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【子どもの創造的自己探究】瀬戸内の島っ子企画:オリジナルラップ曲づくり!

 初めまして、OTEMBA STUDIOの武井です。過去10年程、クリエイターコミュニティやものづくりを通じた地域活性化に携わり、2023年から瀬戸内海の島近郊で、小さなスタジオ「OTEMBA STUDIO」を運営しています。

OTEMBA STUDIOとは

 東京・瀬戸内を拠点にストーリーテリングの力でアート&カルチャーコンテンツを創造するスタジオです。作品や活動を通して物事に問いを立て、小さな幸せの連鎖から社会にポジティブなインパクトを生むことを目指しています。カルチャーコンテンツの制作に加え、「創造的自己探究」をテーマにしたチームビルディングや教育コンテンツとして、「OTEMBA WORKSHOP」(オテンバワークショップ:音楽制作、絵本制作、デザイン制作などをテーマにしています)も提供しています。

OTEMBA STUDIOは、激動の時代においても、子どもたちがモノづくりのプロセスを通じ、自らの感性に向き合い、創造性を育み、内なる可能性を最大限に発揮する事で、地域に新しい文化とコミュニティを形成することを目指しています。

OTEMBA STUDIO websiteより

9月20日(金)、創造的自己探究を目的とした課外授業の一貫として、瀬戸内海に浮かぶ「金魚の島」こと、山口県大島郡周防大島町にある150年の歴史を持つ久賀小学校にて、クリエイティブプロセスから学ぶ OTEMBA WORKSHOP vol.1を実施しました。


ワークショップ概要

日時:2024年9月20日(金)
場所:山口県大島郡周防大島 久賀小学校
対象:小学校6年生

実施目的

今回の実施目的はこちらの2つ!
まずは、アイディアを音楽作品として具現化するプロセスを体験します。
そして、その次に作品を作って終わりにせず、完成した作品をこれから地域や地元コミュニティーにどう活かしていくかを子どもたちと一緒に話し合い、アクションに繋げられる具体案を出します。

  1. アイデアを具現化する音楽制作体験する(創造的自己探求)

  2. 完成した作品の活用方法を自ら考える(コミュニティへの還元)

メンバー紹介

プロデューサーの井田先生から本日の運営メンバー紹介をしてもらいます。元気に制作していきましょう!

プロデューサーの井田先生(左) OTEMBA SUTUDIO企画・運営の武井(右)
OTEMBA STUDIO 音楽プロデューサーの瀬名さん(左)

ワークショップの流れ(前半)

本日の音楽制作の流れは以下の通りです。
歌詞の発表 → リズム音録り → ラップ練習+本番録り → メロディーライン説明 → メロディーライン録り

オノマトペ歌詞の発表

先生方のご協力により、生徒のみなさんには、事前に宿題として島の生活の中から、自らの感性で聴き取った音を歌詞にし、5・7・5 のリズムとオノマトペに乗せて持参してもらいました。

早速、生徒の皆さんには、自分たちで考えてきてもらった歌詞を発表してもらいます。

島ならではのオノマトペ歌詞がたくさん出ました。

かき氷 まつりで食べて シャリシャリキーン
秋になり みかん収穫 パチパッチ
なむでんは でんとうおどり くっそ かんかん
久賀の空 ひびく 引山 どんどこどん

生徒の作品より

季節感あふれる周防大島ならではのオノマトペが次々と飛び出し、それを聴いた大人たちは、子どもたちのユーモア溢れる表現に「そうきたか!」と驚かされました。

宿題のオノマトペの歌詞を全部読み上げたところで、今日のミッションを発表!

本日のミッションを発表した瞬間の子どもたちの期待と不安の入り混じった表情が印象的でした。

リズム+ラップ録音

 まずは、ラップ音楽の基礎となるリズム音を自分たちの体を楽器にして、足踏み手拍子でリズムを作りました。その後、声録りについてのテクニカルな注意事項を聞いてから、瀬名さんのラップの実演を経て、子どもたちの実践練習スタート!

