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マンション売却時の一括査定は意味あるのか?【その7】

大手の不動産会社の弱み(つづき)を綴っていきます!


◆ノルマ制で社員が働いている。

大手の(仲介)不動産会社は、すべて完全なノルマ制で雇われています。

当たり前と言えば当たり前ですが、営業マン(従業員)が、物件を売ったり買ったりしないと会社は潰れてしまいます。

それでなくても他業界にくらべて高い給料で雇ったりしていますので、払う給料以上の取引、利益を出してもらわないと、会社としては割に合わないといったところでしょうか?

営業マンは、会社からノルマを与えられていますので、毎月、そのノルマを達成する動きをとります。

従いまして、不動産営業マンの一番の優先順位は、ノルマ達成です。

「不動産を売りたい人の気持ち」や、「不動産を買いたい人の気持ち」を一番に考えたりはしません。

そして、ノルマ制を敷いていると、弊害が出ます。

それは、、、

「売りたくない物件」を売り、「買いたくない物件」を買い、「仲介したくない物件」を仲介するようになるのです。


私も東証一部上場の不動産会社から不動産業をスタートして、3社の不動産会社で働いてきましたので、こうなるのを多く見てきました。

ノルマ達成のために、あの手この手で物件を売らせようとしたり、買わせようとしたりします。

私は、ここで良い悪いの話をしたいのではありません。

皆さまに、事実を知って頂きたいだけです。


◆高い家賃の場所に出店している。

大手の(仲介)不動産会社は、どの会社も駅近くの好立地に店舗を出店していますよね。

家賃は相当高いです。

最低でも坪2万以上はします。

だいたい、20坪くらいのところが多いと思いますので、月の家賃は40万です。

当然ですが、この家賃はどこから支払われているかと言いますと、その月に取引した仲介手数料から支払われます。

営業マンを始め、すべての従業員の給料も、その月に取引した仲介手数料から支払われます。

従業員が5人いれば、月150万~200万の給料を、会社は支払っていることになります。

家賃と給料だけで、250万~300万の支払いになります。

もう一度お伝えします。

これらは、全てその月に取引した仲介手数料から支払われています。

逆に考えると、

毎月、何としても、どんな手をつかっても、仲介取引を数件しなければいけないのです。


例えば、3,000万のマンションを仲介した場合の手数料は、約100万です。

月一件の取引ですと、全然足りません。倒産します。

当然利益も出さないといけませんので、月5件以上は取引しないとダメでしょうね。

この毎月支払う固定費が、毎月一定額ありますので、取引することが優先されてしまうのです。

結果、理不尽な上司からの詰めにあって、嫌々取引している営業マンがたくさんいるのです。

もちろん、すべての取引において、お客様が満足しているなら問題はありません。

ただ、皆さんはどう思いますか?

大手の不動産会社の悪しき習慣から問題が発生し、嫌なニュースが後を絶たない現状があります。


不動産業界には、「囲い込み」という悪しき習慣があります。

「物件の売却を依頼された仲介業者」が、「他の業者が連れてきた購入検討者」には販売しない

というものです。

なぜか?

「他の業者が連れてきたお客さん」に売ってしまったら、買主からの仲介手数料が貰えないからです。

仲介業者は、仲介手数料で利益を上げています。

仲介手数料の上限は、法律で決まっていまして販売価格の3%です。

売主から3%、買主から3%が上限です。

3,000万のマンションの売買において、売主からの仲介手数料が約100万(3%)、買主からの仲介手数料が約100万(3%)となります。

仲介業者は、売主から物件を預かり、自ら買主に売ると、この6%にあたる200万が貰えるのです。

これを両手手数料とか、両手取引と言います。


ただ、売主から物件を預かり、他の仲介業者が売ってしまうと、売主からしか手数料は貰えません。

従いまして、手数料収入は、100万(3%)のみとなってしまうのです。

だから、大手の(仲介)不動産会社でも、他の仲介業者に販売協力を仰ぐことをせず、自社店舗に来る人だけに売ろうとするのです。

他の仲介業者から、「ウチにお客さんいるんですけど、その物件紹介していいですか?」という問い合わせてが入っても、「あっ、他の人で申込みが入ってしまいました」とウソをついて断るのです。

当然、そんなことをされているとは、売却を依頼した売主は知りません。

こんなことが、令和になった今の時代でも普通に行われています。

特に、財閥系大手の(仲介)不動産会社で普通に行われています。

「大手だから安心」と思ってしまっている人は、これを機会に一度じっくり考えた方が宜しいかと思います。


下記項目の詳細については、次の記事にてお伝え致します。

◆柔軟性がない。

◆専門性が低い。

◆離職率が高い。優秀な人は独立する。

◆一人の顧客に割ける時間が少ない。

etc.

不動産業界や不動産取引の有り方を健全な方向に変えるため、日々、不動産の仕事に邁進しております。サポート頂けたお金は全て弊社の不動産事業に使わせて頂きます。