2022年夏ドラマ「雪女と蟹を食う」（8／30）

昨日、一昨日の続き。

試聴している夏ドラマの中で特に気になっているもの。

雪女と蟹を食う

痴漢の冤罪で仕事も、家族も、友人も、恋人も何もかも失い、
死のうとしたけど、最後の一歩の覚悟が決まらない男・北。
（ちなみに「北」という名前は、彩女に呼び名を聞かれて答えた名前で、
視聴者も主人公の男の本名を知らない）
死にきれずにぼんやり眺めていたグルメ番組で北海道で蟹を食べる女性を観て、
自分が今まで蟹を食べていないことに気づき、
北海道で蟹を死んでから死のうと決める。
でも、手持ちだけのお金では足りない。
そんな時、図書館で裕福そうな女性・雪枝彩女と出会う。
彼女から金品を奪おうと、家までつけてお金を要求するが、
彼女はお金も渡すし、要求は聞くから乱暴なことはしないでと言う。
（その後、2人は性行為をします、なんと！急展開）
彩女は男が北海道で蟹を食べてから死のうと考えており、
そのためにお金を奪おうとしたという話を聞き、
自分がお金を出すから、自分も北海道に一緒に蟹を食べに行くと言い出す。
お互いの素性も知らないまま、北海道で蟹を食べることを目指して、
2人は旅に出る・・・

みたいな話。

タイトル、あらすじだけだったら普段は試聴候補に入れない部類の作品。
私の推し・ジャニーズWESTの重岡くんが主演なので、
観ないという選択肢はない。

情報解禁前から、噂は出ていて、
原作の漫画が無料で読めたのでチラリと拝見したところ、
物語開始早々、ベッドシーンがあるし、
その後の物語でも、かなりそういうシーンがある。
しかも、それがストーリーの中の重要な要素の1つとなっているので、
省略されるとは考えがたい。

ここ数年、重岡くんは俳優としても高い評価を得ていた。
２年くらい前には、（連ドラ内の1話だけとかゲスト出演的なものも含めてだが）5クール連続出演していたこともあった。
いろんな役を演じてきてはいるけれど、
最終的に主人公とは結ばれないんだけど、めっちゃいいやつみたいな役とか、
比較的、視聴者からも好感を抱かれる役が多かった。

キスシーンをやったこともあるけれど、
爽やかーな、きゅんとする、微笑ましい、可愛いやつ。
まして、ベッドシーンなんて・・・皆無では？
普段のキャラクターも相まって、全然想像できない。

本当にこの役をやるのか？！
やるとしたら一体どんなものになるのか？！と
楽しみ半分、不安半分。

（ちなみに、私は推しのラブシーンは全然ダメージじゃない派。
今回の不安っていうのは、
推しのそういうとこ観たくないっていうより
できるのか？！っていう不安（←失礼）
あんまりにもイメージがなさすぎて）

実際のドラマを観て、
そのあたりの演技面での心配は無くなった。
今までにないタイプの役柄だったけど、
思った以上にスッとハマっている。

アイドルとしてはいいと言えるのかわからないけれど、
彼の醸し出す「普通」っぽい雰囲気がいい。
今までのドラマでもそうだけど。
（彼は普通が過ぎて、コンサート会場に入る前に警備員に止められたことがあるそう）
良い意味でアイドル感が消えて、
どこか身近さがあって、それが演技として妙にリアルが出ていて、
評価されているのだろう。

今回、演じている北という男もごく普通の人。
とっても普通に生きてきたけれど、痴漢冤罪という思わぬ事態に巻き込まれて、
ころころと転げ落ちるように、人生が悪い方に転がっていって、
再起する方法も、その気力もなくしてしまった男。
北の「ごく普通の人間」みたいな空気をしっかり纏っているところが
重岡くんの演技のすごいところだなと。

ストーリーとしても、
今までにあまり自分が観てこなかったタイプの話で、新鮮。

彩女と北の関係も、
北海道に上陸してから登場したマリアと北の関係も、
数日の間にそんな関係になるか？！って感じだけど、
それは、死を意識した、ある種異常な、極限状態の中にいるからこその
距離の詰まり方なのかもしれない。

フィクションやし、
こんなことあり得ないやろう！っていう話ではあるけれど、
北やマリアの普通の感覚、感情の動きに共感できるところと、
彩女のどこか浮世離れした雰囲気がうまい具合に混ざり合い、
あのドラマの中の世界観がごく自然に成り立ってしまっているような
妙に説得力があるドラマにもなっている気がする。

あえて、原作の漫画は途中までしか読まなかったので
先の展開はわかっていない。
彩女の考え、感情というものが
北と同様、視聴者にもさっぱりわかっていない状況なので、
ここからの展開は本当に読めない。

北も、彩女も幸せになってほしいけど、
幸せになる展開が可能なのか。ドキドキ。