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カメラだけでは生きられない、にしても。
みなさま、年末のご準備は如何でしょうか。
クリスマスも初詣もつまらないので数年前から廃止にしたおしゃまです。
さらにこんどの年末年始は例年塩抜きをしていた数の子も買わず、餅も太るので買わないつもりでいます。
カメラ送別会
さて、今回もまた買っちゃいました報告です。
んー?この前買ったOM-4とZUIKO28mmf3.5じゃね?と思われる、でしょうけど…
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なんと!OM-4tiブラックではないですか。
そう、先日OM-4の電池交換の様子をアップして、帰りにお店に行ったらこれがありまして…して、そんなに高くない。
みなさんもGoogleで検索して「ショッピング」のタブをクリックしてみてもらえればわかりますが、ネット上ではこの機種、けっこう強気なお値段が付いてます。
いくらカメラおたくでも誰が買うねんちゅうくらい。
だもんで、「週末悩みます」と言って帰宅しましたが、早速足りない分は下取りでなんとかしようと考えました。
ほかに考えようがない…単純だから。
でっ OM-4含め3台、また手放すことに決めて、カメラ送別会をひとり夜のコーヒー片手に開催しました。
翌日は開店後すぐくらいに出向き、早速査定依頼。
案外といい金額になったのは幸いでした。
きみたちのおかげです。
いままでありがとう!
残りはポケットマネーで間に合いました。
夜になってradiko聴いてたら「きょうは一粒万倍日」って言ってた。
ああそっか当たりだったのか。
罪悪感はあったけど
手許に残したカメラは、コンタックスT1台と139クォーツ、XAとデジのペンタックスQ、そこに新たにOM-4tiを迎えることになりました。
なんかね、あんまりたくさんカメラ持ってても、持ちきれないし出番は少ない子が出てくるし、小さい防湿庫も手狭になるしで。
たとい2台同時に持ち歩いても人間の手は2本ですからね。
そんなんしても大体同じところばっか写してしまうのがオチですし。
持ってても手放すにしても、どちらにせよ罪悪感がつきまとうのです。
断捨離という言葉は好きじゃないのですが(実際捨てられない人なのですけどね)、たまに身軽になりたい願望が出てきてですね。
せめて鞄のなかみだけでも軽くしたいと思ってまた鞄買って(カメラバッグ以外はほとんど中古品)、部屋に使ってないやつがダブついてる始末です。
服も着古すまで着てしまうから売れるレベルを突き抜けて着れなくなったらゴミ袋行き。
みずからの末路をみてるような気になってきた……
閑話休題。
改めて、OM-4tiはこんなカメラです
1983年に発売されたオリンパスOM-4、わがバイブル「カメラ総合カタログ’85」によれば当時の価格は139,000円也。
当時のTVCFがYouTubeにありました。
追って1986年にチタンボディ化したOM-4tiがデビュー。
89年にはブラックボディのtiブラックが登場し、OMシステム終了まで販売されました。
じつはそのカタログを昔もらったのが残っていました。
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カタログ写真が美しい。
気高さすら感じますね。
当時はオリンパス光学工業だったのですな。1999年。
このカメラ最大の特徴が、マルチスポット測光でした。
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シャッターボタン左のSPOTボタンを押すとスポット測光に切り替わり、ファインダー内で最大8箇所まで測光可能。
そこまでやると中央重点測光とあまり変わらないとも言われますが、まあ明るいところと暗いところ数カ所でスポットボタンを押して、そのままレリーズしてもそれぞれに適正な露出が得られるし、さらに左にあるHILIGHTボタンとSHADOWボタンいずれかを押すことで、それぞれオーバー側に2段、アンダー側に2と2/3段補正がかかる。
さらにはレリーズボタンを囲むメモリーリングを左右に操作することで測光値のメモリーとクリアが可能。
また軍艦部左側には露出補正ダイヤルがあり、そちらでも補正ができる。というのが概要です。
電子シャッターは1/2000秒まで切れます。
OMマウントのカメラとしては、OEMのOM2000と並び最速。
さらには当初激しかった電池の消耗をOM-4後期型、tiと改良して対処。
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チタンボディは、真鍮製ボディのOM-4に比して30g軽量化され、さらに防塵防滴にも注力した設計だそうです。
ライバルたち、そしてその後
しかし、OM-4発売の少し後には、一眼レフのAF化の口火を切ったミノルタα-7000が登場します。
その後なだれを打ったようにAF化の波はカメラ業界に押し寄せ、乗り遅れたオリンパスはこのOM-4tiと OM-3ti(そして前述のOM2000)でOM終焉までの時代を生きました。
同じく遅れをとった京セラは結局2005年にカメラ事業から撤退し、コンタックスブランドを閉じてしまいました。
わたしはその時代のカメラをリアルタイムで追っていた訳でもないので、当時のニコンのこともよく知らず、ただEOSがヒットしたキヤノンの快進撃と、それに負けた?ミノルタがコニカと合併するもカメラ事業から撤退したのが、きのうのことのように思い出されます。
このころのペンタックスってどうだったんでしょ? むかしOMに対抗してMXを出したりしたこともありましたが。
結局オリンパスも早々とデジタルに舵を切りましたね。
マイクロフォーサーズのPENがヒットするまでが長かったようですけれども。
で、使ってみてどうなの?
