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駐妻のみなさん、フェミニストになりませんか?

色んな意味でザワザワさせるようなタイトルでごめんなさい。
まず最初にお伝えしたいのは「フェミニストは一人一派」という言葉です。フェミニストが何を考え何をするかは様々な見解があるので、この記事はあくまで「わたし」の考えであるということを念頭に置いて頂ければと思います。


「駐在妻」って言葉が苦手です


自分でタイトルに使っておきながら、わたしは「駐在妻/駐妻」という言葉があまり好きではありません。

世の中に一般的な「駐在妻って、キラキラした生活をして、マウンティングのし合いでギスギスしてるんでしょ〜??」というイメージと、わたしの実際の生活がかけ離れているために、「そんなんじゃねーし!」と抵抗感があるのも理由の一つなのですが、自分を表現するラベルが「妻」になることにも違和感があるのかもしれません。

「妻」という言葉は「夫」がいて初めて成り立つ言葉です。「わたし」は誰になんと言われようと「わたし」なのに、「夫」がいてはじめて成り立つ「妻」という表現。。。

考えすぎと思われればそれまでなんですが、わたしはなんか居心地悪い

じゃあわたしの夫は「駐在夫」と言われるかというと、そうではなく「駐在員」。「駐在夫」は一般的に妻の海外赴任に帯同した夫のことを示す言葉です。

現地で働いている側は「駐在員」という他の誰かの存在に依存しない表現なのに、付いてきた側は「駐在妻/夫」というパートナーがいて初めて成り立つ表現。

わたしはこの「駐在妻/夫」という表現に不安定さを感じてしまいます。

わたしがフェミニズムに目覚めたきっかけ

わたしの大学は女子大でした。もちろん「ジェンダー論」の授業がありとても人気でしたが、当時のわたしは「今の時代、男女差別なんてなくない?」とあまり関心を持てずにいました。

それもそのはず。日本はジェンダーギャップ指数の順位が激低(ゲキひく)なことはみなさんご存知だと思いますが、教育分野に限定すると、政治・社会分野に比べてそこまで低いわけではないのです(とは言え低いけど)。
しかもわたしは私立の女子中高に通わせてもらっていたので周囲の友だちも当たり前に大学に進学していて、当時のわたしは自分が恵まれた環境にいたことに気付いていなかったんですよね。

そんなわたしがジェンダー格差に直面したのが、夫の海外赴任に帯同してシンガポールに来て、妊娠したタイミングでした。

妊娠する前は、夫婦それぞれ自由に過ごしていて、表面的には特に何の問題もなく過ごしていました。

しかし妊娠して、つわりなどの体調不良で家事が難しくなったとき、初めてのことに対する不安を聞いてほしいとき、さまざまな場面で夫に「ハァ!?」と思うことが増えていきました。

例えば、

  • 家事は妻の役割だという強い認識("僕は働いていてあなたは主婦なんだから"←わたしが仕事辞めて海外にいるのはあなたの事情に合わせたからだし、家事は365日休みないんですけど…)

  • 無能の武器化("俺は料理/掃除が苦手だから"←子ども産まれたらやってもらうけど?と伝えてもできるようになろうとしない)

  • ケア労働の拒否(わたしの体調不良を理由に家事などを頼んだとき"俺も体調悪い"←ずいぶん都合よく体調悪くなるもんだな)

  • 子育てに対する当事者意識のなさ(ネットによくある"夫育て"←この言葉なんなん?なんでわたしが育てないといけないの?)

などなどなど。

(一応言っておきますが、夫には素敵なところもたくさんあるんですよ。そして当時の話なので、子どもが産まれて改善した部分もたくさんあります。)

そんな生々しい愚痴をTwitter(現X)に呟いたところ、来るわ来るわ「うちも!うちも!」と共感の嵐。・・・これって、うちの夫が悪いんじゃなくて、日本の男が問題なのでは?!!と思うに至りました。(主語デカすみませんw)

そんななか、お腹にいる子どもが「(生物学的に)男」と分かった時、何も考えずに育てたら「こういう日本の男」を再生産してしまうのではないかと危機感をもち、ジェンダーやフェミニズムに関する本を読み始めました。

これがわたしがフェミニストになったきっかけです。

フェミニストになるとこんなメリットがあるよ

パートナーのことを嫌いになりすぎなくなる

夫にムカつくこともあるけど、「彼がこうなったのは社会のせいでもある」と、責める対象が彼本人ではなくなる!
なんの不満も問題も起こらない夫婦関係が理想だけど、現実問題、心かき乱されることもある。それでも子育てはひとりではできないから、パートナーへの信頼は無くしたくない。

そんなときに、フェミニズムの知見があると「こういう社会だからこんな考え方になっても仕方ないよね」とパートナー自身のことを責めすぎずに済みます!

