするにあたって……
感想をいただきました
追記変更情報
第1の習慣:守・破・離
(1)守(しゅ)・破(は)・離(り)とは
(2)成長することを恐れない
第二の習慣:やるべきことを考える
(1)「やりたいこと」と「やるべきこと」は違う
(2)「顧客に満足してもらうこと」
(3)「変換」
(4)小手先のテクニックはNG
(5) 優先順位を考える前にキャパシティを考える
第三の習慣:組織のことを考える
(1)社会に目を向けているか?
(2)専門職であるアナタの興味は?
(3)会社の目的=利益を上げること?
(4)会社―組織―個人
(5)プロセスを誇ってはいけない
第四の習慣:アクションプランが作れる
(1)汎化すべきもの
(2)タイムスケジュールではない
(3)成果をもたらす足がかり
(4)目標設定の大原則
第五の習慣:意思決定ができる
(1)そもそも意思決定とは?
(2)意思決定の足がかり
(3)アクションプランではない
(4)高い目標設定。だが手段は任せる
(5)5W2Hで考える
第六の習慣:コミュニケーションを行える
(1)全ての人に伝える
(2)適材適所
(3)他人の力を利用する
(4)1+1=無限大
(5)リーダーが習慣にすべきこと+α
第七の習慣:チャンスを重要視できる
(1)弱点改善は時間の無駄
(2)人の得手不得手は砂の山
(3)チャンスは生モノ
(4)問題か? 課題か?
第八の習慣:会議の生産性をあげられる
(1)病院は会議が多い
(2)非生産的な会議形式
(3)情報共有の真実
(4)目的・理解・貢献
(5)会議の参加者レベル
第九の習慣:チームについて考えられる
(1)組織を意識して行動
(2)『私は』 or 『私達は』
(3)仲間と思ってもらう
(4)当事者意識の醸成
(5)ドリームチームの条件
第十の習慣:専門職意識を捨てられる
(1)専門家であることを自覚する
(2)果たすべきことは何か?
(3)まゆみのココロ
(4) プロフェッショナルは海藻であれ
さいごに
Q&A
第1の習慣:守・破・離
(1)守(しゅ)・破(は)・離(り)とは
まず第一の習慣としてあなたにお伝えしたいのは、守破離です。
これは武道や芸事の世界に昔からある言葉で、僕自身は物事の真理であると思っています。
引用させてもらうと……
伝統を受け継ぐ者にとって忘れてはならない、特に武道にとっての教えが
「守破離」である。
「守」とは、師や各流派の教えを忠実に守り、それからはずれることのないよ
うに精進して身につけよ、という意味である。
「破」とは、今まで学んで身につけた教えから一歩進めて他流の教え、技を取
り入れることを心がけ、師から教えられたものにこだわらず、さらに心と技を
発展させよ、という意味である。
「離」とは、破からさらに修行して、守にとらわれず破も意識せず、新しい世
界を拓き、独自のものを生みだせ、という意味である。
[参照]活人剣抜刀道、叢文社
守・破・離が僕らに語りかけてきている内容は、
僕ら専門職である療法士が自らの道を築き上げていく流れそのもの
です。
男性ならば、武道といえば中・高校時代に授業の一環であった程度。
ですが、実はその授業のなかに様々な教えがあった事に気づいている人は少ないのです。
僕はたまたま祖父が武道家だったとのことで、父や叔父、お弟子さんから様々な武勇伝を聞いて育ちました。
幸か不幸か、直接祖父と話した事が無いだけに、間接的に祖父と似た道を目指すに至っているのでしょうね。
(2)成長することを恐れない
余談でした。
ですが……
「守破離の過程」と「療法士人生の成熟過程」は同じである。
僕自身の経験からも真実にして真理である、と言わせていただきたいのです。
僕のこの話を聞いているあなたは、おそらく守から破にいる人たちでしょう。
また、守にいながら離を早急に望む人かもしれません。
急がないでください。
師となる人は、正しい努力を重ねている限り、自ずと現れて来ます。 道に迷った時に、必ずハッと気づかせてくれる人が現れます。
ただ、それはアナタ自身にとって都合の悪い場合がままあります。
自分にとって都合のいい事だけを受け入れるのか、それとも自分にとって都合の悪い事をも全てを受け入れるのか。 全てはこれからのアナタ次第です。
「守破離」は単に武道の世界だけの教えではない。
学問も経営も技術も、すべてにあてはまる。
師に教えられて師に止まっていては発展はない。
古武道に出発して古武道の中で止まっていたのでは、後継者としての存在価値はない。
師をしのぎ、伝統を越え、親を超越して、より高い次元に発展成長してこそ文明
の進歩がある。「守破離」とはその意味の言葉である。
[参照]活人剣抜刀道、叢文社
(第一の習慣了)
第二の習慣:やるべきことを考える
(1)「やりたいこと」と「やるべきこと」は違う
まず、第二の習慣を身につけるにあたって必要な要素は、
「やりたいこと」と「やるべきこと」は違う
という事を知らなければいけません。
なぜか?
それは、アナタが専門職……リハビリの専門家だからです。
残念ながら、アナタも一度はこんな事をした経験があるはずです。
『やれること』と『やりたいこと』の二つで天秤にかけてしまう。
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