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第39話『サマキャン終わりだオセロッチ!!おうちへ帰るぞ!』

      ☆白黒★オセロッチ!


【前回までのお話】
サマーキャンプにてそれぞれの夜を過ごしたオセロッチ達!
さて、そろそろ帰るぞ!!

前回

第39話『サマキャン終わりだオセロッチ!!おうちへ帰るぞ!』



「じゃあなー!また明日学校でなー!!」

「バイバーイ!」


最初に集合した追手門公園で、
一同は別れの言葉を口にして解散した。


「じゃああたし達も帰ろっか、オセロッチ。」

「うん。」

ユメちゃんとオセロッチは団地に向かって歩き出した。



「楽しかったよね!オセロッチ!」

「うん!楽しかった!」

夕日が二人の影を長くしている。


「ねー、オセロッチ宿題やった?」

「あ!いっけねー!やってない!」
おでこをペチンと叩くオセロッチ。

「んもー。ダメだなあ。」

「またヤンセンに怒られる・・・。」

宿題を忘れた生徒にヤンセンは容赦ない。

「大丈夫だよ。今回の宿題は簡単だったから、オセロッチならすぐ終わっちゃうよ。」

「それ計ドだろ?漢ドがめんどくさいんだよな〜。」

計ドは計算ドリル、漢ドは漢字ドリルである。


「漢ドないじゃん。」

「え!?」

「漢ドは今回なしだよ。」

オセロッチの顔が、ぱああああっと明るくなる。

「ラッキー!!じゃあ楽勝だ!!」

オセロッチはぴょんと飛び跳ねた。



「あれ?お兄ちゃんいる」

長く伸びた二人の影の先にぬぼーっと背の高い人影がある。


「おかえりユメ子、オセロッチ。」

ユメちゃんの兄貴、高校生のワタル兄ちゃんだ。

「お兄ちゃんなんでいるの?」

「なんでって…迎えに来てやったんだろ」

ユメちゃんのお母さんの指示で二人を迎えに来たワタル兄ちゃん。

「そっか!・・・ん!」

ユメちゃんは背中に背負っていたリュックをワタル兄ちゃんに投げてよこした。

「っしょ、」

ワタル兄ちゃんは片手で軽々とキャッチして左肩に掛けた。

「オセロッチも貸せよ。」

「ありがとう。ワタルくん。」

「っし。」

器用に両肩にリュックを背負ったワタル兄ちゃん。

3人で団地に向かって歩き出す。


「オセロッチ、今日ウチで晩飯食ってけってさ。」
ワタル兄ちゃんがユメちゃんのお母さんからの伝言を伝える。

「え?」

オセロッチの顔がキョトンとする。


「オセロッチのかーちゃん、また急に夜勤になっちゃったんだって。」

「そ、そっか。」

オセロッチの表情がしぼんでいく。

オセロッチのお母さんは忙しく、昼夜を問わず家を空けることが多い。人命に関わる仕事だから仕方がないのだ。
そんなオセロッチ親子をほっておけないユメちゃんのお母さんは、よくオセロッチを晩ごはんに呼んでいたのだ。


遠慮がちにユメちゃんの顔を横目で見るオセロッチ。

「悪いね、いつも。」

「なに言ってんだよ!水くさいな!」

オセロッチの背中をバンッと叩くユメちゃん。



「晩ごはんなにかなー!?」

明るく振る舞うユメちゃん。


「キャベツ刻んでたからお好み焼きだと思う」

ユメちゃんのお母さんの得意料理だ。

「やったー!ひっくり返すぞー!」

ユメちゃんは両手でお好み焼きをひっくり返すフリをした。

「キャンプはどうだった?」

「楽しかった!カレー食べたんだけど、めちゃくちゃ美味しかったんだよ!ね、オセロッチ!」

「う、うん!美味しかった!」

鼻をスンスン言わせているオセロッチ。



ユメちゃんもワタル兄ちゃんもオセロッチが涙目になっていることには気がついていた。
オセロッチの寂しい気持ちはよくわかっている。
今日ぐらいはキャンプの思い出話をしながら親子二人でゆっくり夕食を囲みたかっただろうに。


「晩ごはん食べたらちょっとだけストツーかボンバーマンしようよ!」

そんなオセロッチの胸中を察してかユメちゃんは明るい。

「おし、やるか!俺はブランカ使うわ!」

「オセロッチはチュンリーね!」

「い、いやだい!」

手の甲で涙をぬぐうオセロッチ。

「あははっ!」

屈託なく笑うユメちゃん。





楽しかったキャンプの最後はちょっぴりしょんぼりなオセロッチ…。

でも元気だせよ!あと宿題もな!

(つづく)



☆白黒★オセロッチ! 次回 第40話『オセロッチのターニングポイント!?アカネの真意は何なんだ!?』
2022年1月5日更新!

☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから


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