さっそく持ち歩いて撮影しておりますけれど、シャッターダイヤルが軽いのがうれしい。
マニュアルで撮るのが楽しい。
まあ軽いといっても、節度のあるクリック感が良いです。むやみに軽いわけじゃないのが、後のプラスティッキーなAF機とは一線を画しています。やはりこれは高級機だったのだと改めて感じます。
電池は下取りしてもらった機体から抜いて入れ替えてたのですが、ということは先日交換したばかりのものですが、百均電池は液漏れ耐性が低いよとも言われたので、SR44を奮発して買って交換しました。
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あいかわらず電池室蓋は薄っぺらで、閉めにくいこと。
どっかに転がり落ちたら取り返しがつかない。
ヤシカ製139のような工夫があると入れやすいのですが、あの蓋のオリジナルは樹脂製だそうで、やはり耐久性に難ありなのでしょうか。
ひとまず電池は当面安心かな。
昔所有していた4の後期型でも、そんなに替えた覚えがないですし。
やはりシャッターショックが小さく音も控えめなのは、変わらぬOMシリーズの美点ですね。
それに加えてtiの重量は初代OM-1と同じようなのです。
やはり買って良かったと思います。
ストラップはそのOM-1使ってたときからの布製。メーカー不詳。
革製はどうしてもごわごわして好きになれません。
カメラなしでは、生きられない!
たとえ大したことない写真を量産しているおしゃまでも、やはり写真って楽しいものです。
当初は形から入ったのではありますけれども、グループ展の末席に名を連ねさせていただいたころから、作品作りへの意欲がわいて来たのは否定しようがないです。
カメラの話より写真の話を、と言いたくなるのもわかります。
お店でライカレンズの描写について吹いてるおっさんたちがなに撮ってるかなんて知れたもんだ、とわたしも思います。
その上でですが、カメラ…フィルムカメラって言うようになって久しいですが、手にとるだけでやはり嬉しくなるものですよね。無論暗室とかも。
そういうプロセスをすっ飛ばしたデジに結局飽きた人が、いまフィルムに惹きつけられてるんじゃないかしら。
現像やプリントといったプロセスが必要なフィルム写真、銀塩写真はやることが多い。
それを面倒だと思わずに楽しんでしまうのがポイントかな。
その過程でもっといい写真が撮りたいと自然と思うようになるはずです。
だからカメラを愛玩することも完全に否定したくないのです。
さらに話しが飛躍しますが、みなさん余白のない人生って耐えられますか?
朝起きて食べて働きに行って、それだけではわたしなどは息が詰まりそうです。
誰しもいろんな余白を持って生きてると思います。
別に趣味で充たさなくてもいいのです。
タスクだけで埋まってる日々のなかに、せめてなにも入れない時間をもつ。
それは余白として意味を持つのではないでしょうか。
そこから一歩進んで、一見無用なことにその余白を充ててみる。
趣味の写真なんて、まさにその典型ではありませんか。
でも、無用にみえて無用ではない。
無用の用とは実に言い得て妙ですね。
それが世のなかの役に立っているとは思いませんか。
そんな無用の用に、これからできるだけ長きにわたり付き合ってくれるカメラとして、OM-4のなかでも熟成されたと思われるti、その最終型であるtiブラックを入手したわけです。
やはり声を大にして(おしゃまのリアルな声はちっちゃいのですけど…)書いときます。
人はカメラだけで生きていけるものではない。
されど、カメラなしでは、
生きられないです!
いろいろ他にだいじなことが抜け落ちてるのは承知の上で…
それでそれで。
年内か、正月休み中にはファーストロールの現像ができると思います。
そのときまた記事を書きますね。
*参考文献
「使うオリンパスOM」赤城耕一著
双葉社 2001年