40代、おてつたびで違う人生を歩む自分の姿が見えた|鳥取へ移住した女性が語るキャリア選択とおてつたび【おてつびとインタビューVol.37】
今回は、鳥取県琴浦町に移住し、地域おこし協力隊として活躍する吉野亜紀さんにお話を伺いました。東京で生まれ育ち、キャリアウーマンとしての道を歩んできた吉野さんが選択した新たなキャリアについて、その経緯や想いをお聞きしていきます。
現在は何をしていますか?
鳥取県の琴浦町というところで地域おこし協力隊として活動しています。
生まれも育ちも東京で、社会人になってからも都内のカプセルホテル運営会社でバックオフィスに従事していましたが、おてつたびを利用して鳥取に何度も足を運ぶようになって、去年の9月に琴浦町に移住しました。
おてつたびを知ったきっかけは?
琴浦町で地域おこし協力隊をしている友達から「町内でおてつたびの事業をスタートするから、参加者として使ってみてくれない?」と誘われて、それで初めて知りました。
キャンプ場のお手伝いということでしたが、もともとすごく自然が好きだったので、普段の職場とは異なるアウトドアな環境で働けるなんて面白そう!と思いました。
それから、当時仕事でホテルのスタッフ教育に携わっていたので、キャンプ場にいらっしゃるお客さんと直接やりとりをすることで、フロント側の気持ちも理解したい、という勉強の気持ちもありました。
いずれにしても、最初は移住なんて考えてなかったですね。大人になって自由にアルバイトをする余裕もない中で、やったことのないこともやってみたいな、という興味本位と、友達にも会いに行けるし、いいかな、という気持ちで参加を決めました。
鳥取のおてつたびではどんなことをしましたか?
琴浦町の一向平キャンプ場で、片付けや落ち葉の掃除、それからチェックインなどの接客業務をやりました。簡単な仕事ではありますが、ある程度任せてくれて、その上で「分からないことは聞いてね」とフォローしてくれました。
自然の中でお仕事をして、他のおてつびとの方々と一緒にご飯を作ったり、寝泊まりしたりと、キャンプ場で過ごす非日常感が楽しかったです。スタッフの方との関係もよくて、受け入れてもらっている雰囲気がありました。
すごくいいところだったので、皆さんにも会いたいし、また琴浦町に行きたいなと思い、長い休みが取れるたびに琴浦町のおてつたびに参加するようになりました。
何回も行くうちにスタッフさんの方から「よかったら手伝いに来てくれない?」と誘ってくれるようにもなり、鳥取には移住するまでにおてつたびで7回足を運びました。
移住を決めたきっかけは?
もともと自然が好きで田舎への憧れはあったので、おてつたびに行き始めてからは少しずつ移住について考えるようになりました。ただ、セミナーや相談会にも行きましたが、現実的ではないなと思い、考えるだけという期間が2年半くらい続きました。
決定打になったのは、新型コロナの流行でした。ホテル業界に務めていたので、泊まるお客さんがいなくなってしまい、なんとか会社を存続させなくてはならない状況になったんです。そのために必死で頑張って乗り越えた頃、当時の仕事に対して「やり切った」と感じるようになりました。そしたら、別に東京にいる意味もそこまでないんじゃないかって。
そんな折に、たまたま琴浦町で地域おこし協力隊の募集が出ているのを見つけました。アウトドア事業で町を盛り上げましょう!という魅力的な募集で、色んなタイミングがよかったので、移住を決意しました。
移住して感じたことはありますか?
実際に移住してみて、自然が多いのがやはり一番の魅力ですね。初めて来た時から、山も川も海も自然がいっぱいで、なんていいところだと思っていました。
鳥取の人は東京に憧れて出ていく人が多くて、人口は日本で一番少ないですし、町を歩いていても若い方は少ないです。でも、琴浦の皆さんにとっての日常が私にとっては非日常だったというか、東京では手に入らないものがここにある!と感じました。お互い無いものねだり同士なんだと思います(笑)
移住前におてつたびを利用して良かった点はありますか?
おてつたびを通して地域に何度も足を運ぶ中で、元々いた知り合いに加え、キャンプ場のスタッフや役場の方々と知り合うことができました。
特に、おてつたび受け入れ先の都築さんとの出会いは大きかったですね。都築さんはおてつびととの交流を大切にして下さる方で、おてつたび期間中にたくさんお話しました。移住する時に、すでに知っている人が数名いたので、安心して飛び込めたと感じています。
これから移住や二拠点生活を考える人にとっても、おてつたびでいろんな地域に行くのはとてもいいことだと思います。普通に旅行に行くのとは違って、おてつたびは何日か泊まって生活するので雰囲気が掴めますし、報酬ももらえますから。それで気に入った地域があればリピートするのもいいんじゃないでしょうか。
おてつたびの魅力はどんなところだと思いますか?
その仕事に就いてずっと働きたい!という強い思いがなくても、1週間だったらいっか!みたいに割り切って色んなことにチャレンジできるところが魅力だと思います。特に、大学生には超おすすめだなと思っています。自分が大学生の時におてつたびがあったら、色々経験してみたかったですね。
学生のうちって、だんだん自分のやりたいことしかやらなくなるじゃないですか。友達付き合いも、部活も、バイトも、自分で好きなことを選んで、やりたくないことはやらない、みたいな。
でも、おてつたびで日程などの条件が合うところを探して行ってみたら、初めはあまり興味がなかったとしても、予想外の出来事や出会いがあってとても刺激的だと思います。
社会に出ると自分の好きなことばかりできるわけではないので、大学生のうちに想定外のことに出会っておくことは、社会人になって思いもよらないことに出会ったときに「こんなこともあるよね」って受け入れる土台にもなるんじゃないかと思います。
私自身、大人になって、もっと若い頃に色んな経験をしておけばよかったなと思うんです。学生時代は一つの飲食店でずっとアルバイトをしていましたが、こんな職業もあるんだ!みたいな経験もしておきたかった。
でも、この歳になって、おてつたびのおかげであの時できなかった経験ができました。それも、向こうは人手が欲しくて、こちらが仕事をすれば評価をしてくれて、役に立っている感覚がやりがいにもなって。何度もリピートしたのは、それが面白かったからだと思います。
これからの展望を教えてください
地域おこし協力隊としての任期が3年あって、その間に琴浦町でアウトドア事業に携わるあり方を模索する、というのが大きなミッションです。
今は、ウィスキングといって、サウナ室の中で植物の枝葉を束ねた「ウィスク」で身体を叩くことで、血行を促進して全身をムラなく温めるリラクゼーションをやっています。これを事業化することを夢見て、これからも活動していきたいと思います。
🌿亜紀さんがウィスキングマイスターをしている『Nature Sauna(株式会社 一向平キャンプ場)』
🌿亜紀さんのInstagram
🌱亜紀さんが参加した おてつたび先
【取材:おてつたび広報 園田、執筆:柴山颯志(おてつたびライター)】
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