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起業はツラいよ日記 #29

昨日はお茶事業の方の仕事で埼玉県入間市にある的場製茶園さんにお伺いしてきた。

”ひとり出版社”である白蝶社をやりつつ、YOMOYAMA Inc.という会社を経営している(こちらは友人と立ち上げた会社だ)。YOMOYAMA Inc.では日本茶葉の魅力を国内外に伝えるために、国内の茶農家さん・外国人留学生(あるいは在留外国人)の方々と共に、「スパイスティーTeTe」という商品を企画〜製造〜販売している。美味しいので是非一度飲んでいただきたい。

さて、なぜこんな生き方をしているか?誰にも聞かれてはいないけれど、少しずつ語ってみたい。

副業(あるいは複業)という言葉と考え方が日本にも浸透してきた。浸透しただけで実践している人がどれだけいるのかは不明であるが、わたしは正に出版業とお茶の販売業という複業を行なっている。理由は単純で、それぞれ単独の事業を行なっていたのでは儲からないから。つまり、事業を継続できないからである。なんとも悲しい真実である。両方ともやりたいことなのだが、悲しい哉、単独の事業として成立させるのは非常に困難だ。直ぐに収益化するようなものでもない。

SpecialistかGeneralistか

こういう議論は昔からあって きっと今でも議論されていると思うが、日本はSpecialistを称揚する傾向にあると思う。大企業はGeneralistを育てているのに、日本社会がSpecialistを称えるなんて矛盾を感じるのだが、職人や生産者などは人気だ。昨日お会いした的場さんも「昨今、生産者は人気だ」と仰る。イチローなどのスポーツ選手が典型なのだろうか、何かひとつの領域に特化して努力し続ける人こそが素晴らしいと考える人が少なくない。

つまり、その傾向からすれば、出版業も茶業も行うわたしは「どっちつかず」「中途半端」という好ましくない烙印を押されてしまうことも多い。芸能人が飲食業やアパレル業、あるいは執筆業に手を出したときの世間の反応を想像してみてほしい。多くの人が「芸能の仕事だけやってろよ」「どうせ失敗する」と足を引っ張り、失敗すれば「それみたことか」と安堵する。社会は、我々にいろいろなことをやって欲しくないのだ。

この人は本屋さん、この人はカウンセラー、この人はケーキ屋さん、この人はサラリーマン。人物に貼るラベルは1つでよくて、幾つものラベルがあると分かりにくい。それに、色々とやられて全部成功されるなんてことになったらたまったもんじゃない。そんな感じ。

わたしも聞かれるから答えるのだけど、答えたら答えたで「色々やってるんですね」という言葉が返ってくる。しかし言外に「中途半端なことしてんな」というニュアンスを感じ取ってしまうのだ。性根がネガティブだからというのも影響しているが。

しかし、この先1つの職業だけで食べていける人は少ないだろうと言われている。社会の変化に対応しきれないから。だけど、世間は人に「1つのラベル」しか貼ろうとしない。それって、どうなのと思いません?

多様性を認める社会になりつつあるが、まだまだ先は長いことだろう。

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