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【知られざる美食の宝庫】ベトナム中部料理の魅力を徹底解剖

ベトナム料理といえば、フォーやバインミーが思い浮かぶかもしれない。

しかし、その一方で「中部料理」が持つ奥深さと独自性は、多くの人にとって未知の領域だ。

南北を結ぶベトナム中部は、古都フエや世界遺産の街ホイアンを中心に、独自の食文化が花開いた地域。

今回は中部料理の奥深い魅力を紹介しつつ、その食文化の背景も探っていく。



ベトナム中部料理の特徴とは?

中部料理の特徴は、甘さと辛さ、そして酸味が絶妙に組み合わさった「強い味付け」。北部のあっさりした味や、南部の甘味が強い料理とは一線を画している。

さらに、宮廷料理の名残を感じさせる洗練された盛り付けも特徴の一つだ。特にフエは、ベトナム最後の王朝・グエン朝の宮廷があった場所。そこで生まれた料理は、味だけでなく見た目の美しさにも重きを置いている。


ベトナム中部料理のおすすめ7選

1. ブンボーフエ(Bún Bò Huế)

フエを代表する名物料理。牛肉と豚足が入ったピリ辛のスープは、レモングラスと唐辛子の風味が絶妙。フォーよりも太い米麺が特徴で、辛味と酸味が絡み合う複雑な味わいがやみつきになる。


2. ミークアン(Mì Quảng)

ダナンを中心に親しまれるご当地麺。黄色がかった米麺に、エビや鶏肉、豚肉が乗せられ、少量のスープと一緒に食べるスタイルが特徴。ピーナッツやバジル、揚げせんべいがトッピングされる豪華な一杯だ。


3. カオラウ(Cao Lầu)

ホイアンの名物料理。厚みのある独特な麺と、豚肉、シャキシャキの野菜を混ぜて食べる。スープは少なめで、和え麺のような感覚。ホイアンの井戸水で作られた麺は特別な風味がある。


4. バインベオ(Bánh Bèo)

米粉を蒸して作られる小皿料理。中央にエビのすり身や揚げ玉ねぎがのせられ、甘辛いタレをかけて食べる。フエの宮廷料理の影響を感じる繊細な一品だ。


5. ネムルイ(Nem Lụi)

豚肉を竹串に巻きつけて炭火で焼いた料理。ピーナッツソースにディップして、生野菜や米紙で包んで食べるスタイルが一般的。シンプルながらクセになる味わい。


6. バインセオ(Bánh Xèo)

ベトナム全土で食べられるが、中部では小さめでパリパリの生地が特徴。エビや豚肉、もやしを包み、甘酸っぱいタレと一緒に味わう。香草と合わせて食べると、さらに風味が引き立つ。


7. クラゲ鍋(Lẩu Sứa Quy Nhơn)

海沿いの街クイニョンで愛されるご当地鍋。ぷりぷりのクラゲが主役で、さっぱりとしたスープが特徴。新鮮な魚介と野菜もたっぷり入り、ヘルシーながらも満足感が高い。


中部料理が誕生した背景

中部料理の発展には、地理的要因と歴史的背景が大きく影響している。

地理的条件

中部は海に面しており、豊富な魚介類が手に入る。また、山間部では野菜やハーブが豊富に採れるため、これらが中部料理の基盤となった。

宮廷文化の影響

特にフエは、宮廷文化が料理に大きな影響を与えた地域。見た目の美しさや、複数の小皿料理を提供するスタイルは、宮廷での宴会を彷彿とさせる。


中部料理が愛される理由

中部料理は、その独特な味わいや美しい見た目だけでなく、ベトナム文化の多様性を象徴している。

辛さ、甘さ、酸味が絶妙に混ざり合ったその味は、一度食べると忘れられない。まだ知られていない料理がたくさんある中部。

次回ベトナムを訪れる際は、ぜひ中部料理を存分に味わってみてほしい。食文化の深さと地域ごとの違いに、きっと驚かされるだろう。

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