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[今週の一冊]実践アクションラーニング1,8章のまとめ

ついにこの回でアクションラーニング入門を読み終わります!
過去まとめてきたものは、以下の3つです

1章の概要

まず第一章では、さまざまな角度からアクションラーニング(AL)とは何か・その効果はいかほどか、について書かれています。ALは、日本語で質問会議と呼ばれるくらいですから、質問が中心となる会議です。それだけでは、初見の方にとっては?が100個くらい並ぶものなので、第一章ではその概要と社会学・経営学側面からの効果効能について触れています。

アクションラーニングの6つの構成要素

  • 問題

  • グループ

  • 質問とリフレクションを重視するプロセス

  • 問題解決のための行動を起こす

  • 学習へのコミットメント

  • ALコーチ

各要素の詳しい内容は、前にまとめたnoteにあります

今回は、学習へのコミットメントに着目してみたいと思います。
ALでは、定期的にコーチが会議に割って入り、会議で起きているプロセスを振り返る時間をとります。

「私たちは、うまくいっていますか?」
「問題は明らかになってきていますか?」
「自由に質問できていますか?」
「チームの雰囲気はどうですか?」
「ルールは守られていますか?」

普段聞かれないような質問なので、初見の人は結構面食らうのですが(私も最初、笑ってしまった)、これがまさに「2階にあがって俯瞰的に自分たちを見る」「リフレクション」する練習になります。

「うまくいっていると思います」
「では、どこが具体的にうまくいっていますか?」
「質問がたくさん出ているので、進捗しているように見えます」
「いいですね、もっと進捗させるにはどうしたらいいと思いますか?」

と、コーチから矢継ぎ早にフォローアップの質問をされることで、問題解決に集中するだけでなく、問題解決をどう進めたらいいのか?とメタ的な視点を持つことが可能になります。短い時間で、問題解決視点とメタ視点を行き来することで、学習する力が飛躍的に高まるのがALのすごいところです。

短期間では、問題が解決されるという組織にとって明確なメリットがありますが、長期的に見ると参加者の「経験から学びとる学習力が上がる」という積み重ねると凄まじい成果につながる力を獲得できるのが特徴です。


8章の概要

次に8章では、組織にALを導入するときのステップが書かれています。ALを入れるということは、一種の組織変革なので、本書に書かれているステップをよくみてみると組織変革のステップによく似ています。


たとえば、経営トップの支援を得る・準備のためのワークショップを実施するなど。変革に抵抗はつきものなので、その抵抗をいかに受けないかを考え、トップを巻き込んだり、ワークショップで小さく初めて良さを理解してもらうことが重要になります。

また組織で行う際は、一つの問題を複数人で解決するシングル問題アプローチがより効果を発揮します。シングル問題とは、組織に関する問題を組織(ここではALを導入する事務局など)が提示し、メンバー全員で1つの問題を解決するアプローチです。たとえば以下のような問題が例として挙げられます。


  • 新しい業績評価制度づくり(キャセイ・パシフィック空港)

  • 生産部門のグローバル戦略(GE)

  • 不満を持つ従業員への対応

  • 一億ドルの事業コスト削減(キャタピラー)


学び

ALC養成講座では、セッションでいかに学習効果を高めるかにフォーカスして習ってきましたが、特に本書の8章では組織に実際に導入するときのステップについて書かれており、クライアントに提案する際は8章がとても参考になりそうです。

大きな会社でALを導入する際に、どんなプログラムで導入されるのか、実際の企画段階からデリバーまでを身近でみてみたいと感じました。

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