人権を意識した言動ができるようになり、自分のことも周囲の人のことも大切にできる

差別や人権侵害に敏感になり、むやみに人を傷つけることがなくなるよ!
もちろんフェミニズムを勉強していても無自覚に人を傷つけてしまうことはゼロにはならないんだけど、少しでもその可能性を減らすことはできると思う。

それに、今まで無自覚だった自分の傷にも気づきやすくなるよ!フェミニズムを勉強してから「そういえばあのとき傷ついてたんだ」と過去の自分に共感(コンパッション)を送ったり、「この違和感はここから来てたんだ」と言語化することで、当時の傷が癒えたり、「大切な人に同じ痛みを感じてほしくない」と過去の傷から抜け出して未来に向けたアクションがとれるようになるよ。

社会問題が自分事になり、社会とのつながりが感じられる

恥ずかしながら、日本にいるときは政治にあまり関心がありませんでした。

でもフェミニズムに関心を持った今。

男女間賃金格差(女性管理職率や非正規労働率の男女差)、政治家の男女比率、性犯罪の厳罰化、包括的性教育、選択的夫婦別姓、同性婚、そして憲法改正などなどなど。さまざまなトピックの動向が気になります。よりよくするためには自分がどんな行動がとれるかに関心があります。

(ちなみに、あまり力が入らない社会課題もあります。わたしにとっては環境問題。ビニール袋にプラ製品、めちゃ使います…笑)

孤独を感じがちな海外生活、そして子どものことばかり考えがちな子育て生活、自分の意見を持って社会とつながりを感じられるのってわたしは「安心」を感じます。(でも、例えば新生児を育てていたり、大きな悩みがあったり、人生には自分のことで精一杯で社会のことなんて考えられない時期はあります!考えられない時期にいても自分を責めないで!)

デメリットがあるとするならば…

日本社会、ヤバいニュースが多すぎる!!!!

最近だと「結婚して地方に移住する女性に60万円」とか女は子どもを産むのが仕事だと言いたいわけ!?女の人権なんだと思ってるの!?って感じだし、「ワンタッチ痴漢にご注意!」とか性犯罪にキャッチーな名前を付けて犯罪を矮小化してるし犯罪者への抑止力になるメッセージを発信してほしいし、日本ヤバすぎ案件を日々目撃してしまう。

白目剥いて絶望しそうになるけど、日本国憲法によれば、主権はわたしたち日本国民にある!

それに、「社会」と考えると大きすぎて個人では歯が立たない感じがしてしまうけど、目の前にいる家族や友だちへの自分の関わり方はすぐに変えていける!わたしは絶望感や無力感があるとき「Think Globally, Act Locally 」って言葉に立ち返っています。(しょっちゅう絶望してる。笑)

フェミニズムに目覚めたみんな、未来の日本が人権を大切にする平等な社会になるように共に頑張ろうね!!!!!

【おまけ】子育てとジェンダーに関連するおすすめ本

難しすぎる本は目が滑ってしまうわたしだけど、そんなわたしでもスラスラ読めた本たちをご紹介します。

雑誌のように色んなパートに分かれているんだけど、対談形式のパートもあって読みやすい。男の子を育てる方はもちろんだけど、女の子を育てている方でも子どもへの関わり方として参考になると思うし、自分の夫に対して「はて?」と思うことが「これのせいかー!」と言語化されてすっきりするかも。最近第二弾も発売されました。

こちらもとても読みやすくて、たまに読み返している本。自分自身や社会が持ってる思い込みに気づいて過去のモヤモヤがスッキリするのと同時に、対応策を具体的に提案してくれるのがありがたかった。国が違うとこうも違うのかと視野が広がった一冊です。

さいごに

この記事がアンチフェミの方々に見つかりませんように…。わたしは誰のことも攻撃するつもりはないよ!

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