そして早速、本番録りです。緊張しながらも、マイクの前に立つと紅潮した表情で自分で書いた歌詞をラップに乗せて大きな声で歌います。

自分の番が来るとマイクの前に立ち、精一杯ラップで表現します。

緊張の余り一時休憩を入れにいった生徒を心配した場面もありましたが、元気に戻ってきてくれて、友だちに支えられながら自分の声でしっかり自分の文章を歌い切った瞬間、会場は温かな感動と拍手に包まれました。

メロディーライン録音

 その後は、ラップの間に入れる「サビ」のメロディーラインの説明を受けました。宿題として島の声に耳を傾けてオノマトペにしたことや、島への思いをまとめて出来上がった歌詞を何度も練習しながら、体で覚えます。

メロディーラインの歌詞

メロディーラインの本番録りもみんなで大合唱、しっかり録音できました!

ワークショップの流れ(後半)

本番録りが終わった後の、後半の流れはこちら。
 → 今後の作品の活かし方(グループディスカッション) → グループ発表 → 出来上がったデモ視聴 → 振り返り → 今日のまとめ

活用アイディア:グループディスカッション

録音した音の編集作業と並行して、ここからは出来た作品を今後どう活かしていくかを話し合います。グループに分かれ、配られたOTEMBAワークシートを活用して、アイディア出しを行いました。

グループディスカッションの様子
どんなところで活かせるか具体的な案を考えます。

いいアイディアに辿り着くためには、たくさんのアイディアが必要です。出てきたアイディアは全てアイディアメモとしてワークシートに書き込みます。

活用アイディア発表

それぞれのチームから出てきたアイディアを代表者が発表してくれました。

出てきたアイディアを深ぼるため、なぜそう思ったのかも質問します。
こちらが生徒の皆さんから出てきた活用アイディア

まずは、「友達や家族に聴いてもらいたい」というアイディアからどんどん広がり、「島を知ってもらうために、島にイベントで演奏し、旅行に来た人や海外の人たちに聴いてもらう」「町役場のフロアで流す」など様々なアイディアが出てきました。また、音楽をみんなはどんな時に聴く?というシンプルな質問から「落ち込んだ時、楽しい時に聴くから自分たちの卒業式に流したい」など、自分たちの学校生活に密着した素敵なアイディアも出てきました。

出来上がったデモ視聴

 音楽プロデューサー瀬名さんの並行作業により、別々に録音した音たちが繋ぎ合わされ、一つのデモ音源が出来上がり、みんなで試聴しました。先程録音した自分のラップに嬉し恥ずかしの反応をしながら、みんな耳を澄ませて聴いていました。

録音した音を繋げる仮編集作業中の瀬名さん

まとめ

 納得いく表現ができた人、できなかった人、制限時間がある中での制作のため、色々思うことはあると思いますが、正解のないクリエイティブ制作のプロセス体験を通して、まだ知らぬ自身の興味を掘り下げるきっかけとしてもらえたら嬉しい限りです。

私が長年携わってきたクリエイター業界では、私を含む多くのクリエイターがクライアントワークとは別に、情熱を注いで取り組む個人的なプロジェクト、いわゆる「パッションプロジェクト」を持っています。私自身も、自分のパッションプロジェクトの活かし方を模索していますが、完成した作品を単に楽しむだけでなく、パッションプロジェクトと地域社会を結びつけることが出来たら、その地域の可能性に貢献でき、同時に作品の存在意義も高まると信じています。

今回の音楽作品に関しても、ただ鑑賞するだけでなく、その表現力や創造性を社会のニーズに応じて実践的に活かすことで、地域社会の未来に新たな価値を生み出せると考えています。アイデアをその場限りで終わらせるのではなく、先生方をはじめ、参加いただいた教育機関、地元議員の方々と共に、まずは小さな取り組みから具体的に実現していきたいと思います。

今回は、制作した久賀小学校6年生の作品に加え、10月後半に実施予定の5年生ワークショップで生まれる作品を取り入れて編集し、ひとつの楽曲として完成させる予定です。また、生徒の皆さんから出された活用アイデアの一つを、まず最初の実現として校内放送でお披露目発表する予定です。お楽しみに!

2時間のワークショップを終えて集合写真パチリ

イベント終了後

参加してくれたメディアの方々から生徒代表がインタビューを受け、その様子が、TV放送・記事化されました。取り上げて頂きありがとうございました。

インタビューを受ける生徒さん
インタビューを受ける生徒さんたち

KRY山口放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/290cbdd27de9c15fe9c9f51bea3db20793deeadb

中国新聞 (一部有料記事)
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/533576


※ワークショップ実施に関する問い合わせ・ご相談はこちらのOTEMBA STUDIOサイトの問い合わせフォームよりご連絡ください。
https://otemba-studio.com/contact


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